ランク試験です3
「お待たせいたしました。次の組に移りますので、番号が呼ばれたら来てください。ではまず1番から」
すべての組が終わったようで、次の組合わせ発表が始まった。今度は1組6名で、監視と神官も1組につき3人ずつついている。
「私はラムダ。それでこっちが」
「私はマキシム・ドリー。ミレアムとかぶるからマキシムでいいわ」
「ミレアム・ドリー。ミレアムでいい」
「基本的には私が仕切らせてもらうからそのつもりで。それじゃあさっそく説明に移らせてもらいますよ。と言ってもさっきとほとんど変更点はないですけどね。代表が交代できない点くらいかな」
「合格、1人」
「そうでしたね。さっきは上位2人ということだったけれど、今度は1位になった人だけだから、気合を入れて戦いに挑んでくださいね」
1位だけということを聞いて、周りのやる気が上がるのが感じ取れた。実際6組に分かれてってところでわかりそうなものなんだが……。
「じゃあさっそく始めます。最初はメゾとウォル」
名前が呼ばれた者以外が結界の範囲外まで離れ、戦闘が始まった。
「そこまで! 9戦目の勝者はメイです。勝ち抜けおめでとうございます」
なかなかに接戦になりながらも4戦目まで終わり、5戦目で俺の名前が呼ばれ、割とあっさりと試合が進んだ結果、どこの組よりも早く勝ち抜けが決まった。
この組は全員が前衛の男で、ウォルという両手剣使い、片手剣使い2人、自分の爪で戦うメゾという狼獣人、ハンマー使いの熊獣人、そして俺の6人だった。武器を使うやつは全員武器を棍棒で弾き飛ばして剣を突きつけたら戦闘が終わり、獣人2人は攻撃を全て受け止めて力でねじ伏せた。
対戦した5人の中で一番強いと感じたのは、最後に戦ったウォルだった。1発1発の攻撃が重く、受け損なったらしっかりとダメージがあっただろう。ただ、攻撃と攻撃の間の隙が大きく、一度攻めに移ったら結局向こうは攻めに移れなかった。普段は周りの援護がしっかりとしていて、かもしれないな。
「それでは、メイは他の組が終わり次第ランク試験の説明がありますのでこの場に残ってください。他の方はまたの機会を」
「納得いかねえよ…納得いくかよ! なんで俺様がこんな形で落とされなきゃいけないんだ! ランク試験を受けるのにこんなことをしなくちゃなんねえんだ。俺は推薦を受けてんだぞ!」
いきなり怒鳴りだしたのは6戦目で俺が倒したメゾとかいう男だ。初戦でウォルに負けて、その後も俺に負け、自分の思い通りに行かなかったことをぶつぶつといら立ちのこもった声で呟いていたが、失格だと言われたことで我慢しきれなくなったようだ。
正直なところ、5人の中で一番あっさりと倒せたのはこのメゾだった。5戦目が力自慢の熊獣人だったこともあり、攻撃がすごい軽く感じたし、スピードも普段からユウカのスピードを見ているから、周りより少し速い程度のメゾでは全然足りない。同じ狼獣人でもベルセルの方が数段速かったしな。
というか、そうやって推薦状をもらっていることをアピールしながら大声を上げてごねていることがその推薦状を渡した人からの信用も、その人の信用も下げていることに気づいていないのだろうか?
「おい、メイとか言ったな! 俺ともう一度勝負しろ!」
「待ちなさい。メイ、受ける必要はありませんよ。メゾでしたね。あなたの相手は私がしましょう」
「どけ! あんたは関係ないだろうが!」
「むしろ私以上の関係者はいませんよ。あなたはすでに負けた身です。いくらごねようが失格は変わりませんよ。たとえもう一度戦って彼に勝ったとしても、合格者は彼です」
結局、その場はラムダさんの強さを見せる場になってしまった。
思い通りにいかず、ラムダさんにとびかかったメゾに対して、一瞬で全身を切り付け、血だるまにしたのだ。背中にさげていた剣を構え、腕、足、胴の順に10セットほど切りつけて背中に戻した。同じ組の奴らや、他の組で負けてこちらを見ていたような奴らは皆剣筋が見えていなかったらしく、血だらけになったメゾを見て、「ひっ!」と軽く悲鳴を上げていた。悲鳴とまではいかなくても、全員顔を真っ青にしていた。
「彼には見世物になってもらってしまいましたが、あまりに見苦しい者はこうします。敗者は潔く場を去りなさい。彼のように騒ぎ立てることはむしろ悪印象を与えるだけになってしまいます。彼の場合で言えば特にです。推薦状を書いてもらうことの意味を考えなさい」
それだけ言うと、ラムダさんはメゾの首根っこをつかんでギルドのほうに連れていった。メゾのパーティメンバーに事情を説明したりするのだろう。もしそうなったとき、彼のパーティでの立場はどうなるんだろう……。まあ俺が考えることでもないか。
その後、ラムダさんが戻ってきて直に職員さんがマナとヒツギを連れてきた。
「メイ合格できたんだね。おめでとう」
「おう。まあまだランク試験を受けられるってだけだけどな。今は他の組が終わるのを待ってるところだ」
「ずいぶん早く終わったんだね」
「武器を弾き飛ばした時点で終わることが多かったからな。普段やってるのとは大違いだったよ」
「普段は剣をはじいても全然終わらないもんね」
「ああ。そもそも武器を弾くこと自体が難しいうえに、弾いても体術でしのがれちまうからな。剣の腹の部分を叩いたり、持ち手を狙ったりすれば問題ないと思ってるそうだ」
「さすがユウカだね」
そんなことをのんびりと話していると、次の組が終わった。勝ったのはどうやら今残っている中では数少ない女性の戦士のようだ。コロイドの町の騎士団が着ている物に似た重そうな鎧をつけており、その鎧が立派なだけに、今使っているギルドの貸し出しの剣がしょぼく見える。しかし、女性であの鎧を着てあれほど動けるのはすごいな。
その後も、俺たちは雑談を続けながら最後の組が終わるのを待っていた。
そして、マナたちがやってきてから30分後、ようやくすべての組が終わり、ランク試験を受ける6組のパーティが決まった。
そのうちの1組は俺たち『マツノキ』だが、今回は天上院たちがいることもあり、キャラビーを館に置いていくことにしたため、俺たちのパーティは今3人だ。まあユウカがいるし、アンナもカルアもみぃちゃんもいるし大丈夫だとは思うけど、念には念を入れて、町に出かけるときはユウカに付き合ってもらえと言ってあるし、ユウカにもそのようにお願いしておいた。もしかしたらあいつらがいなくてもあいつらの手勢が来る可能性は十分にあるし。
他の組は、6人のパーティが3組、7人のパーティが2組だった。
7人のパーティの『トルネリア』と『夜明けの光明』、6人パーティの『食道楽』と『宵闇の月』は全員が受験者のパーティで、それぞれ『青き空』『白き御旗』『赤の団』『黒の翼』所属らしい。残りの『テルマ火山隊』は全員が受験者というわけではなく、4人が受験者で1人がB+ランク、もう1人がCランクのパーティらしい。
それぞれのパーティが、それぞれの代表者が勝ち上がった組の仕切り役の冒険者から説明を受けるようで、俺たちのところにもラムダさんたちがやってきた。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 Lv94/99
薬剤師 Lv42/60
聖???の勇者Lv12/??
狙撃主 Lv51/70
獣人 Lv17/20
狂人 Lv31/50
魔術師 Lv47/60
ローグ Lv22/70
重戦士 Lv23/70
剣闘士 Lv10/60
神官 Lv3/50
魔人 Lv1/20
精霊使いLv1/40
舞闘家 Lv1/70
大鬼人 Lv1/40 』
4月に入りました。
色々とあるので少し遅れるかもしれません。
勉強もしないといけないなぁ……
ではまた次回