表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/592

会場下見です2

「あ、忘れておりました。実は伝言を預かっています。そちらも中でお話ししますね。シャドウさん」


 クレリアさんのその一言で俺たちの緊張感が一気に高まった。マナもヒツギも自然と体が身構える。当然ながら俺もアイテムボックスの中からステュラをいつでも抜ける状態にする。いつ俺がシャドウと同一人物だと見抜かれた?


「別に敵対したりとかそういうことは一切ありませんからそんな緊張しないでください。ただただ私がクライン様より言伝を頼まれたというだけですから。あなた方に伝えておかなければと判断されたことですが、あまり多くの人に聞かれるのもまずい話なのでどこかで機会を見つけて話せとのことでしたので、こんな形になってしまったんですよ」


 クレリアさんがこちらを向いて慌てたように言う。


「だいたい、クラインさんが伝え忘れたから私が伝えることになったのに、伝える状況にも条件を付けるとかひどいですよ……」


 あ、これ大丈夫そうだ。


「伝言ってどんな内容ですか?」


「中に入ってオークションの説明が終わってからお話しします。それではまずは中に」


 俺たちは多少は緊張を解いて後についていく。まあ完全に解いたわけじゃないけどな。






「こちらが一般座席にございます。メイさんたちはこちらの区画の席に座ってください」


 クレリアさんに案内されて中に入ると、そこは中心がくぼんでいて、山を逆さにしたような形で、斜面がすべて座席になっていた。座席の色は全て統一されてされていたが、一部の物には布が取り付けられていた。また、ある程度の大きさごとに柵が設けられており、それが区画分となっているようだ。

 一番大きな区画は一般の区画で、そこから1列間を空けて左右に分かれている商人の区画、そして2列間を空けてすべてが布のついた座席の貴族の区画だ。数的には一番少ない。


「列が空いているのは通路という意味合いもあるのですが、それ以上に身分や職業の違いでトラブルが起こらないようにというが大きいです。貴族様の隣に一般の方を座らせて以前色々と起こったらしく、間に商人の区画ができました。商人と貴族は関わることが多いですからね。さすがに貴族様と言えどよほどの無茶は通せないので」


 貴族と言えど物がなければ何もできないからな。商人に連携されて物が購入できなくなったら終わるわけだ。この商人の町ともいえるキーンの町では致命的だ。


「1人1つずつ札を渡されます。これがなければ参加することができません。席を離れる時は係員にお返しください」


「私たち基本見てるだけの予定なんですけど……」


「その場合も札はお持ちください。札の数と通路を除いた座席の数は同じになっていまして、中に入れる人の数の調整の意味も兼ねているのです。席の数以上に人を入れてしまうと、どうしても他の区画の席に座ろうとする方がでてきますので、あまりよろしくないのですよ」


「柵を乗り越えていくやつがでるかもってことですか」


「そういうことです。では入札の方法を説明しますね。基本的にオークションは商品の運び込み、説明、最低金額の提示が行われてから入札となります」


「最低金額って入札開始の金額ですか?」


「そうですね。入札の際に上げる金額の最低金額は統一されていますが、最高金額はありません。しかし、あまりに突然大きく上げようとしますと商人たちからにらまれる結果になりかねませんのでお気を付けください。最低金額は銀貨1枚、商人たちが問題視しない最高金額はその時の入札価格の2倍までです。金貨1枚であれば二倍の金貨2枚までは増やせるので、金貨3枚までは大丈夫ですが、金貨4枚となると少し顔をしかめる人が出てきます。以前金貨1枚からいきなり金貨10枚まで上げた方がいまして、その時は商人の多くが手を組んで最終的に金貨378枚で落札されました」


「高!!」


「その方の全財産の6割近い金額だったそうですよ。本来なら金貨15枚あれば普通に落札できそうな品物だったんですけどね。あまり起きないことですが、一応気をつけてください。私が言うのもあれですが、商人とは恐ろしい存在ですから」


 確かに商人であるクレリアさんが言うことじゃないな。


「値段の確定は入札を行う人が一定時間で1人になった時、司会の担当が区切りを入れるのでその後にいくら入札しようと関係ありません。終了の合図が出ましたら、その時点でその商品はあきらめてください」


「受け取りはどうすればいいんですか?」


「競り勝った時点で一度ドームの外に出ていただきます。担当の者が関係者入口に案内しますのでついていってもらって、支払いと商品の引き渡しを行います。この時は札は返さなくて大丈夫です。引き続きオークションに参加される場合は担当者におっしゃっていただければ元の席まで案内します。お帰りになる場合は札を返却してください」


「商品って預けておくわけにはいかないんですか? 奴隷を買った時とかにまだ続けて参加しようと思ったら連れたまま参加とかできないですし」


「それは大丈夫ですよ。その場でそのことを伝えてもらえば預かることは可能ですので。ちなみに、仲間に残ってもらい、お目当ての商品を買ってもらうという方も多くいますよ」


「お金はメイがまとめて持っているつもりだから私たちがっていうのは厳しいかな?」


「分けて持っておくか?」


「それはやめといた方がいいと思うよ。どれくらいの値段になるのかまったくわからないし、会場でお金を渡したりもしてられないでしょ? だからメイが持ってるべきだと思うよ」


「そうですね。私もそれがいいと思います。1パーティ分のお金を1人がすべて持ち歩くというと危険だと思う方もいるかもしれませんが、この地下においてはそれはあり得ません。このドーム内と、その周り一帯は階段を含めてオークション中ずっと元と現役、ともにランクB-以上の冒険者が少ない時でも20人、多い時は60人体制で見回りを行っています。その状況で悪さを行うような人はほとんどいませんよ」


 60人ってこの規模ってことを考えたら多いのか少ないのか微妙だな……。


「オークションに関して他に何か質問はありますか?」


「今のところはないですね。それじゃあクラインさんの伝言を教えてください」


「はい。簡単に言ってしまえば、キャラビーさんにあなた方が入札された場合、その時点であなた方への賠償金は0になるということです。これは、不当な値段のつり上げなどを防止するために行っております」


「それって依頼とかしてやればわからないんじゃないんですか?」


「そのあたりは問題ありません。クライン様が対応策を持ってらっしゃいます」


「対応策って?」


「詳しくはお伝えできません。というより、私も知らないのです。知っているのはおそらくクライン様の周囲だけでしょう。私どもにはクライン様の持つ魔道具の力としか聞かされていません」


 魔道具か……。本当にそんなものがあるかどうかはわからないが、クラインさんは元Sランク冒険者だと聞いている。いろいろな魔道具とか持っていてもおかしくはない。そう思うようにしよう。


「クライン様は非常に多くの魔道具を持ってらっしゃいます。王にスカウトされる前に冒険で手に入れたものだったり、ここのオークションで購入なされたものだったり、他にも伝手で手に入れたものも多くお持ちしております。その種類も非常に多いと聞いておりますし、おかしくはないと思います」


「Sランクともなると多くのダンジョンに潜ってそうですしね」


「過去にはクライン様1人でダンジョンを攻略したという記録も残っているくらいですからね」


 1人でダンジョン攻略とか……あ、俺もしてるわ。


「まあ、そういうわけですので、入札する予定がありましたらよく考えてくださいね」


 考えた結果入札するっていう結論に達したわけだがな。


「説明はこれくらいですね。それでは地上に戻りましょう。私もクライン様に連絡を入れなければいけませんから」


「ならついでにクラインさんに入札するってことを伝えてもらえませんか? もう決定してますから」


「よろしいんですか?」


 二人もうなずいてるし問題ないな。


「ええ。俺たちにも事情があるんですよ」


「……詳しく追及はしませんが連絡はしておきます。ですが、そうでしたらカピチュはどうなさいますか? お金をあまり使うわけには」


「買います」


「え? しかし」


「買います」


「よろしいの――」


「買います」


「……わかりました。私どもとしても売れることは喜ばしいことですしね」


 その後、俺たちは地上に戻ってクレリア商会でカピチュを購入して宿に戻った。今はまだ昼だし、ご飯を食べてから、どうするか話し合った。




どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 冒険者 Lv69/99

 武闘家 Lv47/60

 薬剤師 Lv35/60

 鬼人  Lv18/20

 聖???の勇者Lv10/??

 狙撃主 Lv32/70

 獣人  Lv8/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60

 ローグ Lv1/70

 重戦士 Lv1/70

 剣闘士 Lv1/60

 神官  Lv1/50 』


会場の下見はこれでおしまいです

かなりたくさんの誤字報告をしてくださった方がいらっしゃったので順に直していきます。


そういえばブックマーク9000超えていました

ありがとうございます!!

この調子で10000を……超えるといいなぁ……

これからもよろしくお願いします


ではまた次回

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ