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従魔の部 決勝終了です


「ヒメ!」


「ソニックワイバーン!」


 開始と同時に二人とも声を張り上げた。そして同時に2体も動き出す。

 確認したわけではないが、俺もノノさんも考えていることは同じだろう。


 この戦いは長引かない。


 そもそも、ソニックワイバーンはそのスピードを活かした奇襲が恐ろしいモンスターだと思う。実際に戦ったことがないし、2戦しか見ていないからあってるかわからないが、ソニックワイバーンの動きは直線的なものだ。飛んでいる状態から一気に最高速度(トップスピード)まで加速する。そのときに、ただ加速しているだけではないっぽいがその辺は確定できたわけじゃない。

 パイフーにいた白虎がお腹一杯であったならあのスピードに追い付けるだろう。しかし、今のヒメには無理だ。

 だから俺は、ヒメにある命令をしておいた。


「かぁう!」


「嘘!? ソニックワイバーン!?」


 ヒメが高速移動中のソニックワイバーンを地面に叩きつける。ノノさんもそれに驚いて声をあげている。

 俺がした命令は単純だ。「目で追えなくなったらすぐに『不意打ち』で攻撃をいれること」だ。

 ヒメとソニックワイバーンのスピードを比べれば、圧倒的にソニックワイバーンが勝つ。その状態で攻撃を当てるにはどうしたらいいか。

 俺が思い付いたのは3つだ。1つはカウンターで迎撃すること。タイミングよく相手の攻撃に合わせて攻撃することで相手にダメージ与える。しかし、これは攻撃のタイミングと方向がわかってないとできない。

 2つ目は範囲攻撃で避けられない状況を作ること。しかし、ヒメにはそんな攻撃はない。『ファングショット』をばらまくことを考えたが、魔力消費とかその気になればかわせることから却下。

 そして3つ目が今やった方法だ。

 目で追えないなら追わなければいい。というか、できないならやらなきゃいい。下手に追おうとして、見失ったときに慌てて探そうとして隙ができるのはだめだ。その隙を突かれてあっという間にやられてしまう。キングスライムがいい例だった。まああれは感知する間もなくやられてたっぽいけど。

 『不意打ち』のスキルは、相手の周囲にワープするスキルと言い換えることもできる。背後に移動することが多いが、別に背後じゃなくちゃいけないというわけでもない。相手の上に現れたっていいのだ。移動し続けているから、移動と同時に攻撃をする必要があるが、外れたら外れたで問題はない。相手に、「もしかしたら相手はこのスピードを見切っているのかもしれない」と思わせることができれば十分だ。


 ソニックワイバーンが、上に乗っているヒメを暴れて振り落とし、再び宙に舞った。想像以上にダメージがあるようだ。


「もしかしてソニックワイバーンは体力が低いんじゃないですか?」


「そそ、そんなことないわ。飛竜種の上位種なのよ?」


 うん、わかりやすいくらい動揺したな。おそらく進化したときに、速度の一点だけに重きを置いて進化したのだろう。その際、おそらく体力だとか防御力だとかは成長しなかった。いや、むしろ退化した可能性もある。


「ヒメ、落ち着いて確実に削っていけ」


「ソニックワイバーン、上からの奇襲に気をつけて!」


 ソニックワイバーンが再びトップスピードで空を飛び始めた。そして再びヒメが『不意打ち』を使う。

 しかし、今度はヒメが飛ばされた。よく見るとソニックワイバーンの周りで風が鎧のように渦巻いている。あれに吹き飛ばされたようだ。

 俺が衝撃波だと思っていたものの正体は風の鎧だった。飛竜種というだけあって風属性の魔法の扱いがうまい。なぜ最初から使ってこなかったのか疑問に思ったが、体力の問題を考えれば、ただたんに魔力の消耗を抑えるためだと合点がいった。

 


「ヒメ、あれはそう長くはもたないはずだ。なんとかよけきってくれ!」


「ソニックワイバーン、たたみかけなさい!」


 そこからのヒメは回避に専念しようとした。しかし、ソニックワイバーン自体には当たらなくとも、その周りの風に吹き飛ばされ、少しずつダメージが入っていた。

 『不意打ち』は、一見、相手の周りに一瞬で移動できるずるいスキルのようだが、それは逆に相手のすぐ近くにしか移動できないともいえる。今回のように、体にまとって戦うタイプの敵には相性が悪い。もちろん、ヒメもそれはわかっている。だからこそヒメはそれをつかわずにかわしていた。けれども、ヒメの体は小さい。初めて召喚したときから少しも大きくなっていないのだ。対してソニックワイバーンは、攻撃するとき、まるでジェット機のように羽を大きくひろげながら突っ込んでくる。その大きさは2m~3mほど。いかにすばやく感知したところでかわしきれる大きさではないのだ。


 そしてついにその時が来た。ソニックワイバーンを覆う風の鎧が消えたのだ。ヒメもすでにふらついているが、ソニックワイバーンも息を荒らげていた。魔力が残り少ないのだろう。


 ヒメが唐突にその場で目を閉じた。あれは…『集中』か?

 ソニックワイバーンも、その隙を逃すまいと一気に高度を上げる。この一撃で決めると言っているかのようだ。


 ソニックワイバーンが、結界ぎりぎりの高さまで飛ぶと、ヒメめがけて一気に急降下し始めた。そのスピードは、これまでよりも速く、俺も目で追うことができなかった。

 そして、砂埃が舞い上がった。


「ヒメ!」

「ソニックワイバーン!」


 二人とも同時に声をかける。土埃によって隠れてしまって見えない。








「ク、クケカ、ッカ」


「くぁう」





 土埃が晴れた。


 結果は…


「クケェ」














 ヒメの勝ちだ。




「かぁああああああああああうううううううう!!!」


 ソニックワイバーンが光の粒子になってリタイアしていき、ふらふらしながらヒメが雄たけびを上げた。そしてぱたんと倒れて寝始めてしまった。


『決まったぁあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!! 今回の大会の、従魔の部優勝は………シャドウ選手と、ヒメ!!!!!!!!』


「「「「「「「「「「わぁああああああああああああ!!!」」」」」」」」」」


 会場は大歓声に包まれた。

 最後の最後、ヒメはソニックワイバーンのあのスピードを見切っていた。ソニックワイバーンの突撃をかわし、そののど元に食らいついたのだ。ワイバーンは、竜種の中では比較的防御の弱いモンスターだ。その中でも、首は最もやわらかい部分といっても過言ではない。ソニックワイバーンの防御の低さも相まって、その一撃が決定打となったのだ。



「お疲れ様ヒメ」


 俺はヒメのもとまで駆け寄ると、寝ているヒメをそっと抱え上げた。それだけ疲れたのだろう。何度か頭をなでると、すぐにヒメを帰還させた。


「あーあ、負けたわ。まさかあのスピードを見切られるなんてね」


「ノノさん」


「私自身目で追えないからどれくらいなのかわからないけど、最後の攻撃があの子の最高速だったんだと思うわ」


「たぶんそうでしょうね。俺も目で追えてませんでしたから」


「ヒメちゃんだけが追えたってわけね。ともかく、優勝おめでとう」


「ありがとうございます。ヒメにもご褒美あげときます」


「そうしてあげて。祝勝パーティでもやるなら私も呼んでね。もちろんネネも」


「まだ俺自身の戦いが残ってるのでやるとしても一般の部の後ですけどね」


「そういえばそうだったわね。私は先に帰らせてもらうわ」


「お疲れ様です」


「またね」


 ノノさんは通路のほうへと歩いていった。かわりというわけではないが、係員がこちらに走ってきた。


「シャドウ選手、準備の都合もありますので、表彰式は一般の部終了後に一緒に行います。ですので、本日はこれで終了となります。優勝おめでとうございます」


「わかりました。ありがとうございます」


「シャドウ選手は一般の部でも決勝に進出してらっしゃいますので忘れることはないかと思いますが、念のため、忘れないようにお願いしますね」


「わかってます。じゃあ失礼します」


 俺は通路のほうへと下がっていった。





「ようやく来ましたわね。この私を待たせるなんてありえませんわ」


 広場から続く通路の途中で、あのヴァルミネという女がいた。

どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 冒険者 Lv69/99

 武闘家 Lv47/60

 薬剤師 Lv35/60

 鬼人  Lv18/20

 ????の勇者Lv10/??

 狙撃主 Lv32/70

 獣人  Lv8/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60

 ローグ Lv1/70

 重戦士 Lv1/70

 剣闘士 Lv1/60 』

決勝が終了しました!


ではまた次回

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