試験について尋ねました
今回、最後の方で視点が変わります。
ご注意ください。
昨夜の夢にはやはり朱雀は出てこなかった。ちょっと期待してたんだけどな……。
館の外に出て軽く体操をして体をほぐしていると、ユウカも外に出てきた。
今日の予定としては、俺たちは若干空いているであろう昼前くらいに試験について聞いてくる予定で、ユウカは午後から刀を受け取りに行く予定だそうなのでゆっくりと鍛錬ができる。
ユウカの準備が終わるのを待って鍛錬を始めた。
鍛錬を終えて、風呂で汗を流して朝食をとった後、俺はブラウニーたちに魔力をあげていた。あいかわらず差し出した腕に容赦なくはむついてきて、腕が大変なことになっているが、魔力量的には少量だし、はむつかれて痛みがあるとかそういったことはないので問題はない。
「お前たちにヒメたちの世話をしばらく任せるかもしれないからその時はよろしく頼むな」
「うにー?」
「ご飯とかは台所に魔法袋かなにかでおいておくから。よろしくな」
「「「「うにー!」」」」
わかってるのかわかっていないのかわからないが、ブラウニーは元気にみんなで返事をした。ほんとにわかってるのかなぁ……。
ブラウニーが全員腕から離れて仕事に戻って行くのを確認して、リビングでくつろいでいるみんなのところに戻った。
戦闘をするわけでもないし、ダンジョンに行くわけでもないので特に準備も何もなく、俺たちは町に出かけた。町までの道を歩くのにももう慣れた。最初のころは面倒だったなぁ……。
入り口でギルドカードを示して中に入ると、みんなで露店が並ぶ通りに向かうことにした。スリとかの対策として、念のために持ち物は全てアイテムボックスにしまってある。前は小銭袋を持っていかれたからな。
露店を見て回っていると、いろんな店を見かけるわけだが、中には食べ物を売っている屋台のような店もあった。
「メイ、あれなんておいしそうじゃない?」
「ほんとだ。ワイルドボアのサンドイッチか。1つずつ買っておくか?」
「私はいいかな。メイのを少しもらえる?」
「私も大丈夫です。ご主人様のを1口もらえれば」
「了解。じゃあ買ってくるわここで待ってて」
3人を待たせて露店でサンドイッチを8つ購入する。1つ銅貨2枚なので合計で16枚だ。今から食べる分が3つと、後で家で食べられるように5つ。ユウカもたぶん食べるよね?
「お待たせ。先にいいだけ食べてくれ。残りを食べるから」
「キャラビー、先に食べていいよ」
「ありがとうございます。では」
ヒツギがほほにソースをつけながら食べている横で、キャラビーとマナはなんだかんだで2人で1個食べきった。やっぱり多めに買って正解だったな。
食べきるころにはヒツギもソースに気が付いたみたいできれいにぬぐっていた。顔が心なし赤い気がするが恥ずかしかったのかな。
その後、1時間くらい露店をまわったが、特に目を引かれるものもなかったので冒険者ギルドに向かうことにした。ちょうど冒険者ギルドの近くまで来たということもあったし。
冒険者ギルド内は昨日と比べたら大分ましな状態だった。受付に並ぶ人も何人かはいるが、受付の係員があわただしくしているというほどではない。これなら聞きに行っても問題はなさそうだ。
俺たちは受付の列に並んだ。
20分くらいすると、俺たちの番になった。人数を考えると妥当なところかな。
俺たちは今空いた女性職員のところに行った。
「いらっしゃいませ。本日は何の御用でしょうか?」
「ランク昇格試験について聞きたくて来たんですけど、試験を受けられるかどうか確認ってお願いできますか?」
「はい。ギルドカードをお願いします」
3人分のギルドカードを手渡すと、職員さんが何かの魔道具にカードをかざして確認を始めた。どうかな?
「3人とも問題ありませんね。試験を受ける日付はすでに決めてらっしゃいますか?」
「細かい日付は決めてないですね」
「決まっていないようでしたら、ランクB-並びにランクBへの昇格の試験を受けたいという方が多いため、2週間後、つまり来月の1日に合同で実施する予定なのですが、そこに参加するのはいかがでしょうか?」
「それは参加しなくてもいいんですか?」
「できるかぎり参加したほうがいいと思います。現状、そこで大勢の試験を同時に行う予定でこちらも準備していますので、参加していただけなければ次はいつ実施できるかわかりません」
参加しなかったらいつできるかわからないって……それはつまり参加しろってことだろ?
「そうですか……今日は相談しに帰ってもいいですか? 2週間後だと予定が合うかわからないので」
「ええ、大丈夫ですよ。合同ランク試験の受付はあと5日ほど大丈夫ですのでそれまでには受付をしてくださいね」
「わかりました」
俺たちは一旦家に帰ることにした。まあ一旦帰るだけで試験自体はその日に受けるだろうけどね。ユウカにも試験の日を伝えておきたいし、受付の時に推薦状を渡せるようにユウカにお願いしよう。5日あればさすがにできるだろう。
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「まだあれがどうなったのかわからないのかな?」
魔王の住まう城の、玉座の間にて、魔王が報告に来たその女性に笑顔で尋ねた。
「申し訳ありません。暴食と戦った人物が向かっただろう町にはすでに10人ほど例の連中を向かわせているのですが、見つかっていないそうです」
魔王の質問に対して、女性は膝をつき、頭を垂れながら淡々と答えていた。
「うーん、あいつらか……。あれを倒せるような連中が相手でしょ? 大丈夫なの? あれなら『憤怒』を向かわせてもいいよ」
「大罪を動かすことはないと思います。ですが、万が一彼らでダメだった場合には」
「その時には『憤怒』を行かせようか。まあ、『強欲』は勝手に向かっているみたいだし、『嫉妬』が目覚めるのを待つって手もあるけど」
「『嫉妬』が目覚めるにはまだ4か月はかかります。それを待つのはさすがに遅いかと」
「だよねー。あ、そういえば彼女も呪縛が解けたんだよね?」
「はい。すでに地下で蘇生の段階に入っています」
「急がせる必要はないよ。最愛の恋人に早く甦ってほしいかもしれないけど、彼自身は今はリッチにすぎないからね。急いでもいい結果は生まれない。『嫉妬』の次期に間に合えばいいからって伝えておいてくれる?」
「かしこまりました。しかし、これでまた戦力が増えましたね」
「そうだね。現状でも十分に戦力はあると言えるけど、まだまだ集めるのはやめないよ。そのために長い時間をかけてきたんだから」
「ええ。そのためにも、私が『暴食』の力を奪った者を見つけるのはもちろんとして、『強欲』には早く残りの『傲慢』の適合者を見つけてほしいところですね」
「前に報告を受けた時にもしかしたらって人物に心当たりがあるって言ってたからね。どうも最近は難色を示しているみたいだけど、侵食も使ってるしそっちは問題ないかな。まあ適応しなかったときには僕が適応する魔物でも育て上げるかな。促成栽培で」
「……一応繁殖能力の高い種族を数種類ピックアップしておきますね」
「よろしく。あ、ゴブリンはまた裏庭で育ててるからそれ以外でよろしくね」
「承知しました。それでは失礼します」
女性は自分の真横に生み出した渦に入っていった。
渦が消え、玉座の間に一人残された魔王は、過去を懐かしむような表情を浮かべながら言った。
「あと4か月。彼女には短く感じるかもしれないけど、僕からしたら長いなぁ。あぁ、早くこないかな……」
魔王はマントを翻しながら裏庭に続く通路に出ていった。
そのマントの下では、何度となく修繕の施された学生服が通路の薄暗い明かりに照らされていた。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 Lv90/99
薬剤師 Lv42/60
聖???の勇者Lv12/??
狙撃主 Lv45/70
獣人 Lv16/20
狂人 Lv25/50
魔術師 Lv40/60
ローグ Lv21/70
重戦士 Lv21/70
剣闘士 Lv1/60
神官 Lv1/50
魔人 Lv1/20
精霊使いLv1/40
舞闘家 Lv1/70
大鬼人 Lv1/40 』
最後は魔王の城で第三者視点です。
今後に関わることもちらほらと。
ではまた次回