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生の草原ボスです1


 その日は、ユウカとの朝の鍛練をなしにして、その分、柔軟やストレッチなど、体の調子を整えるための軽い運動だけにしていた。

 下手に鍛練を始めてしまうと、中途半端な真似はできないし、もしかしたら怪我をしてしまうかもしれない。『再生』などの回復系スキルがあるといっても、なにがあるかわからないからできるだけ避けたいのだ。


 短めの鍛練を終えて、風呂で汗を流してリビングに出ると、朝食の準備をしている最中だったので、できる範囲で手伝って朝食に入った。


「みんな調子は大丈夫か? 気分が優れないとかないか?」


「大丈夫だよ。昨日は早めに寝たし、怪我もないし」


「私も。むしろ普段よりいいかもしれない」


「私も大丈夫です」


「そうか。なんかあったら延期にしようと思ってたけどよさそうだな」


「そんな風に今から緊張しておったら疲れてしまうぞ。ほれ、今は朝食をいただくのじゃ」


「そうだな。今日も美味しそうだ」


「美味しそう、じゃなくて美味しいんだよ」


「そうです。ご主人様のことを思って作りましたから!」


「ありがとなキャラビー。じゃあ、いただきます」


 朝食はゆったりとした雰囲気のまま終わった。

 そして、準備がほぼいらない俺が片付けをしている間に、それぞれが準備に入った。


 それから、20分もしないうちに準備が終わり、ユウカに見送られながらダンジョンに向かった。




 転移陣が混んでいて、45層に転移するのには10分以上かかった。どうもみんな少しでも先に進もうとしているみたいだな。

 無事45層に転移すると、早速46層に向かって進みだした。




 49層半ばに差し掛かった時、目で見える範囲にエルダードンキーを見つけた。

 エルダードンキーは、25層のボスであるワイズドンキーの上位種にあたり、ボスを除いたら『生の草原』で最もランクの高いモンスターだ。ギルドで決められたそのランクはB+。ランクだけで言えばアールムと一緒だな。


「ちょうどいいな。一回あいつと戦っておこう」


「ここまで戦闘はできるだけ避けてたのに、どうして?」


 マナの言う通り、45層から49層に至るまで、できるだけ最短ルートを進んでいたが、相手に見つかっており、すでにこちらに向かってきていた場合などの、避けられない戦闘以外は徹底して避けてきた。

 いくらマナの熱探知や、俺の『気配察知(魔物)』があっても、襲われるときは普通に襲われる。特にウルフ系のモンスターは気配を消すのがうまく、俺のスキルレベルじゃまるで歯が立たない。レッドベア相手には有効だった熱探知もウルフ系には効果は大きくなく、キャラビーの索敵が一番効果を発揮してたりもした。


「そのおかげで今はまだ昼過ぎくらいだろ? 消耗を避けるって意味合いもあったけど、ここ(49層)で数戦しても、休憩してからでも夕方までには50層のボスに挑めるように考えてたんだよ」


「消耗を避けるんだったら別にここで戦う必要はないんじゃないの?」


「エルダードンキーはこのダンジョンのボス以外じゃランクが一番高い相手だろ? ならそいつ相手に時間をあまりかけてるようだとボスと戦うのは割と無謀だと思うんだよ。ボスのランクは資料によるとAー。それに取り巻きのモンスターがうじゃうじゃいるんだから」


「いきなりボスに挑むのではなく、前段階としてエルダードンキーに挑むというのはいいと思います」


「まあ、前哨戦だ。油断は厳禁だが、そんなに気を張らなくてもいい。もし思ったよりも苦戦するようならしばらく50層へ挑むのは延期するだけだしな」


「今日のために準備もしたし、あんまり延期は好ましくないね。全力で行くよ」


 俺たちはエルダードンキーに向かって駆け出した。





 エルダードンキーは、ワイズドンキーを1回り大きくした体格で、ワイズドンキーより色が若干濃い。フールドンキー、ワイズドンキー、エルダードンキーと、見た目的には順に体格が大きくなり、色が濃くなるだけの違いしかないが、資料によるとエルダードンキーは強さが一段と違う様だ。

 一番の違いは魔法を使う点だ。フールドンキーも肉体を強化する魔法を使うが、エルダードンキーはダークボールと思わしき攻撃や、1本しか出ないがダークランスと思わしき攻撃をしてくる。威力は同じ階層の他のモンスターと比べて非常に高く、ランク相応の力を持つと書いてあった。


 俺たちの接近に気づいたエルダードンキーは、早速口元に闇の玉を形成し始めた。

 本来ならば、モンスターの使う魔法は、人が使うものよりも展開が早い。詠唱もいらず、魔法を中断されることも少ないからだ。しかし、普段詠唱なしで魔法を使ったり、マナの展開速度を見ているためか、そのスピードはとても遅く感じられた。


 放たれた闇の玉に、『ダークボール』をぶつけて何発で相殺可能か試すために5発ほど一定間隔で撃った。しかし、予想に反し1発目の『ダークボール』が相殺しきった。後から続く4発は、1発が額に直撃したものの、残りは外れてしまった。

 中途半端な攻撃に苛立ったのか、エルダードンキーはまっすぐ俺に向かって突進してきた。


「受け止めるから側面に回れ! 『不動明王』」


 俺はその場に立ち止まり、『不動明王』でエルダードンキーを迎え撃った。両足でしっかりと地面を踏みしめ、両手でエルダードンキーを押さえた。かなりの衝撃が来るが、『不動明王』を使ったおかげでその場で押しとどめることができた。エルダードンキーは地面を蹴ってこちらを押してくるが、その場がえぐれるだけで俺は少しも動かない。

 俺はエルダードンキーが引かないように、『ダークチェーン』で脚を固定した。エルダードンキーは抜け出そうとして暴れるが、そんなもので外れるような鎖じゃない。


「バウゥ!」


 エルダードンキーが強く目をつむり、その風圧で目に迫っていたナイフを吹き飛ばした。ナイフは風に吹かれて飛んでいく。おそらくキャラビーが投げたナイフだろう。

 しかし、その目をつむった瞬間を狙って、ヒツギが横っ腹に両手の棺桶を叩き込んだ。鎖で地面に縛られている影響で後ろに衝撃を逃がすこともできず、かなりのダメージになった。咄嗟に鎖に流す魔力を増やしたからなんとかちぎれずに済んだが、あのままだとちぎれていただろうな。それに追い打ちをかけるように3つの大きな炎の塊が次々と襲った。塊の先端がとがっているため、深く体に突き刺さって中を焼いている。かなりえぐいな。


「ブルゥアアア!」


 かなり痛がってはいるが、まだ仕留め切れてないみたいでエルダードンキーが叫ぶ。間近だからめちゃくちゃうるさい。


「うっせぇ!」


 『小規模ワープ』でエルダードンキーの頭上に飛び、『ダークナックル・纏』で強化して思い切り殴りつけた。同時に首が折れる感触がした。

 エルダードンキーは90度首が曲がったまま地面に倒れる。最後の抵抗をしようと目の前にいる俺を噛みつこうとしたが、その前にその頭に棺桶が降ってきた。結局エルダードンキーは何もできずに事切れた。


「メイ大丈夫?」


「ありがと、ヒツギ。おかげさまで大丈夫だ。首の骨折ってもまだ動くとは意外としぶといなこいつ」


「念のためにもう一撃くらい入れておこうか?」


「やめたげて。じゃあ回収して次のやつ探すか。それで50層に行こう」


 後で売れるところを回収したりするためにエルダードンキーの巨体を一旦アイテムボックスにしまうと、50層への続く階段めがけて歩き出した。うまい具合に途中で見かけたらいいんだけどな。




どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv90/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv12/??

 狙撃主 Lv45/70

 獣人  Lv16/20

 狂人  Lv25/50

 魔術師 Lv40/60

 ローグ Lv21/70

 重戦士 Lv21/70

 剣闘士 Lv1/60

 神官  Lv1/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70 

 大鬼人 Lv1/40 』

のんびりしてたらギリギリになってました…

次回こそボス戦!


ではまた次回

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