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変貌の空です1

 次の日の朝、ユウカと20分ほど模擬戦をしてから、みんなでご飯を食べて、アンナとみぃちゃんを残して『生の草原』に向かった。ユウカは今日は『明の森』に向かうらしい。一昨日に受けた依頼をこなしてくるそうだ。


 今日の俺たちの予定は35層の転移陣を使えるようにすることだ。

 35層までの情報はすでに昨日のうちに共有してある。洞窟エリアとはまるで違い、31層から35層は一面の草原だ。木がまばらに生えているが、どれも背が低く、ちょっとした木陰ができている程度だ。少し離れたところの木陰には、トライホーンウルフが寝ているのが見える。草も木と同様低いため丸見えだ。


「昨日も確認した通り、罠は少なめですが、洞窟エリアとはまた違ったものが多いので気をつけてください」


「今日も頼むな」


「はい!」


「罠は特にメイが気をつけないとね」


「いえ、ここからの階層はマナ様もヒツギ様も気をつけないといけないです。罠によっては範囲が広いものもあるみたいなので」


 ただの落とし穴でも、一辺10mくらいのものだったり、穴が開いてそこから矢が飛び出るタイプのものもあるらしい。矢が出てくるのはちょっと怖いな。

 俺たちはいつもより少しだけペースを落として先に進んだ。




 結局罠は全てキャラビーがしっかりと見つけて、解除してくれたため、夕方の6時くらいには35層の転移陣までたどり着いた。矢の飛び出るタイプの落とし穴もあったが、穴の開く範囲にしっかりと蓋をした状態で発動させることで矢も回収しつつ無駄打ちさせることができた。結構投擲道具()が回収できたし、よしとしよう。


 モンスターもそれなりの回数襲ってきたが、問題なく倒しきることができた。

 火を纏うだけだったレッドベアと違い、もっと魔法らしい魔法を使ってくるダークホーンウルフやレッドホーンウルフたちもでてきたが、マナが完全に相殺していたため、そんなに苦労しなかった。レッドホーンウルフが放つ火球はアクアで打ち消し、ダークホーンウルフが放つ黒い球はマジックソードで切り裂いて消す。最近、魔法を2つではあるが同時に発動できるようになったらしく、群れで出てきた時も難なく対応していた。

 魔法を使ってくるモンスターは、魔法を使わない同等種のモンスターよりも身体能力という点で劣ることが多い。その分を魔法で埋めているのだから身体能力が同じなわけはないのだが、そのモンスターが魔法を封殺されているのだから問題ないのは当然だろう。

 しかし、朝からユウカの速い動きを見ているせいか、ウルフ系のモンスターのダッシュが全然速く感じなかった。ゼルセみたいにパワーで押してくる相手との模擬戦もいいけど、速い動きの相手もやっぱり大事だな。



 時間も時間なので転移陣を使ってダンジョンから出ると、外には俺たちと同じように町に戻る冒険者であふれていた。中には、逆に今からダンジョンに向かう人もいたり、帰る人に狙いをつけた商人がいたりもする。4人で固まって歩きながら時々周りの声に集中してみると、汚れを落とす魔法を使ったり、モンスターの解体を代行したりと、少しだけ気になる仕事をしている人もいるようだ。

 よく聞いていると、どこかから喧嘩をする声も聞こえてきたりするが、わざわざ自分からそういった厄介事に絡みに行く気はないので放置して進む。どうもパーティ内の仲間割れみたいだしな。キャラビーにも聞こえていたのか、かすかに不安そうな顔をしていたので手をとってそっと笑いかける。少しは不安も解れたかな? 後ろを歩く2人がキャラビーに羨ましそうな視線を向けるのを無視して俺たちは家に帰った。




 次の日は休みなので、俺とキャラビーはガンダさんのところで武器について習っていた。

 今日の内容はいつもとは違い、武器の壊し方についてだ。物を直すことを学ぶとき、その物の壊し方を知っているかどうかで大きく違うらしい。同じ武器でも、折る、刃こぼれさせる、へこませる、曲げる、砕くなど、壊し方はいろいろある。相手がどんな壊し方をしてくるかによって手入れもしっかりと変えていくべきなのだ。


 剣に始まり、よく使われる弓、そして槍について学び、昼を外に食べに行って再び指導が再開した。

 しかし、30分もしないうちにひどく慌てた様子で駆け込んできた弟子の人によって中断された。


「お、親方、すぐに、すぐに外に来てくだせぇ!」


「どうした!」


「急に空が暗くなり始めたんでさあ! それに、迷宮から冒険者たちが次々外に転移させられているみたいで、その情報で町はパニック状態です!」


「待ってろ、すぐにいく! ……お前ら、聞いたな? 今日は中止だ。お前らも仲間のところに戻れ」


 ガンダさんに言われた通りに俺たちも館に戻ることにした。町中で使うのは少し憚られるが、門さえ出てしまえば館までは『テレポート』で戻ればいい。俺はキャラビーを抱えて、ダッシュで手近な門に向かった。




 町中でパニックが起こっていて、道が人であふれかえっていたということもあり、ガンダさんの鍛冶屋を出てから館につくまで30分くらいかかってしまった。


「メイ、キャラビー!」


「町の方はなんともない? ここは今のところ空が暗くなってる以外何も起こってないけど」


 館に戻ると、二人が外に出て待っていた。二人は今日は家でのんびりしていたはずで、見たところなんともないようであった。ユウカは今日も迷宮に行っているので、もしかしたら外に転移されて館に向かっているかもしれないな。


 俺たちが鍛冶屋を出てすぐのころは、空にだんだんと真っ暗い雲が現れ始めたくらいだったが、今ではすでに空がほとんど真っ暗な雲で覆われている。いったい何が起こってるんだ?


「見て、渦の中心が!」


 ヒツギの指さした先では、空の様子に変化が起こり始めていた。

 雲が広がるのはすでに止まっており、その渦の中心から、光が漏れ始めていた。まるで何かが降臨するかのようだ。


「かう!」


「くえ!」


「ヒメ、カルア、どうした?」


 いつものように唐突に出てきた2体が渦の中心をじっと見つめだした。ヒメがかなり警戒しているのがわかる。いったい何が出てくるというのか……。


 それからすぐにその正体が明らかになった。

 渦の中心から現れたのは全長20mはあるだろう巨鳥だった。大きな翼を広げて、優雅にその真っ赤な体を浮かせている。尾のようにも見える羽は、常に炎を帯びているようで、その青白い光が体の赤との対比がまた美しいと感じる。嘴はまっすぐ伸びているわけではなく、微妙に湾曲していた。吐息に細かい火花が混ざっているようで、わずかに空間が歪むように見えなくもない。


 その鳥はこの町にいる全員の頭の中に直接語り始めた。


『全ての生体の排除が終わりました。我が迷宮に挑む冒険者諸君、我が名は朱雀(・・)。南方を守護する者なり』


 朱雀。その名前を聞いて、俺たちは一層警戒を強めた。





どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv90/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv12/??

 狙撃主 Lv45/70

 獣人  Lv16/20

 狂人  Lv25/50

 魔術師 Lv40/60

 ローグ Lv21/70

 重戦士 Lv21/70

 剣闘士 Lv1/60

 神官  Lv1/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70 

大鬼人 Lv1/40 』

前話で言った通り、遅れてしまいました。


次回は少し時間が戻ってスタートします。

ではまた次回

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