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一般の部 決勝です6


 俺がベルセルとの話の後、試合を直接見れるところまで通路を戻ったのとほぼ同じタイミングで準決勝の第1試合、天上院古里VSフェイグラードの試合が始まった。

 フェイグラードはこれまで通りマントを羽織って両腕に籠手と、殴る部分がギザギザになっているメリケンサックをつけている。

 対する天上院は1回戦2回戦と同じ格好で、やはり聖剣ハルを腰にさしている。

 先に仕掛けたのはフェイグラードだ。地面をけって天上院に接近する。対する天上院は剣を構えてフェイグラードを迎え撃つ体勢だ。

 フェイグラードが天上院を真正面から殴り付けた。天上院はそれを剣で受け流す。その流れのまま横薙ぎにフェイグラードを狙うがフェイグラードが距離を取る方が早かった。剣は空を切る。


「剣閃!」


 天上院が剣を返すのに合わせてフェイグラードに斬撃を飛ばす。それをフェイグラードは両手を頭上で組んで殴り付けて叩き落とした。斬撃を叩くってなんなんだよ。

 再びフェイグラードが天上院目掛けて走る。今度は直前で地面を強く蹴って上から天上院を殴り付けた。天上院はそれをバックステップでかわすが、それを追うようにしてフェイグラードの拳が迫る。天上院がかわすごとにフィールドにへこみができていく。フェイグラードの攻撃力の高さがうかがえるな。

 そして幾度目かの回避の時に天上院が大きく距離をとった。


「1ついい?」


「なんだ? 勝負の最中におしゃべりたぁずいぶん余裕だな」


「あなたはなぜスキルをつかわないんだ?」


「そんなもん俺の推薦者の希望だからに決まってんだろ。スキルも魔法も使わなくてもここまで戦えるってことを息子に見せてやりたいんだとよ。俺自身そいつにも会わせてもらったし、その時にすべて聞いた。俺はバリエル様のお気持ちに共感しているし、その優しさに応えてやりてえ。だからこそ、鍛えぬいたこの体(俺自身)の全力で勝負に勝つ!」


「……そうだったのか。でも、僕は勇者なんだ」


「それがどうした?」


「僕は負けられないんだよ」


 天上院が攻勢に出た。聖剣ハルをかざしながら魔法の詠唱を始める。


「『我が身は2つ、2つは1つ、交わりてこそ意味を成す』ダブル!」


 天上院の隣にもう1人天上院が現れた。そして天上院と分身の天上院が重なった。


「『ダブル』は勇者だけが使える特殊魔法。ほんとは決勝で使おうと思ってたんだけど、あなたに勝つためにこれをつかわせてもらうよ!」


 天上院がフェイグラードの後ろから(・・・・)切りかかった。

 フェイグラードはそれに間一髪反応して剣を腕の籠手で防ごうとした。しかし、剣は難なくその籠手を切りさいた。鋼鉄でできた籠手があっさり切られたことでフェイグラードに動揺が生まれた。

 天上院はその動揺を逃さず攻勢に出た。


 天上院の聖剣が振るわれ、フェイグラードがメリケンサックの付いた拳でそれをはじく。その腕にすでに籠手はなく、無残にばらばらになって地面に落ちていた。なんとか攻撃をはじいているものの、腕はもう血だらけで、メリケンサックにもひびが入っていた。

 そしてそれから数度目の防御の際、右手にはめたメリケンサックが砕けた。そのことでフェイグラードが大きく距離をとる。


「くそ。壊れたか……」


「ギブアップしたらどうですか? これ以上やっても結果は見えてるでしょう?」


「あきらめるなんて簡単なことするわけがないだろう? 俺はこの逆境でも自分を貫く!」


 フェイグラードが天上院との距離を詰める。そして天上院に攻撃を仕掛けた。









『決まったぁああ! 今大会、1人目の決勝進出者は……天上院古里選手!!』


「「「「「「わぁあああああ!!」」」」」」


 フェイグラードの最後の猛攻もむなしく、結果は天上院の勝利だった。 

 防御を捨て、とにかく最後まで攻め続けたフェイグラードだったが、最終的には天上院の攻撃をまともにくらい、光の粒子となってリタイアした。

 フェイグラードは最後の最後までスキルも魔法も一切使わなかった。天上院の使うスキルの猛攻を己の技のみでしのいでいたのだ。戦ってみたかった……。


 天上院が通路に下がった。広場の修理がぱっぱと行われる。

 俺は串を取り出して食べながらそれが終わるのを待った。







 修理が終わってフィールドに出ると、ほどなくしてアイもやってきた。


「予選を見てからあなたとは一度話したいと思ってたの。まさかここで話せるとは思わなかったけどね」


「俺は特に話すことはないんだがな。あんたにばらされたし」


「さすがにあれは彼がかわいそうよ。彼魔法なんかほとんど使えないだろうし」


「そう言われるとなぁ……」


「ふふふ、あなたも彼みたいに氷漬けにしてあげましょうか?」


「遠慮しとく。悪いけどそういう趣味はないし、俺に魔法は基本効かないんだわ」


「あら、ずいぶん大きく出たわね。今まで同じことを言ってきた人には何人も会ってきたけどあなたもその類なのかしら?」


「さぁな。俺はこの試合魔法しか使わないから」


「魔法の撃ち合いをしようってことね。のったわ。私が『魔女』と呼ばれている理由をその身で体感するといいわ」


 アイは離れていった。その時に『鑑定』をしてみたが、たしかに魔女と呼ばれるにふさわしい装備をそろえていた。魔力をあげる魔道具であるマジックイヤリングや魔力消費を抑える効果を持つマジックブレスレッド、相手の魔法の威力を抑えられるマジックネックレスといった魔道具を体のあちこちにつけている。しかも杖を持っており、その先には大きな魔石という石がはまっていた。あれ自体も魔法の威力を上げる効果を持つらしい。

 そういうのを見ていると何も持たず、ただのローブだけで、あとは普通の服の自分が恥ずかしくなってくる。大会終わったら少し探してみようかな……。




『お待たせしました! これより、準決勝第2試合、シャドウ選手VSアイ選手の試合を行います! 両者準備はよろしいですか?』


「ええ」

「大丈夫だ」


『それでは、試合開始ぃいいい!!!』


 試合が始まった。


「先手必勝よ! 『閉じ込めよ』アイスロック」


 開始早々にアイが使った魔法により、俺は氷漬けになった。


『スキル:アイスロックLv1を習得しました』


 ピキ


 氷が俺に触れていることで魔法を習得できた。そのまま氷は砕けて全て瞳に喰われていった。


「あっさり突破してくれるわね。なら『貫け』アイスニードル!」


 アイの周囲に展開した氷の棘が3本まとめて俺に飛んでくる。俺は右手を前に出してそれを止めた。


『スキル:アイスニードルLv1を習得しました。

 氷耐性Lv1を習得しました』


 耐性スキルも一緒についてきた。そろそろ攻めるか。


「もう一度よ。『貫け』アイスニードル!」


「『我が敵を貫け』ダークランス」


 アイスニードルの10倍の数の槍がアイを襲った。アイは後ろに下がりながら連続でアイスニードルを撃って迎撃している。いやさせないけども。


「『我が敵を貫け』ダークランス5連」


 追い打ちをかけるようにさらに5発のダークランスを放つ。アイの魔法の連続発動では到底耐えられない数だ。「嘘でしょ!?」とか叫ぶアイだったが、防ぎきれなかった黒い槍が続々とその体を貫いた。

 放ったダークランス全部がアイのもとに届くころにはアイはリタイアとなっていた。ずいぶんあっさり終わってしまった……。


『決まったぁあああ! 勝者はシャドウ選手! 早業ではあるものの、試合開始と試合終了がほぼ同時という事態が数度すでに起きている今大会では全然早く感じません! しかし、これで決勝進出者が出そろいました!』


 アナウンスに合わせるように空に、正確にはコロシアムの広場を覆う結界の天井部分に俺と天上院の顔が映し出された。まあ俺はローブ姿だけどな。


 それを見て、通路に下がろうとした俺だったが、係員がかけてきてこのままお待ちくださいと言われたからこのまま広場で待っていた。

 そして数分後、天上院が広場に現れた。



どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 冒険者 Lv69/99

 武闘家 Lv47/60

 薬剤師 Lv35/60

 鬼人  Lv18/20

 聖???の勇者Lv10/??

 狙撃主 Lv32/70

 獣人  Lv8/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60

 ローグ Lv1/70

 重戦士 Lv1/70

 剣闘士 Lv1/60

 神官  Lv1/50 』

いまだ体調がそんなにすぐれません。

なんでかな……


それはそうと、MFブックス部門で一次審査通過させていただきました!!

これも皆さまの応援あってのことです!

「べ、別にありがとうなんか言わないんだからね!」

と、意味もなくだーれーとーくーなツンデレをいれましたが、心より感謝しております。

今後も誤字脱字が多くあると思いますがよろしくお願いします


次回決勝戦!

ではまた次回

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