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グリムの町です

 俺たちがバルの町を出てから3週間が経ち、ようやくグリムの町が見えてきた。かなり大きそうだ。


 グリムの町は、この国で2番目に大きな迷宮都市ということもあり、10mを超すような城壁に囲まれていた。入り口は東西南北とそれぞれの間の8か所にある。ちなみに今見えているのは西の入り口だ。


 門の近くまで行くと、中に入る人の列ができていた。同じマークの馬車が3台くらい並んでいるからどこかの商人かもしれない。斧3本で三角形を描くというマークで、武器屋なんだろうなーとか考えていると1台が門の中に入って行った。後の2台も時間の問題だな。


 それから10分くらいしてすぐ前の馬車が門の中に入っていった。俺たちの番だな。


「冒険者かな? ようこそグリムの町に。身分証明書の提示をお願いします」


 門番の男性にギルドカードを提示した。キャラビーのはないんだが大丈夫かな?


「人族が3人に猫獣人の奴隷が1人ですね」


 奴隷だとみてわかるのか……あ、首輪ついてるわ。


「奴隷の所有者はメイさんですね。奴隷が暴れないように気をつけておいてください」


「大丈夫です! ご主人様の迷惑にはなりません!」


 キャラビーが元気よく門番に告げた。


「よくなつかれているようで」


「はい!」


「この町に来るのははじめてですか?」


「ええ。いろいろ教えてもらえませんか?」


「今は仕事中ですので冒険者ギルドでお願いします。次の方もいらっしゃいましたし」


 門番が視線を向けた先には馬車が見えていた。タイミングが悪かったかな?


「冒険者ギルドはここからまっすぐ進んでいって、3つ目の大通りを右に曲がって、2つ目の通りを左に曲がったところにあります。大きな建物なのでわかると思いますよ」


「わかりました」


「ではお気をつけて」


 俺たちは門の中に入っていった。






 門番の人の言ったとおりに道を進んでいくと、冒険者ギルドとでかでかと書かれた看板を見つけた。その建物は、キャラビーいわく王都にある本部ほどではないが、俺が見た中では最大の大きさだった。コンクリート造りの3階建ての建物で、周りにある建物が4つくらい入りそうだ。


 中に入ると、ギルドの中はかなり騒がしかった。外には音がまったく漏れていなかったから壁に細工がしてあるっぽいな。

 入り口からまっすぐ行くと、5か所の受付があり、右側には買取カウンターが3か所、左側には酒場への入り口と2階の資料室への階段、そして、多くの依頼用紙が貼り出された依頼掲示板がある。買取所には数人の列ができ、掲示板の前には10人ほどがたむろしており、ちらっとしか見えなかったが、奥の酒場には結構客がいそうだった。

 幸い、受付は2か所空いていたので、目が合った兎獣人の女性のところへ行くことにした。


「いらっしゃいませ。どのようなご用件ですか?」


「この町に来たばかりで、町のことを教えてほしいのですが」


「わかりました。この町は迷宮都市と呼ばれていることは知っていますよね?」


「ええ」


「この町の、北、南、東、西の4か所の門から出て少し行ったところにそれぞれ1つずつダンジョンが存在します。北のダンジョン以外はすでに攻略済みで、賞品もすでに出し切っておりますので、それを目的としている場合は北のダンジョンをお勧めします。難しいですが」


「北のダンジョンに関する資料って2階にありますか? あと、資料の閲覧は可能ですか?」


「ございますよ。2階の資料は全て閲覧可能なものになっております。3階の物は特別な許可が必要になりますのでご遠慮ください」


「特別な許可とは?」


「冒険者ランクが最低でもA+であることと、前金として金貨30枚を支払うこと、そしてギルドマスターの許可を得ることです。ちなみに、前金は問題さえ起こさなければ返金されます」


 ランクが低いとみられる情報も制限されるということか。あとギルドマスターがこいつはダメだと判断したら入れないから普段の行いもあんまりひどいと許可が下りない。まあ俺たちが入ることはなさそうだな。ランクアップ試験を受ける予定は今のところないし。今のランクでも十分だからな。なめられるのはイラッとくることはあるけど。


「ダンジョンで得た素材に関してなのですが、隣にある買取カウンターでお願いします。この町には商業ギルドも存在するのですが、直接そちらに持っていかれてもいろいろと手続きなどが必要になるため、推奨されておりません。商業ギルドからもこちらに『冒険者が販売価格にクレームをつけてくる』とか、『高圧的な態度で脅しをかけてくる冒険者がいて困る』といったクレームが来てますのでやめてください。その時にはこちらでもそれなりの対処をさせてもらいますので」


 どこにでもそういう冒険者はいるんだな。


「ただ、勘違いしてほしくないのは、商業ギルドに行くことを禁止しているというわけではないということです。長期滞在のために家を借りに行くのには商業ギルドに行く必要がありますし、他にも商業ギルドに行かなければいけないような件はいくらでもあります。依頼の中には商業ギルドのお手伝いなんてものまでありますからね。禁止されていると勘違いされる方もいて困るんですよ。ちなみに、商業ギルドの建物は外の通りを左に行って、7つ目の通りを右に曲がって、4つ目の通りを左に曲がったところにあります」


「家は商業ギルドに行けば借りられるんですか?」


「そうですね。それなりにお金はかかってしまいますが、長期の滞在となりますと、そちらの方がお得になることもありますのでご検討ください」


 思い切り宣伝だが、たしかに宿よりも家を直接借りたほうがいいかもしれないな。


「他に聞きたいことはありますか?」


「今のところは大丈夫です。ありがとうございました」


「いえいえ、失礼します」


 そうして俺たちは冒険者ギルドを後にした。





「で、どうするのメイ?」


「どうって?」


「家を借りるのか宿にするのかってこと」


「あーそれか」


 ギルドから出た俺たちは、近くにあった広場の長椅子に座って話をしていた。


「個人的には家を借りたほうがいいと思ってるんだけど、その値段次第だな」


「キャラビーは値段の相場とか知らない?」


「そこまでは……」


「まあ仕方ないな。とりあえず商業ギルドに行ってみるか」


「そうだね。ここには長くいるつもりだしいいところがあるといいね」


 話し合いの結果、とりあえず見に行ってみることにした。


どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 鬼人  LvMAX(20)

 武闘家 LvMAX(60)

 冒険者 Lv88/99

 薬剤師 Lv42/60

 聖???の勇者Lv12/??

 狙撃主 Lv45/70

 獣人  Lv16/20

 狂人  Lv21/50

 魔術師 Lv37/60

 ローグ Lv21/70

 重戦士 Lv21/70

 剣闘士 Lv1/60

 神官  Lv1/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40 

 舞闘家 Lv1/70

 大鬼人 Lv1/40 』


前回の話で、魔物とモンスターの両方の表現が出てきたことについて質問を受けました。

今のところ、魔王の配下(配下の配下なども含む)をモンスター、それ以外を魔物と呼んでいます。

ちなみに、これは魔王サイドに限ったことで、普通の人はどっちでも使います。


ではまた次回

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