従魔の部 決勝です3
第2試合が終わり次第、俺は1度コロシアムの外に出て串を20本ほど買ってからコロシアムの広場に通じる通路に行った。串だけで銀貨をすでに3枚使ってしまってるがまあいい。だっておいしいんだもの。先に広場に出ていてもいいと言われたが、まあ始まるまで時間もあるし通路でヒメと調整していることにした。
「ヒメ、これお前の分な。今は試合前だから5本くらいにしとこうな」
「かうかう」
アイテムボックスから取り出して1本ずつ口元に持っていくと、はむはむときれいに串を食べずに肉だけを食べていく。その様子を見ながら俺ものんびりとヒメと一緒に食べる。かぶりつく姿がこんなに癒されるとは。1時間ほど前のとある2名の口論を忘れさせてくれる。
「なあヒメ」
「はう?」
「とりあえず飲み込んでからでいいからな」
ほっぺに肉をため込みながら答えるヒメ。ほっぺをつつきながら食べてからにするように促す。あ、ぷにぷにだ。
「かう!」
「お、食べ終わったのか」
右手を上げて元気になくヒメ。たぶん「食べ終わったよー」と言ってるんだろう。いい子だ。
「ヒメ、もしかしなくてもだが、あのオーガエンペラーって俺が喰ったオーガキングとオーガたちが元になってる?」
「かう」
「やっぱりそうか…あの大剣見覚えがあったんだよな。つまり俺が喰ったモンスターをもとにパワーアップさせて眷属にしてるわけか」
「かう!」
「俺もあいつって召喚できるのか?」
「かうかう」
首を横に振ったヒメ。まあそう都合よくはないか。
「かぁああう!」
ヒメが突然俺の体を登りだし、頭をポンポンと数回たたくと右前足を高く突き上げた。
「……あ、きちんとあいつも倒せってことか?」
「かう!」
なるほど、今のオーガエンペラーとなったあいつを倒して俺を認めさせろってことだな。力が弱くなってるとか体が重いとかそういった感じはしないので、ヒメが使った(?)分のオーガたちから得たステータス上昇などは消えずに残っているようだから問題がないといえば問題はない。
「あ、ところでプラチナコングは眷属化してないよな?」
「かう」
あ、うなずいた。してないのか。てっきりしてるもんだと思ってたんだが…。
「その上位種とか亜種とか上位種亜種になってるからプラチナコングは眷属化してないってことじゃないよな?」
「…………」
ヒメ、無言で「早く広場に出ようよ」っていわんばかりに頭をポンポンするのはなぜだ? また俺は説明をしないといけないのか?
俺は試合後に訪れるだろうあの係員のマジな視線を浴びなければいけないことをほぼ確信しながら広場へと出た。
広場に出てしばらくヒメを腕に抱いて頭をなで続け、試合時間まであと10分くらいってなったとき、対戦相手のマーチさんがプラチナコングを引き連れて広場に現れた。
マーチさんのプラチナコングはかつて見たプラチナコングより若干大きく、2m半くらいはありそうだった。しかしその分太いとかそういうのはなく、細マッチョという感じだ。威圧感は向こうのほうがあった気がする。
「すでにいらっしゃいましたか。私はマーチと申します。あなたはシャドウさんでしたか?」
「ああ。ちなみにこいつはヒメという」
「かう!」
「元気な子ですね。予選の様子は見させてもらいましたが、なかなかあなどれませんね」
「そうか。ヒメはこう見えて強いぞ」
「あれだけのモンスターを従えているんですものね。それ相応の戦い方はすでに考えてあります。それではよい戦いをしましょう」
「ああ。よろしく頼む」
マーチさんは軽く握手をするとプラチナコングとともに結界のそばまで下がっていった。俺もそろそろ結界から出ないとな。俺はヒメを地面におろした。
「ヒメ、頑張ってくれよ。マーチさんには悪いが俺らの本命は次の試合だからな」
「かう」
「勝ったらまた串を食べような。まだ残ってるから」
「かう!かうかうかうかぁう!」
ヒメも相当気に入ったらしい。やっぱあの串買っておいて正解だったな。安い、うまい、多いと文句なしだ。もしかしたら一般の人からしたら安くないのかもしれないけど今は金がけっこうあるからこれくらいの出費なら平気だ。串屋のおっさんもさっき行った時に「何本買う?」じゃなくて「何十本買う?」って笑顔で言ってきたくらいだし儲けているんだろう。
俺が結界の外に出ると、それから1分もたたないうちに11時の鐘が鳴った。
『お待たせいたしました! 第3試合シャドウ選手VSマーチ選手、シャドウ選手は本人も決勝に残るほどの実力者で、従魔も予選ではオーガエンペラーというまったく未知のモンスターを呼び出すという、本人と従魔そろって驚かされます。しかぁし!! そのローブに隠された素顔やいかに!?』
残念ながらローブの下はゴーグルだ。
『対するマーチ選手は5人パーティ『狼の雄叫び』に所属する冒険者。パーティメンバー全員が従魔を持っており、そのうちバロッサ選手、タミア選手、マーチ選手の3人が決勝に進出しているという今後が楽しみなパーティメンバーです。そして美形で知られるエルフ!!果たして勝利するのはどちらになるのでしょうか。試合開始!』
なぜ容姿を比べたのかわからないが試合が始まった。
「プラチナコング! 速攻を狙ってください! あれだけ大きな魔方陣は展開まで少しは時間がかかるはずです。召喚される前に終わらせますよ」
「ウホ!」
プラチナコングが地面を強く蹴ってヒメに迫る。たしかにヒメは大きく雄叫びをあげることでほんの少しではあるが時間を稼いでいた。それを思えば速攻というのは正解なんだろう。しかし、対するヒメは動こうとしない。
「ヒメ! よけろ!」
「もう遅いですよ。プラチナコング、一撃で決めなさい!」
プラチナコングが大きく跳び、両手を組んで頭上に掲げた。落下の勢いを使ってダメージを上げる気か!
「ウホホ!」
プラチナコングが勢いがついてまるでハンマーのようになった腕をふりおろした。
「ウホ?」
「え?」
プラチナコングの腕が空中で止まっていた。いや、止められていた。
ヒメの目の前に予選で見た魔法陣とはまるでサイズの違う、直径で約2mほどの大きさしかない魔法陣が浮かんでおり、そこから金色の毛の生えた腕が突き出てそれがプラチナコングの両腕を止めていたのだ。
「プラチナコング、すぐに離れて!」
「ウ、ウホ」
マーチさんの指示でプラチナコングが後ろに飛び退く。すると、腕が一旦魔法陣の中に消えていった。そして今度は足が出てきて、それから全身が出てきた。
そいつは、魔法陣から出てくると、ヒメの前で腕を組んで仁王立ちした。
全身の毛はプラチナコングと違い金色で身長は1m50くらいしかなく、プラチナコングと比べてかなり小さい。まるで子供のようだ。違うところがあるとすれば頭の左右から湾曲した角がはえているところだ。
目を閉じうつむいていて、瞑想でもしているのだろうか?
そいつは唐突に目を開き、顔を上げるとプラチナコングをその視界に収めた。
「…………ゲヒ」
『ゴールデンオーガコングロード』
そいつは獲物を見つけたと口角をつりあげた。
どうもコクトーです
『刈谷鳴』
職業
『ビギナーLvMAX(10)
格闘家 LvMAX(50)
狙撃手 LvMAX(50)
盗賊 LvMAX(50)
剣士 LvMAX(50)
戦士 LvMAX(50)
魔法使いLvMAX(50)
冒険者 Lv69/99
武闘家 Lv47/60
薬剤師 Lv35/60
鬼人 Lv18/20
????の勇者Lv10/??
狙撃主 Lv32/70
獣人 Lv8/20
狂人 Lv1/50
魔術師 Lv1/60
ローグ Lv1/70
重戦士 Lv1/70
剣闘士 Lv1/60 』
ヒメはかわいい(確信)!!
ヒメの戦いでした
ですがまだ続きます
それが終わったら少し別の人の視点となります
ではまた次回




