私のための従魔の部ですわ!
今回はメイの視点ではなくヴァルミネさんの視点です
私の名前はヴァルミネ・カク。偉大なるカク家の次期当主となる身ですわ。
現在は、私の勇者である天上院古里様たちとともに魔王討伐のための旅をしておりますわ。
とは言ったものの、今は旅はしばしのおやすみ。このアライエの町で行われている武闘大会に出場して、この先の町で行われるオークションにて、ある奴隷を購入するためのお金を稼いでいますの。一般の部では古里様とバラーガが、獣魔の部では私のみぃちゃんが出場していますの。これで両方の部で優勝賞金を得ることができますわ。
予選はあまり見てこなかった私たちですが、決勝は第一試合からすべてみることにしたのですわ。決勝に残っているモンスターたちには上位種も多く、その戦い方は私たちの今後の戦闘に必ず役に立ちますもの。現に、キングスライムの体内召喚や、ソニックワイバーンのスピードは警戒に当たりますし、あのシャドウとかいうローブの男の獣魔の召喚したモンスターも警戒がいりますわ。みぃちゃんなら大丈夫でしょうけど。
まぁ、戦うことがありましたら、隷属させてしまうのもいいでしょう。どちらにせよ、私が優勝するのだからこんな大会あって無いようなものですが。
私は多少時間に余裕をもってコロシアムの広場に出ました。既に相手のタミアとかいう、私が優勝できないなどと言った男が来ており、パラウルフを撫でていました。私を待たせないために早く来たのですわね。いい心構えですわ。
「逃げずに来たんですのね。てっきり戦わずに不戦勝になるかと思いましたわ」
「んな真似しねぇよ。まぁ俺とこいつじゃ勝てないだろうがいい経験になる」
「あれだけ大口をたたいておきながらもう敗北宣言とは滑稽ですわ。それど、あなたの自慢のパーティーメンバーも全員負けてしまって自信をなくしましたの?」
「二人が負けるのは想定外だったがそれとこれは関係ない。少しでも得るものを得て負けるさ」
「せいぜい頑張ることね」
私は結界を出ました。
試合の結果は当然私のみぃちゃんの勝利で終わりました。まあ負けるはずがありませんわ!
残念ながら隷属の首輪の効果は発動せず、隷属させることは不可能でした。動きが素早いから動く的を狙う練習台にする予定でしたのに。狂ってしまいましたわ。
私は、観客席で私の試合を見守ってくださっている古里様のところへ急ぎました。
「ヴァルミネ、すごかったよ。初戦突破おめでとう!!」
「ありがとうございます! 私とみぃちゃんにかかればあれくらい楽勝ですわ。このままの勢いで優勝もいただきますわ!」
「油断はするなよヴァルミネ。今回の大会は実力者が多いと聞く。なかなか骨のありそうな従魔を連れている奴らが多いからな」
「あなたに心配されなくても大丈夫ですわ。みぃちゃんと私が負けるわけがありませんもの。それよりあなたこそ明日の試合で油断して負けるんじゃありませんの?」
「なんだと?」
「まあまあ二人とも、そんな喧嘩しちゃだめだって」
「…古里がそう言うならやぶさかではありませんわ」
そうして私は席に座ると次の試合を待ちました。
「次の試合はキングスライムとソニックワイバーンだったか?」
「そうだね。まさかあそこでモンスターの進化が起こるなんて思いもしなかったよ」
「モンスターの進化なんてそうそう見れるものではありませんわ。私も初めて見ましたもの」
「あたいは前にウルフの進化を森の中で見たことがあるぜ。あの時はウルフがハイウルフに進化してた」
「俺も見たことはないな。俺はもともと対モンスターよりも対人のほうが多かったからな」
「バラーガさんは騎士ですし、しょうがない、です」
「私はリッチが生まれるところくらいでしょうか。神が私に与えた試練と思いなんとか浄化に成功しましたが、あれは大変でした」
そんな話をしていると、13時の鐘が鳴り響きました。これから私が決勝で戦う相手が決まるんですのね。どちらが相手だとしても不足はありませんが戦い方を考える必要がありますわね…。
「ソニックワイバーン、キングスライムの体内召喚は侮れないわ。十分注意していってちょうだい」
「体内召喚は本来おまけのようなものなのじゃがな」
「そのおまけが一番脅威に感じてるってのは皮肉よね」
「ほっほっほ。たしかにその通りじゃな。キングスライム、速さに惑わされるでないぞ。しっかりと相手を捕捉するんじゃ」
『長らくお待たせいたしました! これより、決勝トーナメント準決勝第1試合、1回戦ではバロッサ選手のパラウルフキングを見事に打ち破ったキングスライム使いのジルビダ選手と、ネネ選手とのライバル対決を、従魔が進化を果たすことで見事に制した、ワイバーン使い改め、ソニックワイバーン使いのノノ選手の戦いです!』
2人の紹介が終わるとともに観客から大歓声が沸き起こりましたわ。この後私もこの大歓声を浴びることになるんですわね。いずれ魔王を古里様と討伐したときの王都での凱旋のリハーサルのようなものですわ!
『それでは…試合開始ぃぃぃいいいいいいいいえええええええええええええ!!!???!?!??!?』
アナウンスの係の人があまりに大きな声を出したことで耳が痛いですわ。
ですが、今の状況はそうなってしまうのも仕方ないと思えるような状況ですわ…。
試合開始の合図とともに、ソニックワイバーンが空に飛ぶところまでは確認できていました。それは間違いありませんわ。しかし、そこから先、まったく感知することができませんでした。次の瞬間にはソニックワイバーンはその場にはおらず、その鋭い爪をもった足に、キングスライムの核をもって最初に飛んだ場所とはかけ離れた位置に。
そして、キングスライムは光の粒子となってリタイアしてしまいました。一瞬の出来事でしたわ。
『え、えっと、一瞬のことでしたが、決勝進出者は、ノノ選手!!』
「「「「「う、うぉおおおおおおおお!!!!」」」」」
一瞬のためらいの後、大歓声が沸き上がりました。古里様とバラーガにはあの動きがなんとか見えていたようで、二人で今の動きについて真剣な表情で話しておりました。あぁ、その真剣な横顔も素敵ですわ!
それからだいたい40分もしたころ、私はコロシアムの広場に出ておりました。みぃちゃんは私のすぐ隣で座っております。その視線の先には、対戦相手のあのホワイトタイガーの子供がおりますわ。当然あのローブ姿のシャドウという男も。あの男は予選の時に私に銀貨を払うことを拒否したという愚か者ですわ。あのモンスターを隷属させて、たっぷりしぼりとってさしあげますわ。
「よく来ましたわね」
「お前には用事があるからな。俺がノノさんより先にあたることができるんだから運が良かった」
「私には用事なんかありませんわ。それよりあなた、さっさと負けを認めてくれませんこと? 勝負したところで結果はもう明らかですわ。たとえあなたがどんな眷属モンスターを召喚しようと無駄ですもの」
「まあ確かに結果は明らかだよな」
「ほらみなさい。あなたもわかっているようでしたらさっさと「ヒメが勝つに決まってるだろ」なんですって?」
「だから、結果はヒメの勝ちって見えてるだろ? そっちこそ負けを認めたらどうだ? そいつがヒメに屈する前に」
「言わせておけば!! みぃちゃんがそんな雑魚に負けるはずがありませんわ! 覚えてなさい! 隷属させた際にはお前の目の前でそいつをなぶり殺しにして差し上げますわ!」
私はこのムカつく男に背を向けて、結界の外に出ました。覚悟しなさい!
そしてやつが結界を出て少し経つと、14時の鐘が鳴り響きました。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
冒険者 Lv69/99
武闘家 Lv47/60
薬剤師 Lv35/60
鬼人 Lv18/20
????の勇者Lv10/??
狙撃主 Lv32/70
獣人 Lv8/20
狂人 Lv1/50
魔術師 Lv1/60
ローグ Lv1/70
重戦士 Lv1/70
剣闘士 Lv1/60 』
今回はヴァルミネさんの視点でした
色々とあれですが…
なろうコンの最終選考通過者が発表されましたね。
通過した方、おめでとうございます!
ではまた次回