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ランク試験です5

多少残酷な描写があります。

また、最後は第3者視点です

 俺たちが南門についたのは7時40分くらいだった。

 すでに商人たちのそばにラムダさんたち3人の姿があり、こちらに気づくと手を振ってきた。


「遅れましたか? すいません」


「いえ、遅れてませんよ。まだ商人の準備も終わっていませんから」


「ラムダ殿、こちらが今回の旅程を護衛していただく受験者の方々ですかな? と、およ?」


 他の商人に指示を出していた、ややぽっちゃりとした商人がこちらにやってきた。


「モンガさん?」


「おお! マナさんにヒツギさんにメイさんですな! キーンの町以来ですかな」


「お久しぶりです。その節はお世話になりました。元気そうですね」


「はいですぞ。見てのとおり元気の貯えも増していますぞ」


 ぽよんとお腹を叩くモンガさん。たしかに、やや横周りが広くなった気がしなくもないかな。


「知り合いだったのですね」


「そうですぞ。以前、キーンの町に向かう馬車で一緒になったのですぞ。同じおいしい物好きとして話が弾みましてな」


「おいしいものと言えばモンガさん、ケーキは食べました?」


「もちろんですぞ! あのふわふわの生地に生クリームと果実の甘さ。そしてそれらをくどいと思わせない果実そのものの鮮やかな酸味が織りなす芸術(ファンタジー)! あれを逃したとあれば美食家商人は名乗れませんぞ!」


「そうなんですか」


「代表、確認お願いします!」


「代表! 最終チェックお願いします!」


「おや、仕事が早いですな。話の続きはまた後ほど」


 モンガさんはバタバタと馬車のほうに戻っていった。




 それから5分もしないうちに馬車の準備が終わり、後は出発を待つだけになったが、俺たちとラムダさんたち、そしてモンガさんで出発前の最終打ち合わせをすることになった。


「では、これよりランク昇格試験の護衛依頼の開始とさせていただきます」


「よろしくお願いしますぞ」


「今回の依頼は、ミラの町までの道中の護衛となります。日程は1週間ほどを予定しています。試験ということで、私たち3人は基本的には手出しや口出しをしません。しかし、試験と言えど、冒険者ギルドを通じて出された護衛依頼(・・)であることには変わり有りませんので、万が一受験者の所属するパーティ、『マツノキ』だけでは対処できないと判断した場合は我々も参加させていただきますので、ヤール商会の方々もご安心ください」


「頼みましたぞ。ランク昇格試験の護衛依頼は何度となく受けさせていただいておりますが、我々も慈善事業というわけではありませぬ」


 モンガさんの表情が一気に無表情へと変わる。これまでの印象が終始笑顔であった分、真剣さが増したということが感じ取れた。


「あまりひどいようでしたら、今後同じような機会があっても許可できないという判断を下さざるを得ませんぞ。たしかに、この依頼は通常の護衛依頼と比べて依頼料が安くなっていることは否めませんな。しかし、それで身を守れなくては意味がないのですぞ」


「それは重々承知しています。我々も手を抜く気はありません」


「よろしくお願いしますぞ!」


「はい。『マツノキ』のみなさん、今回は試験ですが、依頼ということですので、当然報酬が発生します」


「試験でしたし、ないと思っていたのですが……」


 実際にはあると思ってたけど、昨日の時点で確認を忘れたとはさすがに言えない。なんで確認しなかったかな……。別に報酬がなくても困るような懐事情ではないが、もらわないというのはまた違う話だ。


「そんなことはありえませぬぞ。試験と言えど依頼は依頼なのですからな。1週間の護衛依頼と考えまして、報酬は1パーティで銀貨27枚といったところですな」


「はい。それが妥当なところでしょう」


「それでお願いします」


 報酬の金額も決まり、俺たちは3台ある馬車の先頭に俺、後方に2人が乗り込み、ラムダさんたちがそれぞれ1人ずつ馬車に乗って、ミラの町に向けて走り出した。


--------------------------------


「お頭、全員用意完了しました」


 メイたち3人が護衛依頼でミラの町に向かって3日。グリムの町の南門にほど近い森の中で、武装した50人にもなる集団が、かなり遠目に見えるある館を見つめて集まっていた。全員がばらばらの武装ではあるが、どれもそれなりにいい物であり、たんなるごろつきの集団とは言えないような感じだ。

 そんな中で、お頭と呼ばれる男が、傍らに立つ、場違いと思える格好の女に話しかけた。


「おう。それじゃあ向かいますかね。しかし、本当に好きにしてよろしいんですかい?」


「もちろんです。この私が嘘を言うとでも?」


「いえ別に。前金はたんまりといただいてやすしね。それに、こんなものまで流してもらって」


 そう言う男の右手には、禍々しい光を放つ剣が握られていた。

 その剣の名前は魔剣デモンジード。『善の洞穴』の42層で発見されたもので、発見した冒険者が高額で商業ギルドの商人に売り、オークションにかけるためにギルドの倉庫にあるはずの物だった。

 よくよく辺りを見回してみると、彼らの持っている武器や防具も、彼らのような集団全員が手に入れられるはずもないような良品だった。


「ふん、どうせこの私を切り捨てるようなところにあったガラクタ(・ ・ ・ ・)ですわ」


「ガラクタねぇ……」


「何か?」


「いいえ。なんでもないっすよ。俺らとしては受けた仕事をこなすだけだ。ところで、あの館には本当にお宝があるんでしょうね?」


 男たちにとって、最も大事なところだった。殺戮も、破壊も、盗みも当然好きだが、男たちが一番好きなのは金だ。男たちは傭兵崩れの盗賊団だった。昔から女とはつながっており、前金と武器、防具を女から受け取って、館を襲撃しろという依頼を受けたのだ。しかも、中にある物は彼らの好きにしてよく、あの館にはそこを保有している冒険者がお宝をため込んでいるという。受けない理由はなかった。


「当然! あの館なら金貨数十枚から数百枚はするでしょう。それをあのシャドウ(ゴミ)は一括払いで購入している。ギルドにあった情報を見たけれど、どうも少し前にオークションで奴隷を銀貨を7000枚以上使って購入している。そんなやつらがお宝を持っていないと思ってるのかしら? ましてこんな館があるのだから魔法袋などで持ち運ぶはずもない。どこかに宝物庫があるはずよ」


「そいつはとんでもねえな。それもギルドから持って(盗んで)きた情報で?」


「盗んでなんかないわ。(ギルドの人員)がギルド内の情報を見るのは別におかしなことじゃないはずよ」


「そうでしたね」


「今シャドウたちは護衛依頼を受けてミラの町に行っている。館に残っていた女2人も町に向かったのを確認したわ」


 女の話を聞きながら、男はすでに館に突入してからのことを考えていた。

 傭兵時代の経験から、情報の大切さはしっかりと理解していた男は、部下を使って自分たちでも情報を集めていた。女が言っていた通り、今あの館に人がいないことも情報として入っている。あの館にはメイドと呼べる存在も警護をする兵もいないことも知っていた。それだけに、楽に大儲けができると踏んでいたのだ。それは男の部下たちも同様だ。

 しかし、この後のことを考えるあまり、男たちは注意力散漫になっており、下からきている脅威に気が付いていなかった。




「よしお前ら、突っ込め!」


 男は最前線に立って館に向かって走り始めた。後ろからは声こそ出さないが、足音が草木をかき分ける音とともにやってくる。

 そして、館まであと20mとなった時、男は異変に気が付いて後ろを振り返った。


 そこには部下など1人もいなかった。


「蟻?」


 そこにいたのは部下の数と同数の50体の蟻型モンスターだった。

 そいつらは部下が持っていた武器や防具を抱えており、その奥には、ひときわ大きな蟻が、指示を出して首のない元部下たちを、いつの間にか空いていた穴に放りこむ蟻たちがいた。その死体の中には女のものもあり、生きているのは男だけになっていた。


「ギギィ」


「なん――」


 男の首が最後まで言うことなくとんだ。消えゆく意識の中、男が最後に見たのは身の丈よりも大きな剣をふるう、見たこともない(オーガ)の姿だった。


どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv94/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv12/??

 狙撃主 Lv51/70

 獣人  Lv17/20

 狂人  Lv31/50

 魔術師 Lv47/60

 ローグ Lv22/70

 重戦士 Lv23/70

 剣闘士 Lv10/60

 神官  Lv3/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70 

 大鬼人 Lv1/40 』

ちょっとぎりぎりになりました。


ではまた次回

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