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地下倉庫です

 結局想像通りに4、5時間は起きたままで、知らないうちに眠っていた俺は朝になっても起きられず、お腹をすかしたカルアに顔面にしがみつかれる形で目を覚ました。

 時刻は既に10時。まあお腹もすくわな。


 頭から剥がしたあと、なぜか腕から離れようとしないカルアをくっつけたまま下に降りていくと、3人ともリビングでくつろいでいた。

 マナはソファーで本を読んでおり、ヒツギは布で棺桶を磨いており、キャラビーはナイフの手入れだ。


「あーおはよう、メイ。今朝は随分遅かったね」


「夜中に外に出てたしその影響かな? たまたま水を飲みに下に降りてたらメイがヒメと森に向かうのが見えたんだよね」


「見られてたか。文字通りヒメに叩き起こされてな。おかげで寝不足だ」


「膝枕する?」


「いらん」


「ご主人様、抱き枕でも」


「いらん」


「なら私がメイを抱き枕に」


「しなくていい。で、今日はどうする?」


「どうって言われても、昨日メイが休みにするって言ってなかった? それに、メイもその状態だと少し厳しくない?」


「若干集中力が欠けそうなのは否めないな」


「なら今日は休みで決定。町に散歩にでも行こうよ」


「そうだな。いろいろと買い物でもしようか。何かほしいものはないか?」


「私は本がほしいかな。調べたいことがあるんだよね。ただ、本って結構な値段がするから厳しいかな……」


「本ならたしか地下にあった気がするけど」


「ほんと?」


「地下室を見に行ったときに隅のほうに少し積まれてたんだ。2,3冊くらいしかなかった気がするけど」


「でも気になるね。本棚自体は奥の部屋にもあったけど、あの掃除好きのブラウニーちゃんたちがそこじゃなくて地下倉庫の隅に置きっぱなしにしてたってことでしょ?」


 たしかに、そう言われてみたら妙だ。二階の一番奥の部屋には本棚はあるが、本は部屋には一冊もなかった。なんで地下倉庫にだけ置いてあるんだ?


「気になるな……。マナ、一応行くときは俺に声をかけてくれ。何かあるかもしれない」


「うん。結界を張れば大丈夫だろうけど、念のためにね。今から行く?」


「二人には待ってもらうことになるけど構わないか?」


「うん。メイが起きてくるのを待つよりは短いでしょ」


「うっ……遅くてごめん」


「冗談よ。私は手入れがまだ残ってるから進めてるね。買い物は行くけど」


「お供します!」


「キャラビーもまだ途中だろ? そっちを進めてくれればいいよ」


「でも……」


「大丈夫だって。買い物までに終わらせてくれよ?」


「はい!」


 そして俺とマナは地下倉庫に向かった。





「久しぶりに二人きりだね、メイ」


 倉庫に向かう途中で、急に立ち止まったマナがそう言いだした。

 たしかに、向こう(地球)では俺たちは二人で動くのが当たり前みたいな感じになっていた。それまでは、姉さん()に振り回され、連れ回され、常に三人で一緒だった。しかし、姉さんがこの世界に召喚されるという形で行方不明になってからは二人でいる時間は急激に延びていた。まるで依存しているかのように。


「そういえばこっちに来てから二人きりってのはほとんどなかったな」


「もう半年も経つっていうのにおかしな話だよね」


 こっちの年月の考え方は地球とは少し違った。一年360日で、一月が30日。こちらに来て既に180日。向こうにいたときならばそれだけの時間があれば二人きりの時間なんていくらでもあった。しかし、今は俺たちだけではない。姉さんも、キャラビーもいる。

 マナが懐かしむような表情を浮かべる。


「こっちに来て、ひつ姉と再会して、キャラビーに出会って、ずっとみんなで……」


「当たり前だったのにな。それが戻ってきただけでこんなに変わるなんて思ってもいなかったよ」


「私も。一度は当たり前じゃなくなって、そしてこんな世界でその当たり前が戻ってきた。……ねえメイ、ずっとこのままでいられるよね?」


「……わからない。この世界はすぐに命が消える。俺たちもそれは例外じゃない」


「それじゃあ!」


 不安そうな顔でこちらを見るマナの頭にポンと手をおいた。


「安心しろ。俺の当たり前は、俺が守るから。前にも言ったと思うけど、俺は勇者なんかじゃない。勇者なんかにはなれない。俺は見ず知らずの人を自分の身を睹して守るなんてできない。自分の、お前らの方がよっぽど大事だ。お前らがピンチなら周りなんてすぐに放り出す。そんな男だよ」


「メイ……」


 マナの不安そうな顔は少しばかりは戻ったみたいだ。

 俺たちは地下倉庫に向けて再び歩きだした。







 地下倉庫に入ると、前に来たときと何も変わらなかった。埃も汚れもなく、ただ2冊本が置いてあるだけだ。


「一応結界張っとくね。『魔法結界』」


「物理の方は俺がやるよ。『全方位結界』」


 俺たちを包むように二重の結界が浮かぶ。要らないことを祈ろう。


 本の方に近づいて手に持ってみた。なにも起こらない。


「魔導書……みたいだね。ちょっと貸して」


 マナがペラペラと読み始めた。俺はその間にもう一冊を開く。


「……こっちは……白紙?」


 その本はどのページを見ても一切文字が書かれていなかった。最初から最後までめくってみたが、何も書かれていなかった。


「白紙なの? 表紙はついているみたいだけど」


 マナが覗き込むように見ていたのは俺の持つ本の表紙。そこには、『万龍狩りの龍人』と書かれていた。


「『万龍狩りの龍人』って小説とか伝記とかのタイトルかな?」


「たぶんそうなんだろうけど……なんで白紙? ただ単に書き忘れたとか印刷ミスとかそういうことなのか?」


「でも、それにしてはその本読み込まれてるような感じがするけど……」


「そうなんだよな……何らかの原因で中の文字がすべて消えたとか?」


「文字を消す技術か、魔法があってそれを使ってここに放置したってこと? そっちを消すんだったら先にこっちの魔導書の中身を消すべきだと思うんだけど」


「何が書いてあったんだ?」


「獄炎属性の魔法についての考察。それがこの本にはびっしりと書き込まれているの。なんとなく使えそうな感じの魔法もあるし、一部違う属性のことにも触れてるみたい」


「なんでそんなものがここにあるんだ?」


「私に聞かれても……。メイ、私今日はこの本を読みたいから散歩はやめにしとくわ。なにかわかるかもしれないの」


「わかった。ただ、無理はするなよ? 獄炎魔法って言うとガルアが言ってた上位属性の1つだろ?」


「うん。もっとよく読み込まないと理解が追い付きそうにないんだよね。結構難しい」


「まあそうだろうな。俺も暗黒属性は扱いが難しいし」


「結構簡単に使ってるように見えるけど?」


「そうでもないぞ? 闇属性と違って消費魔力が半端ないし、操作も集中してないと厳しいんだよ。闇属性の魔法は全部近接で戦闘しながらでも使えるくらいには扱えてるんだが、暗黒属性の魔法は2種類同時に使えないし、他の魔法を同時に使おうにも威力も数も下がるし」


「それでも十分使いこなせてるじゃん……私いまだに同時には2つしか使えないんだよ?」


「同時じゃなくても連続で使えるだろ? なら大丈夫だと思うけどな」


「使えるなら使える方がいいの。メイの使い方は参考にならないからどこかで参考になる戦い方でも見ておきたいな」


「悪かったな。とりあえずこっちの白紙の本は俺がアイテムボックスに入れておくけどいいか?」


「うん。ただ、魔導書は私がもらうからね」


「わかってるって。買い物行かないなら俺が何か買ってこようか?」


「うーん、じゃあ紙をお願いできる? あとインクもお願いできる?」


「わかった。それだけでいいか?」


「うん」


「わかった。じゃあ戻るか。2人も待たせてるしな」


 俺たちはリビングに戻った。


どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv88/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv12/??

 狙撃主 Lv45/70

 獣人  Lv16/20

 狂人  Lv21/50

 魔術師 Lv37/60

 ローグ Lv21/70

 重戦士 Lv21/70

 剣闘士 Lv1/60

 神官  Lv1/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 』

昨日までに書き上げられなかったので今日になりました。

すいません。

次は間に合うようにガンバリマス!


ではまた次回

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