魔族です4
ベルゼブブがその大きな口で俺に噛みつこうとしてきた。俺は小規模ワープで後ろに下がってそれをかわす。
「『サンダーアロー』!」
マナの撃った20本の雷の矢がベルゼブブに迫る。しかしそれはダークネスシールドに防がれた。盾の1つは俺のアイテムボックスに入ってるから防げる範囲が狭くなって何本かは当たってくれればいいなと思っていたのだが、ダークネスシールドの大きさが先ほどよりもだいぶ大きくなっており、うまくはいかなかった。
「こざかしい! 『ヘルナックル』!」
大量の黒い拳がこの空間いっぱいに降り注いだ。
『スキル:ダークナックルLvMAXを習得しました。
ダークネスナックルLv8を習得しました。
ダークナックルが闇魔法に吸収されました』
習得できたスキルは『ヘルナックル』ではなかった。どうやら暗黒属性の中にも上位のスキルがあるらしい。『ダークネスナックル』の上位が『ヘルナックル』で間違いないだろう。
その威力は上位にふさわしいもので、1発1発が地面を確実にえぐっていき、凸凹になっていた。場所によっては2,3発当たったのか、2m以上えぐれている場所もある。
マナも風魔法で拳をそらして防いでいた。マナにあたらないかわりにその周囲はひどいありさまだ。
周囲に『ファイア』とか『エアロ』とかの魔法を展開しながらベルゼブブに駆け寄る。ダークネスシールドによって魔法は防がれるが俺の姿もベルゼブブの視界からは消える。俺よりも魔法のほうがスピードが速いから魔法は全て防がれてしまったが死角を作るのが目的だったから問題はない。
ステュラを持っていないほうの手をダークネスシールドに突っ込んだ。
『スキル:ダークネスシールドLv1を習得しました』
腕を突っ込んですぐにダークネスシールドが消えて盾だけになる。そのまま盾をつかんで下に押し下げるとステュラでその手を切り落とした。盾はアイテムボックスにしまい込み、振り下ろされる杖をかわす。残る腕は3本だ。
嫌な感じがして小規模ワープで後ろに跳んだ。すると、先ほどまで俺がいた場所をベルゼブブの頭が通りすぎた。口をクチャクチャしてるということは地面を喰ったのだろう。いやマジか……。
「……ふんっ!」
ベルゼブブが力を入れると今切った腕の断面から腕が生えてきた。喰った分回復できるとかそういうことなんだろうか。
「まあいいや」
すぐに生えたばかりの腕を切り落とした。回復する暇もないくらいに攻めまくればいい。
アイテムボックスから武器を数本取り出して周りに突き刺し、棍棒を持ってベルゼブブに襲い掛かった。ステュラと適当な武器の二刀流になる。正直棍棒とかは使い捨てになるだろう。というかそのつもりですでに数本武器を出したわけだしな。
ステュラで切りかかり、それを止めに来た杖を棍棒で弾いてベルゼブブの腹の表面を切った。細い腕は簡単に切れるけどオークのような体の部分はかなり硬かった。筋肉が詰まってる感じだ。案の定棍棒は折れてしまったのでそれを牽制目的で投擲して、次の剣をつかんで切りかかる。
出してた武器がなくなるころにはベルゼブブはぼろぼろになっていた。細い腕は全て切り落とし、杖はアイテムボックスに回収した。マナの魔法により援護も俺に集中していて回避できずにいたためにほとんど直撃していた。雷光属性の魔法も上位魔法なだけあり、かすかではあるがダメージが入っていた。連発はできないみたいだし、途中から次第に間が空いていたから魔力消費も相当あるんだろう。しかし、攻撃が当たるたびに一瞬ではあるが隙が生まれるのはありがたかった。
「くそがくそがくそがくそがくそがぁああ!! 私は、七つの大罪の、暴食を司る大悪魔、ベルゼブブ様だぞ! 暗黒魔法は、暗黒魔法は最高で、最強の魔法だ! それなのに、こんな、こんなガキどもに!」
「ただただ相性が悪かっただけだと思うがな」
俺は魔法がほとんど効かないうえに、暗黒魔法はつい最近ではあるが耐性系のスキルが手に入って無効になっている。しかもベルゼブブはその暗黒魔法をメインとして使い……というか暗黒魔法しか使わず、俺のメインである近接戦闘がそこまで得意ではないという状態だ。
実際、俺が相手じゃなければこうはなっていないと思う。それ以外にも、マナじゃなくてヒツギやキャラビーであったなら変わっていただろうし、この空間を作ってなければおそらく近くの町とかから衛兵とかが来ただろうから言い方はあれだが餌が多く集まって俺も危なかったと思う。喰えば喰うほどに回復したり強くなったりするだろうし。
「悪いがそろそろ倒させてもらうよ」
使い捨てにしていた武器をアイテムボックスにしまい、両手でステュラを上段に構えた。
「だまれぇい! 私を、この私を!」
「『鬼化』『怒り』『テンション』『鬼の一撃・付与』『剣閃』『一刀両断』」
ステュラを勢いよく振り下ろした。
「ぐぁああああああああああああ……あ、あ………」
ベルゼブブの体が2つに割れた。俺はそれに近づき、そっとそれを喰らった。
『職業:冒険者がLv88になりました。
武闘家がLv60になりました。
武闘家がLvMAXになりました。
薬剤師がLv42になりました。
鬼人がLv20になりました。
鬼人がLvMAXになりました。
聖???の勇者がLv12になりました。
狙撃主がLv45になりました。
獣人がLv16になりました。
狂人がLv21になりました。
魔術師がLv37になりました。
ローグがLv21になりました。
重戦士がLv21になりました。
職業:武闘家、鬼人がLvMAXになったので剣闘士、神官を有効化します。
職業:舞闘家、大鬼人になりました。』
『スキル:カウンター10% 聖宝刀Lv1 魔宝刀Lv1 獣の一撃・付与 狂化Lv1 破壊の一撃Lv4 罠察知Lv1 武器強化・弱Lv1 ダメージ軽減・弱Lv1を習得しました。
スキル:気配察知(魔物)Lv4 小規模ワープLv5 コンボ6 ためるLv3 調薬成功率上昇60% 鬼化LvMAX ブレイクショットLv5 マルチロックオン20 遠距離攻撃力上昇Lv2 獣の一撃LvMAX ファングショットLv3 獣化Lv1 魔力操作LvMAX MP自動回復Lv5 気配遮断Lv5 堅硬防御Lv5を習得しました。
スキル:聖宝刀が消失しました』
『スキル:暗黒魔法Lv9 暴食の王LvMAX ベルゼブブLv1を習得しました。
スキル:ダークネスボール ダークネスアロー ダークネスソード ダークネスランス ダークネスシールド ダークネスナックルが暗黒魔法に吸収されました』
「がぁあああああああああああああ!!!!」
体中をとてつもない痛みが襲った。なんとなくそんな予感はしていたけどさ。再生系スキルもパワーアップしたしなんとかなってくれてもいいじゃないか! ダメージ軽減なんてスキルも手に入ったんだし。
しかし、痛みはそんなこと関係ないというように全身を襲う。マナはすでに回復系の魔法を使い始めており、俺がベルゼブブを喰らったことでダークフィールドが消え、ヒツギとキャラビーも心配そうに駆け寄ってきた。
何か耳元で叫んでいるけれども何も聞こえない。意識が……遠……のく……。
俺は意識を失っている間、とある男の夢を見た。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
鬼人 LvMAX(20)
武闘家 LvMAX(60)
冒険者 Lv88/99
薬剤師 Lv42/60
聖???の勇者Lv12/??
狙撃主 Lv45/70
獣人 Lv16/20
狂人 Lv21/50
魔術師 Lv37/60
ローグ Lv21/70
重戦士 Lv21/70
剣闘士 Lv1/60
神官 Lv1/50
魔人 Lv1/20
精霊使いLv1/40
舞闘家 Lv1/70
大鬼人 Lv1/40 』
スキルまとめるのがきつかったです
いつ習得したものかわからなくなってるのがいくつもありまして……
指摘された誤字訂正も終わってないし……
次はちょっと短くなるかもしれません
まだわかりませんが
ではまた次回