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魔族です3

「『ロックオン』、『ファイア』『エアロ』『アースボール』『アクア』100連! 」


 ベルゼブブが攻撃をしてくる前に攻勢に立つために大量の魔法を放った。ごっそりと魔力が持っていかれたがすぐに『再生』などで回復するし問題ない。

 俺が使える魔法の中で一番威力が高いのは先ほど手に入れた『ダークネスランス』か闇魔法の『ダークランス』のどちらかだ。しかしこいつに対してそれらは使っても意味がないだろう。ベルゼブブの属性は間違いなく暗黒属性。しかも先ほど手に入れたばかりの俺とは比べ物にならない練度だ。

 そもそも俺の魔法の練度は低い。マナの使う魔法を見ていると嫌でもわかってくるが、俺はただスキルに任せて魔法を使っているだけだ。俺の闇魔法はすでにLvMAXになっている。しかし、マナと同時に同じ魔法を放ったら俺の魔法が負ける。マナは俺とは違い、自分で魔法を構築できるほどに知識も技術もある。同じ魔法でも精度が段違いなのだ。俺が喰らうことでその魔法を覚えるように、マナは魔法を視ることでその仕組みと効果を理解して自分で使えるように構築しなおしているのだ。魔法について知っているからこそ防いだりもすることができる。暗黒魔法が得意な相手に使ってもあっさりと防がれるのが目に見えている。

 さらに言えば、暗黒魔法とは闇魔法の上位に位置する魔法だと言っていた。今更下位の闇魔法をつかっても大してダメージはないだろう。なら効果のある属性を把握しつつ物理で攻めるのがいいだろう。飛び道具(剣や槍)やらたくさんあるからな。


「ダークネスシールド。どんな属性だろうと私の暗黒の前にはひれ伏すのみだ」


「そうか。もう1回だ」


 もう1回全部100連で今度は適当な方向に放つ。

 これまでそんなに使ってこなかったのだが、『ロックオン』のスキルはかなり使い勝手がいいスキルだった。1発につき数十本の槍を飛ばす『ダークランス』を主に使っていたから使いにくかったということもあるが、『ファイア』とかならばある程度の追尾機能が付くのだ。もちろん自分で軌道を操ることもできるのだが、数が増えるほどきつい。しかしこのスキルがあれば撃つだけでいいからこういった弱点探しをするときには便利だ。


 適当に撃ったことであらゆる方向からベルゼブブに魔法が襲い掛かる。


「ダークネスシールド」


 持っていた盾から生まれた真っ黒な円形の盾によって全部の魔法が防がれていく。問題ない。

 その陰に隠れるようにして後からこっそりと投げた剣がベルゼブブに向かっていく。ダークネスシールドが2枚になったことで死角は広がっていた。

 そのまま飛んでいった剣が何も持っていなかった細い左腕の1本を切り落とした。そこからは血が……出ない。


「む、腕が1本切られたか。まあよい。弾幕は一旦おしまいのようだな。ならこちらも弾幕でお返ししよう」


 ベルゼブブが杖を掲げるとその周囲に真っ黒な小型のナイフが次々と浮かび始めた。その数はどんどん増えていく。何本あるんだよ……。


「『サウザンドナイフ』だ。こいつは上位の悪魔でも止められる者は少ない。人間がとめられるかな?」


「マナ、全力で防御!」


 俺は自身の防御は捨てて叫んだ。あれは俺じゃあ防ぎきることはできない。一目見ただけでもそう直感できる。

 マナは杖を両手で握りしめて呪文を唱えている。何の魔法を使う気なのかはわからないがあれを防げるものであってほしい。すでにベルゼブブの魔法は発動している。俺の位置からじゃあ小規模ワープを使っても先に魔法が到達してしまう。つまりマナの力で防いでもらうほかないのだ。


『スキル:テンズナイフLvMAXを習得しました。

 ハンドレッドナイフLv7を習得しました』


 ナイフが体のあちこちに刺さると同時に瞳に喰われて、空いたところからすぐに再生されていく。なぜか痛みはないがナイフが突き刺さって穴が開いたという感覚は間違いなくあるために気持ち悪い。


「『ウインドアッパー』!」


 マナに向かっていたナイフが全て上向きに変わり黒い壁に吸収されていく。おそらく風魔法で向きを変えているのだろう。


「けっこう魔力消費がきついね。でも、もう暗黒魔法の解析(・ ・)は終わったからメイも前に出て大丈夫だよ」


「……やっとか。使えたりはしないのか?」


「無理だね。どうにも私には暗黒魔法の適性はないみたい。雷光は適性があったから風属性の上位魔法は使えると思うけど、いくら『魔法の才能』の『力』でも適性がない属性は使えないってわかってたけど解析はできるみたいで安心したよ……。それでも時間はかかるし量を見ないといけないから彼女から時空魔法を盗むのは厳しいかな。それとも彼女の魔法は時空間魔法なのかもしれない」


「マナ、考えるのもいいけど集中はしといてくれよ」


「わかってるって」


「ならいいや」


「お前たち……いったい何を言っているのだ? 私の魔法を見て、くらって、頭でもおかしくなったか?」


「そんなわけないだろ? 無傷(・・)なんだしさ。俺はただマナの解析が終わるのを待ってただけだよ」


 個人的に耐性系のスキルのレベル上げとか暗黒魔法のレベル上げをしたかったという思惑もあるのだが、その辺は黙っておこう。というかこいつを相手にこんなこと考えてる時点で俺はばかだと思う。でも、この時間で1つの方針は決めることができている。


「私を侮辱しているのか?」


「侮辱はしてないがなめてはいるな」


「……貴様らぁあああああ!! あの技を止められたことを祝して私の部下として悪魔にしてやろうかとも考えたが、それはやめだ! やはり貴様らは餌だ! 私の暴食の力喰らうがいい!」


 ベルゼブブが7本の腕で1つの球体を創り出していく。


「そんなの待つわけないじゃん」


 連続小規模ワープで一気に近づき、その球体を握りつぶした。


『スキル:ダークホールLv1を習得しました。

ダークホールが闇魔法に吸収されました』


「『鬼化』『鬼の一撃・付与』『怒り』『テンション』」


 ステュラで腕を3本切り落とす。そのついでに腕ごと盾を1つ回収する。想像以上に軽い。さっき投げた剣のほうがよっぽど重い。

 盾はアイテムボックスにしまっておく。後で細かく鑑定してみよう。


「くっ、ダークネスアローレイン!」


 ベルゼブブを中心に黒い矢が降り注ぐ。それをかわさずに足を切る。表面を切るだけになってしまい、切断はできなかったけど問題ない。


『スキル:ダークネスアローレインLv1を習得しました』


 そんな俺に矢とともに杖が振り下ろされる。ステュラで受けるが重くもなんともない。やはり思った通りだ。


「お前近接戦闘は全然だろ? 方針は間違ってなさそうだ」


 レベル(パワー)を上げて物理で殴る(攻める)


「お前相手ならこっち(近接戦闘)のほうだな」


 戦いは俺の攻勢に変わろうとしていた。




どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 冒険者 Lv69/99

 武闘家 Lv47/60

 薬剤師 Lv35/60

 鬼人  Lv18/20

 聖???の勇者Lv10/??

 狙撃主 Lv32/70

 獣人  Lv8/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60

 ローグ Lv1/70

 重戦士 Lv1/70

 剣闘士 Lv1/60

 神官  Lv1/50

 魔人  Lv1/20

 精霊使いLv1/40 』

10分ちょっと間に合いませんでした

戦闘は未だ続きます


ではまた次回

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