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森です

「…………」


 痛みによって意識を失ってかなりの時間が経った。ようやく意識を取り戻した俺は目の前にあるものに対して若干の怒りを覚えていた。いや別にダンジョン攻略したら外に出られるとか期待してたわけじゃないよ? だってそもそもいつダンジョンに入ったかが謎だもの。それでもさ、たとえば宝箱だとか用意してくれてもいいじゃない。


「なんだって地下への階段なのさ……」


 ここに来るときにとおってきた道の入り口は戦いの中で壊れてしまった。俺の投げた岩がぶつかったり、棍棒の残骸がぶつかったりオーガキングの攻撃で飛ばされた俺がぶつかったりした結果だ。すなわち俺に残された選択肢はここでじっとし続けるか、どこにつながってるかわからない地下への階段を降りるか。それはもう選択肢は1つしかないといっているようなものだった。

 俺は行きたくないという思いを抱えながらも階段を下った。

 そして目の前が光で包まれた。











 ダンジョンの奥、広いドームのような場所に一体の生物がいた。

 そいつはずっと眠り続けていた。ある時から眠りにつき、気づけばそれから900年間がたっていた。

 その巨体の重たい瞼がゆっくりと開く。


「……永い眠りであった。ようやく2人目の挑戦者が現れたか。……そうか、悪魔が……。まあそれでも実際にここにたどり着くのは容易ではない。まあ……我を失望させてくれるなよ?」


 それは、己のもとに挑戦者が現れるのを期待して気配の把握に努めることにした。







 光が俺を包んだ瞬間、どこかに転移したような感覚に襲われた。そして目の前の光が消えようやく目が慣れてきた。そして俺の視界に現れたものは


「……森?」


 あたりを覆う木々だった。

 先程まで確実に洞窟にいたはずの俺がなぜこんなところに飛ばされたのか疑問ではあったかとりあえず無視することにした。さっきの階段が転移用のものだったのだろう。地下に潜ったと思ったら地上でしたというわけのわからない状況ではある。

 まずは久しぶりの日の光を味わいながら大きくのびをした。うん、太陽が気持ちいい……。そして気づいたのだが、谷底や洞窟にいたせいで日にちの感覚があまりないが、既に丸一日経過していた。


「ん~。眩しい」


 眩しいことに若干感動しながらとりあえず木々を『鑑定』する。毒とかある木だったらまずいし、いるのかわかんないけど木に化けるようなモンスターがいたら気も休まらない。


『普通の木:ただの木』

『普通の木:ただの木』

『普通の木:ただの木』

『普通の木:ただの木』

『普通の木:ただの木』

『普通の木:ただの木』

『普通でない木:ただの木ではない』

『普通の木:ただの木』

『普通の木:ただの木』

『麻痺の木:痺れる木』

『普通の木:ただの木』

『普通の木:ただの木』

『普通の木:ただの木』

『普通の木:ただの木』


 うん普通の木ばっかり……って


「なんか混じってたよ!? 普通でない木ってなんだよ!」


 すげえ気になるものが混じってた。どれだ? どれが普通じゃない木なんだ!?

 俺はあたりを見渡してみるも見た目に違いは何もない。とりあえず一番近くにあった木にそっと触れてみる。

 瞬間、俺は雷に打たれたような衝撃を感じた。しっかりとしていて意外と丈夫そうな木だ。見上げてみれば葉もしっかりとついていて鮮やかな緑色。その素晴らしさに感動を……というわけではなかった。

 体が痺れる。そのまま地面に倒れこんだ。慌てて俺は視線だけを向けて『鑑定』する。


『麻痺の木:痺れる木』


 普通ではない木に気をとられて気づかなかった。体はまだ痺れているためうまく動けない。それでもなんとか体をよじり木の方へと頭を向ける。そして額で木に触れて瞳で喰らった。木の根ごと喰らったため木があった場所には少し穴が開いた。


『スキル:麻痺耐性Lv1を習得しました』


 よし。痺れがとれた。木でも特殊なものなら喰えるのか。さすがに普通の木は無理だろうな。もしできてるなら石だって喰えるはずだ。

 俺は体を起こして少し動かして体の調子を確かめる。腕を回す……問題なし。体を捻る……問題なし。足を動かす……問題なし。


「大丈夫だな。あー焦った」


 今はまだ見かけていないがもしここでモンスターとかに襲われてたらひとたまりもなかったと思う。動けなくなったとこを襲われるのは困る。それを思えば耐性スキルはいくらとっておいてもいい。よし。と膝を叩いて立ち上がった俺の次の行動が決まった。











「おっここにもあった」


 それから約30分後、ところどころに同じくらいの大きさの穴が点々として開いている地面と、その原因を作った俺がいた。

 『鑑定』スキルを使って麻痺の木を探し、それを喰らって耐性をつける。それをひたすら行っていた。時々喰らう前に手で触れてどれくらい耐性が付いてきてるのか調べながらやっていたら時間がかかったが、数はそれほど多くなく、生えている場所に統一性とかも一切なく、見た目も変わらないときたのでここに来る人は大変だろう。一度麻痺してしまえばそれが木が原因であるとわかる。そうなれば木に注意を向け辺りへの注意は散漫となる。そこを狙われる可能性もあるのだ。現に先程から木を喰ったあとに見える空を飛ぶ鳥型モンスターの数は増加している。まあ襲っては来ないけど。

 それからも麻痺の木を喰いまくる。途中でLvはMAXになってしまったが食い続けた。まあ襲われたときになんかの拍子で触れてしまってももう麻痺しないから別に構わないが衝撃だけはなぜか健在だから面倒だ。動きが乱れたらやばい。いくらオーガキングを倒せたからといって油断なんかできない。ここのモンスターがどれくらいの強さなのかもわからないしそもそもあいつの強さがこの世界でどれくらいなのかもわからない。基準なんかあってないようなものだ。

 そしてそれからしばらくして鑑定できる範囲の麻痺の木をすべて喰い尽くした。えられたものは2つ。麻痺耐性LvMAXと麻痺再生Lv1。麻痺を伴う攻撃を受けると回復するという素敵仕様。麻痺は効かず、回復するようになった。やばいな。

 俺は道なき道を歩き出す。獣道っぽいところもなく、ただの森だ。結局あのあと普通でない木は見つからなかった。鑑定である程度どの辺かはわかったが特定することは叶わなかった。理由はわからないがなんか壁っぽいのがあるのだ。見えはしないけど。

 しばらくあるくと森を出てしまった。森の向こうは草原だった。ところどころにモンスターも見える。警戒しているのか、それともただ気づいていないのか俺のほうに近づいてくるものはいない。奥の方には岩山が見えるから草原自体はそこまで広いわけではないんだと思う。

 しかし、俺が草原に出て数秒後、頭上を飛び回っていたモンスターたちが一斉に襲いだした。


『ブロンドオウル』

『クルーイーグル』

『ハイイーグル』

『デビル』

『妖精蜥蜴』

『黒鳥』


 なんかいっぱい混じってた。スピードの違いからか自然と 順番に攻撃が飛んでくる。俺はアイテムボックスから武器を出そうとしてふと思い出す。


「……武器ないじゃん」


 オーガキングとの戦いですべて使い果たしたのだ。剣の類は片っ端から折れてしまったし、棍棒もただの瓦礫の山と化した。さすがに岩をアイテムボックスに入れて持ち歩くのも面倒だったのですべておいてきてしまった。今思うとあの時の俺を張り倒してやりたい……。オーガたちから奪ったものだけでなく、オーガキングの使ってた大きな剣は使えなさそうだったから喰ってしまった。その結果、手元に武器になりそうなものはない。


「また素手に逆戻りかよ……」


 俺は若干落ち込みながらも向かってくるモンスターたちに意識を向けた。

どうもコクトーです


Pvが8000越えました!!

昨日で3000…いったいなにが…


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX

 冒険者 Lv15

 格闘家 Lv30

 狙撃手 Lv20

 盗賊  Lv10

 薬剤師 Lv10

 ????勇者Lv5

 剣士  Lv1

 武闘家 Lv1

 戦士  Lv1

 魔法使いLv1

 鬼人  Lv1 』


ではまた次回

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[一言] そういえば主人公が何も食べてないのに平気なの?
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