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到着です

 休憩を挟んで馬車は丸一日進み続けた。そして昼過ぎになって、無事にキーンの町に到着したのだった。


「ここがキーンの町か……」


 俺たちがあたりの光景を見ていると、ボクソさんがやってきた。


「アライエの町とはまたちがっているでしょう? あそこがコロシアムを中心とした町であるなら、こちらは商業を中心とした町。商業都市キーンとでも呼びましょうか」


 馬車からでて、まず最初に目に入ってきたのは露店だった。いくつもの露店がそこそこ広い通路の両端に競うようにして並んでいるのだ。と言っても、建物の入り口付近や通行の邪魔になるような場所には一切存在せず、どの店も大きな布に商品を陳列している状態だ。門のところで身分証明書としてギルドカードを提示したときにはこのような光景は見られなかったので、今見て驚いている。


 このキーンの町は、領主だけでなく、住民や商人が町の運営に参加できるという異例の町である。

 領主であるマート・キーンは生粋の商人で、町の運営は、マートを含めた4つの大商会のこの町におけるトップたちと、冒険者ギルドのギルドマスター、それから、市民団体のトップ数人によって行われている。理由としては、マートが全てやろうと思うと、忙しくて自分が商売に参加できないからという理由からであるが、この方法がこの町にいる商人たちや住民たちからは好評で、初めこそもたついたものの、今となっては当たり前のような感じになっているらしい。

 ギルドが権力に関わっていいのかという問題も当然あった。そもそも商人というのは商人ギルドに入っているものが8割以上だ。当時、商人ギルドのギルドマスターをしていたマートが領主になった時も大いにもめたが、そこはマートの交渉力でなんとかしたそうだ。今も両方を兼任しているそうだが、完全に両者を分けて対応しているそうで、ギルドマスターとしての場で領主の権限を使ったことも、領主としての場でギルドマスターの権限を使ったこともない、この世界において珍しい部類の人だ。

 冒険者ギルドに関しても、商人だけで決めていては冒険者のことはどうしたらいいかわからない。しかし、少し離れたところとはいえ、すぐ近くにダンジョンという魔物を生み出す巣窟のような場所があると、商人は落ち着いて商売ができないし、住民も安心して住むことができないから冒険者を邪険にするわけにはいかない。彼の考えには関わらせないという選択肢はなかったそうだ。

 そのため、この町にいるギルドマスターは、必ず王都にある冒険者ギルド本部から派遣される。少なくとも権力を悪用するような者は認められず、厳正な審査の下で選ばれるらしい。審査内容は公開されていないが、これまで悪用しようとしたものは1人もいなかったそうなのでしっかりとした審査なのだろう。


 町は、大きな通りが多数あるが、アライエの町のように中心となるコロシアムと門をつないだりとかそういうのはなく、道がはっきり言えばめちゃくちゃに存在する。それでも迷わないのだからすごい。

 東西南北の4つの門の近くと中心の一区画が居住区で、残りは全て商業区になっているらしい。また、露店を出していいのは商業区のみになっているとのことだ。だから門の近くには露店がなかったんだな。

 しかし、居住区と商業区の境となるようなものはないので曖昧になっているのが現状であるらしい。区分けがあいまいだからと、居住区に露店を出させないように、商業区の中でもこのラインまでは露店をだしてよいという線が引かれているそうだ。そこを超えて露店を開いていると、すぐに警備兵などがやってきて撤去させるらしい。

 ここの町にいる商人の大半が、抵抗したら商品はすべて没収という重い罰があるを知っているため、新しく来た商人で知らずにやろうとしているのを見たらできる限り注意してやるというのが暗黙の了解だ。と小声で教えてくれた。

 なぜ小声なのかといえば、あまりにもひどいふるまいから商人たちの中のブラックリストに載ってしまった者も数人ではあるが存在するかららしい。全員過去に商人ギルドから除名勧告を受けた人たちだとも教えてくれた。


 居住区が門の近くにあって魔物は危なくないのかとの心配もあるそうだが、商人ギルドとして出している警備兵と、領主として出している警備兵がともに門には常駐しており、それ以外にも、冒険者ギルドには、常に町の周辺地域のモンスターの討伐依頼が相場より少しだけ高めで出ているので、門の中にモンスターが侵入したことはないらしい。一部の商会ではランクB+の冒険者を抱え込んでいて、この町で活動させているところもあるとボクソさんから聞いた。


「メイさんたちはこの後どうなさいますか? クレリア様に案内を頼んでいらっしゃいましたが、宿の案内はどうしましょうか?」


「んー……二人はどうしたい?」


「私は先に宿に行っておきたいな。場所も確かめておきたいし」


「クレリアさんも自分の商会に行かないといけないだろうし私も宿が先でいいと思う」


「ならきまりか。クレリアさんに案内は明日でもいいか聞いてくるわ。少し待っててください」


「大丈夫ですよ。お客様を待たせるのは商人ではありませんが、お客様に待たされるのは商人の宿命ですから」


 ボクソさんにすみませんと頭を下げ、クレリアさんに明日の予定を尋ねる。すると、明日はオークション会場のほうに行く予定だったそうなので、説明を頼んだ。クレリアさんも、そのつもりだったそうで、逆に今日でなくてよかったと言っていた。明日の朝8時にクレリア商会の店に行くと伝えて俺はボクソさんの下にもどった。


「お待たせしました。クレリアさんも明日でいいそうなので宿への案内をお願いします」


「かしこまりました。ハンヴァさんたちもすでにむかったようですしこちらも行きましょうか」


 ボクソさんの向けた視線の先にはすでに小さくしか見えていないワエウバさんと、ハンヴァたちと、違う馬車に乗っていた仲間だろう3人を合わせた6人を案内するモンガさんがいた。ワエウバさん足速いな。


 俺たちはボクソさんについて宿に向かった。









「こちらがヤールの宿です。設備は値段と比べたら上等なものですよ」


 案内されたのは馬車を降りてから10分ほど歩いた通りにある建物だ。この通りも多くの露店があり、後で見て回ろうと思う。周りの建物と比べたら少し大きいくらいの、石造りの建物で、でかでかとヤールの宿と書いてある。わかりやすいな。


「いらっしゃいませー、とボクソさんでしたか。すでに部屋は用意してありますよ。2人部屋が1つと1人部屋が1つですよね? 先ほどいらした6人もすでに部屋に案内してあります。ここからは僕がやりますよ」


「頼みますねガザ。それでは皆様、私はこれで失礼します」


「ありがとうございました」


 ボクソさんは軽く一礼するとすたすたと通りのほうに戻っていった。


「さて、すでにワエウバさんから話は聞いております。メイさんとマナさんとヒツギさんですね? 僕はヤール商会、ヤールの宿担当のガザと言います。さっそくですが宿の部屋に案内させてもらってよろしいですか? 部屋を見ていただいて、満足していただけなければ無料で解約しますので」


「はい。おねがいします」


「では先に2人部屋のほうから案内させていただきます。どうぞこちらに」


 俺たちはガザさんの後について部屋にいった。




 結論だけ言えば、この宿に泊まることにした。

 部屋は十分に広く、1人部屋でもハウステントを出せるくらいのスペースがあったし、ベッドもしっかりとしていた。値段もアライエの町の宿よりも少しだけ高いくらいだった。ご飯も朝晩はついてきて、前日に伝えておけば、1人につき銅貨15枚で弁当もつくってくれるそうだ。当日になると弁当ではなくランチになるそうだ。いぬいぬ亭よりは高いがそれでも串肉3本分の値段で弁当を作ってくれるというのはいい。そう考えるといぬいぬ亭って実は大赤字なんじゃあ……。いやこれ以上はやめておこう。

 お昼時ということもあって実際に食べてみたが普通にうまかった。これも大きな要因だ。むしろこれが最大の要因かもしれない。



 とりあえずオークション翌日までの5日分の金額を払い、宿を出た俺たちは、クレリア商会の店の場所だけ確認して、それぞれ露店をまわることにした。何か掘り出し物でもないかな? 期待を胸に通りを歩きだした。


どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 冒険者 Lv69/99

 武闘家 Lv47/60

 薬剤師 Lv35/60

 鬼人  Lv18/20

 聖???の勇者Lv10/??

 狙撃主 Lv32/70

 獣人  Lv8/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60

 ローグ Lv1/70

 重戦士 Lv1/70

 剣闘士 Lv1/60

 神官  Lv1/50 』

今回は説明が長々と書いてあります。

こういうの書くの苦手です。どこで区切ればいいかわからなくなる……


次回

メイのぶらり散歩

マナのしっかり散歩

ヒツギののんびり散歩

の3本です!!


冗談です。3人分とか1話にまとめられないです。


ではまた次回

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