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ランク試験です1

 天上院の来襲から数日が経ち、いよいよランク試験の日になった。

 今日のランク試験は、朝10時までに冒険者ギルドで受付を済ませ、訓練場に行かなければならない。詳しい試験内容は当日その場で発表になるそうだが、ユウカもC+からB-になるための試験を考えると、今日は試験官と手合せをして実力を見るくらいだろうと言っていた。


 俺たちは、朝食後すぐに館を出たため、ギルドには9時過ぎに着くことになった。今日の冒険者ギルドはいつもと比べて非常に混んでいるし、早めに来て正解だった気がする。

 結局受付の列に並び始めて、受付を済ますまでには20分以上かかってしまった。





 訓練場に入ると、そこにはすでに60人近い人がおり、受付ではまだ全員揃っていないと聞いていただけにその多さに少し驚いた。


「ランク試験の参加者ですね」


 中に入ってすぐに、入り口のそばにいた職員さんが話しかけてきた。


「みなさんは今回の参加者の中に普段からパーティを組んでいるメンバーはいらっしゃいますか?」


「俺たち3人がそうですけど……何か関係が?」


「今回の試験では、パーティを組んでいる方がいらっしゃった場合は代表者を1人決めていただくこととなっております。人数がこれだけ多いことが影響してるんですよ」


「人数が多いから代表……代表に選んだ人以外は、その代表次第で合否が決まるってことですか?」


「そういうわけではないですよ。実力は個別に見ますから」


「そうですか。代表は……俺でいいか?」


「そうだね。メイでいいと思うよ」


「異議なし。一番いろんな状況に対応できるしね」


「それでは、代表者の方はこちらをお持ちください」


 職員さんから『パーティ代表』と書かれた紙を手渡された。


「試験の中で使うことになりますのでそれまでなくさないようにお願いします。と言っても、試験まで外には出られませんし、よほどのことがなければなくさないですよね」


 冗談めかして言っているが、なくすわけがないよな? ってことだし、脅しのようにも聞こえてしまう。そんな気はないんだろうけどな。



 それから20分ほどが経ち、10時ギリギリに最後の1人が駆け込んできて試験参加者が全員そろった。動き回っている人もいたし、全員をしっかりと数えたわけではないが、俺たちが入ってきてからも相当な人数が入ってきたし、たぶん100人以上はいるだろう。


「それでは全員揃ったみたいなので、これよりランクB-並びにランクBへの昇格試験を始めたいと思います。私は、今回の試験の総監督を務めます、グリムの町冒険者ギルドのギルドマスター、ソディア・フルーです」


 俺のところからは人が多すぎて人と人の間からわずかにしか見えないが、どうも今回のランク試験の総括者が挨拶をしているらしい。台の上に乗るとかそういった工夫をしてもらいたかったところだ。

 挨拶が終わると、今回のランク試験で試験官をやる冒険者たちの紹介が始まった。その半分以上は聞いたことのない名前だったが、後半は天上院たちの勇者パーティだった。あいつらも試験官なのか……。私怨でキャラビーを渡さなければ不合格とかわけのわからないことを言わないよな?


 そして全員分の名前が呼ばれると、次に試験の内容の説明に移った。




「まず、試験の内容の説明の前に、2つほど連絡したいことがあります。まず、1つ目は今回の試験において、合格者は全員ランクBへの昇格を認めます」


 ソディアさんの話でざわめきの声が起こる。

 何となく合同試験ってわかった時点で予想していなかったわけではないが、俺としてはラッキーとしか言いようがない。わざわざ2回試験を受けなくてよくなったしな。

 しかし、中には不満の声を上げる奴もいる。「なんでC+のやつだけ2つも上げてもらえるんだ」とか、「だったら俺たちも2つ上げてB+にしろ」とか、「C+のやつらは後回しにして俺たちを先にやれ」とかだ。内容を聞く限り全員ランクB-の奴らのようだ。


「黙りなさい」


 ソディアさんのドスの利いた声で場がしんと静まり返る。騒いでいたやつの中には顔を真っ青にしている奴もいる。以前にも説教されたりとかいろいろあったんだろうな。


「この決定は冒険者ギルド本部が決めたものです。異論は認めません。それに、Bランクに上がるための試験でB+ランクに上がれるわけがないでしょうが。大勢で騒げば何とかなるとか思ってんじゃねえよ。お前ら試験を受けれられるだけの実力すらないやつがいっぱいいるじゃねえか。だいたい――」


「ギルドマスター、口調が……」


「あ……。ごほん。というわけで、異論は認めませんので。2つ目なんですが」


 目つきが悪くなってきたところを、そばにいた職員さんに言われて戻したソディアさんは、一度言葉を止めて俺たちの方を見渡した。


「人、多いと思いませんか? 今ここに受験者だけでも116人いるんですよ。ぶっちゃけ、これだけの人数を見るのは無理なんですよね」


 やはり100人以上いるのか。たしかに、1人ずつ全員見ていてはこの後にあるだろう護衛依頼をやるまでに1日どころじゃすまないだろう。


「だから、減らします」


「へ?」


 誰とはわからないが、誰かの口からそんな声が漏れた。


「減らすんですよ。今から4組で1セットに分けるので、呼ばれたら前に出てきてください」


「意味がわからないん……ですが」


「だから、多いから減らすって言ってるんですよ。代表者として紙を受け取った人の数は72人。だいぶ減ってはいるけれど、それでもその全員を見ることはできないんですよね。だから、6組になるように減らさせてもらいます」


「そんな」


「ほんとはこっちだって全員見てやりたいんですけどね。そんなに余裕があるわけではないんですよ。実力の足りない人をわざわざ見ている暇はないんですよ。ですので、今から分ける組で勝ち上がってください。最終的に実力を見るためにモンスター討伐はやってもらいますが、ある程度の実力を測るためにもなりますので」


 その後も受験者たちから様々な声がとぶが、まったく聞き入れず説明を続けていくため、だんだんとその声も小さくなっていった。

 そして完全に声がやんだ頃、組み分けで俺たちの名前も呼ばれた。




 代表者以外は一旦訓練場から出ることになり、マナとヒツギも一旦冒険者ギルドのほうに戻っていった。6人になったら職員が呼びにいくそうだ。


 俺の組はC+の奴が1人とB-のやつが2人。B-の二人のうち片方はさっき顔を真っ青にしてた人たちの1人だ。C+の奴は装備がやたらいいし、どこかの貴族かもしれないな。


「……まだ名前を呼ばれてない人はいますか?」


 どうやら全員の組み分けが終わったようだ。いつの間にかやってきていた神官と、試験官がそれぞれの組のところに1人ずつやってきた。回復役と監視役だろうな。俺たちのところに来たのはミレアム・ドリーという人だ。全身真っ黒なワンピースに包まれた女性で、髪がやたら乱れている。顔はきれいなのにそれが台無しにしている感じがする。


「いないようですね。では、試験官の指示に従って戦闘を開始してください」


 ソディアさんも言い切ると、近くの組に監督として向かった。


「説明、始める。私、ミレアム・ドリー。ミレアムでいい」


 ソディアさんから自分の組に意識を戻すと、ミレアムさんの説明が始まった。


どうもコクトーです



『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv94/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv12/??

 狙撃主 Lv51/70

 獣人  Lv17/20

 狂人  Lv31/50

 魔術師 Lv47/60

 ローグ Lv22/70

 重戦士 Lv23/70

 剣闘士 Lv10/60

 神官  Lv3/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70 

 大鬼人 Lv1/40 』

おかげさまでネット小説大賞1次審査通過させていただけました。

他の作者さんの作品読み始めて、投稿遅れるかと思いました…


次回は戦闘かな?

ではまた次回

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― 新着の感想 ―
[一言] 全員見てる余裕がないなら何故合同にしたんだか
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