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テレポートです

 無事男を送り届けた後は、もう一度ダンジョンに行く気にもなれなかったので、家に戻ることにした。もうスキル封印もとけているし、帰って『テレポート』と、一緒に覚えた2つのスキルについて調べよう。まあ2つはパッシブみたいだから効果の確認くらいだけどな。





「そこのお主、少しばかり尋ねたいことがあるんじゃが」


「ん?」


 家に向かう途中、商業ギルドの近くの通りを歩いていると、着物……っぽい感じの改造服を着た女性がこちらに駆けてきた。

 腰に差す刀を見れば冒険者なのだろうという想像はできる。服も動きやすそうだしな。女物だから俺が着ることはないし、あの格好を3人がしているところは想像できない。マナなら着れるだろうが、2人はこの女性のように引っかかるところがな……これ以上考えるのはやめておこう。何か嫌な予感がした。


「どうかしました?」


「お主、商業ギルドの場所を知らぬかの? 冒険者ギルドで教えてもらって、このあたりだと聞いたのじゃが、見当たらなくての」


「商業ギルドなら2つ先を右に曲がったところにありますよ」


「おお! そうか、ありがとうの」


 大げさなくらいにリアクションの激しい人だ。俺は気になったことがあったので女性に尋ねた。


「いえ。その腰にあるのって刀ですか?」


「これか? わしの故郷の『ヤマト大国』で作られたものじゃ。訳あって手元を離れておったのじゃが、最近になって手元に戻ってきての」


「業物でしょう? 町中でそんな風に出してるのはどうかと思いますよ?」


 話の最中、こっそりと『上級鑑定』しておいたのだが、かなりやばい代物だった。


『妖刀業堕:素質なき者、我を持つべからず』


 『上級鑑定』なのに鑑定しきれていないというね。ちなみに、『鑑定』だと『?』としか表示されなかった。


「これか? 大丈夫じゃ。これは普段使い用じゃからな。まあ、これも愛刀であるのには変わりないが、ほんとに大事なほうはきちんとしまってある。もう失いたくはないからの」


「それならいい……のか?」


「大丈夫じゃ。それよりお主、勝手に調べたりはせん方がよいぞ。わかる者にはわかるからの」


 笑顔で言ってきているのだが、俺は全然笑えない。


「……気をつけます」


「それがよい。じゃあわしはこれで失礼する」


 女性は商業ギルドに向かって歩いていった。






 家につくと、時刻はすでに夕方で、マナたちがご飯を作って待っていた。


 『テレポート』を無事ゲットしたことと、テレポドラゴンの上位種である真テレポデスドラゴンのことを伝えると、驚愕と呆れが混ざったような顔をしていた。やっぱり呪われてるんじゃないのか? って言われてもな……。俺だって呪われてないと信じたいよ。




 次の日になり、俺たちは庭に出て、新しく得たスキルの確認を始めた。


「まずはメイ一人でやってみて、それから人数を増やしてみるんだよね?」


「ああ。『テレポート』を『鑑定』する限りだと、もともと指定しておいたポイントまで対象を飛ばすってスキルらしいからな。とりあえずはすぐそこを指定して、離れて試してみる」


 俺は皆から20mほど離れ、『テレポート』を使う。

 ふわっと体が浮くような感じがして、次の瞬間には、先ほど指定した場所に転移していた。このふわっとした感覚はなんだか嫌だけど、逃走には使えそうかな?


「連続ワープよりかなり距離は長いみたいだな」


 『上級鑑定』で詳しく調べてみると、レベル×100m分転移ができ、レベル分の人数を同時に転移できるとも書いてあった。しっかり調べてからやればよかった……。


「今のところ8人までは転移できるみたいだ。誰からやってみる?」


「私からやろうかな。魔法に関しては私が一番よくわかってるし」


「じゃあマナと俺で2,3回試してみて、問題なかったら4人で試してみて終わるか」


「それがいいと思うよ。じゃ、やろ、メイ」


 マナは俺の手をつかんで引っ張る。そんなにぐっと引っ張らなくてもいいのに。途中から手を離して腕を組んできた。やわらかいものが、いや、やめとこう。

 そのまま『テレポート』で移動して、俺たちには何もなかったが、その様子を見たヒツギとキャラビーに引っ付かれた結果、4回くらい全員でやることになったが、そこは気にしないほうがいいだろう。




 その日は一日休みだったので、鍛冶屋に向かった。

 数日おきではあるが、1か月以上通っていることもあり、すでに一般の冒険者がやる程度には剣の手入れはできるようになっている。それでも満足していないおっさんがいるから全然終わる気配はないんだけどな。今はほかの武器のことやその手入れの方法を学んでいるし。


「おっさん、今日は休みだからよろしく頼む」


「よろしくお願いします」


 俺たちが鍛冶屋の入口から中に入ると、珍しいことに客が来ているらしく、おっさんがカウンターにいた。


「お、来たのか。今はこの方の対応をしているから先に裏に行っておいてくれ」


 おっさんがこちらに気づいてすぐに裏に行くように言ってきた。お客の姿はここからじゃ見えないが、この方ってことは貴族とかか? でもこんな会話しているだけで十分つっかかれそうなんだが……。


「わしは別にそんなに急いでいるわけではないからの。ゆっくりやってもらえればよいぞ」


 俺たちが裏に入ってからもしばらくおっさんの話は続いていた。それなりに大きな声だから俺たちにも聞こえてるんだが……。というかどこかで聞き覚えのある声だな。



「そう言うわけにはいかねえですよ。あんたほどの方を待たせたとあっちゃあわし面目が丸つぶれでさあ」


「今のわしはただの冒険者じゃからな? この刀が戻ってきてすぐにやめてきたからの」


「またもったいねえことを。と言っても今更ですかねえ」


「はっはっは。わしはそもそも教える相手も選別しておったし、貴族連中からは恨まれることも多かったからの。向こうとしては願ってもないことじゃったじゃろう」


「それは力もなく、やる気もないような、あなたが教えなかった連中のことでしょうに。わしが覚えている限りは、貴族でもあなたが教えていた連中でそんなことをいうようなやつらはいなかった気がしますが?」


「戦いの才もなく、それを補おうともしないやつらをいくら教えても無駄じゃからな。しかし、教えるにしても厳しくしとったからの。案外恨まれておるかもしれんぞ?」


「そんなわけはないと思いますぞ。で、こっちの刀を研ぎなおせばいいんですかい?」


「その通りじゃ。この町を復帰場所に選んだのも数年間研いでやれなかったこれらを研いでやってほしかったからじゃからの」


「昔師から()の研ぎ方を習っていてよかったですわ。そっちのはいいんですかい?」


「こっちは研ぐ必要がないからの。まあその分ダンジョンにでも入って血を吸わせてやらねばならんが」


「そうですかい。まあわしは(全力)こめてやるだけですわ」


「よろしく頼むぞ。それじゃあ受け取りは3日後で」


「お代もその時に頼みますよ」


「わかっておる。これでもだいぶ稼いだからの。任せておくがよい」


「ではまた」


 どうやら会話が終わったみたいだ。ドスドスとこちらに歩いてくる音が聞こえる。




「よし、今日もしっかりと学んでいけよ」


 俺たちは先ほどの会話については聞かず、今日も武器のことについて学んだ。



どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv90/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv12/??

 狙撃主 Lv45/70

 獣人  Lv16/20

 狂人  Lv25/50

 魔術師 Lv40/60

 ローグ Lv21/70

 重戦士 Lv21/70

 剣闘士 Lv1/60

 神官  Lv1/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70 

大鬼人 Lv1/40 』

推敲作業に時間がかかってしまい、遅れました。


悩んだ結果、年内にもう1話投稿する予定です。

ただ、年末は何かと忙しいので間に合うかどうか……


ではまた次回



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[一言] ようやく剣技の学べるのかな?
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