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従魔の部 決勝です2

 第1試合はジルビダさんのキングスライムの勝利で終わった。パラウルフキングが麻痺を狙ってずっと攻撃をしていたのもびっくりしたが、それよりも体内に眷属を召喚していたというのはもっとびっくりした。パラウルフとは以前戦ったが、耐麻痺あげてたから麻痺狙いとか意味なかったんだよな。それがなくてもパラウルフは十分強かったけど。

 ノノさんとネネさんは試合が終わると喧嘩したまま観客席をあとにした。喧嘩に夢中だったのか、俺には気づかなかったらしい。気づいててスルーしたという可能性もあるけど。


「すごい試合だったね」


「ああ。あんな戦い方普通考えないからな」


「敵として出てきたときも気をつけないといけないね」


「まあキングクラスのモンスターとそうやすやすと戦いたくないがな」


 今までオーガキングとかキングアントとかそのほかにもキングクラスもその上とも結構戦ってきた気がするけど気のせいだよねうん。もうそんなにキングクラスと戦うことなんかないよね。


「メイが何を考えているのかなんとなく想像できる気がする。たぶん今後も強いモンスターとは戦うことになると思うよ」


「…勘弁してくれ…」


 こうなったらやけ食いしてやる…。アイテムボックスから串取り出しては食べ、取り出しては食べとどんどん数を減らしていく。あ、これ以上はヒメの分がなくなるな。危なかった…。


 そんなことをしているうちに第2試合開始の5分前となっていた。おかしいな…さっき第1試合が終わったところだったのに…。









 現在、コロシアムの広場には2体のモンスターが睨み合っていた。

 ノノさんの従魔であるワイバーンと、ネネさんの従魔であるランドドラゴンの2体だ。ワイバーンも今は地面に降りているが、試合が始まり次第空を飛ぶのだろう。

 ネネさんもノノさんもそんな2体のモンスターとは離れてフィールドの結界の外で談笑していた。やっぱ仲いいのか?


『さぁて、お待たせいたしました! 第2試合、ノノ選手VSネネ選手のライバル対決。ここまでの戦績は互いに2勝2敗。ここで勝ち越すのはいったいどっちなのか! 試合開始ぃいい!!』


 アナウンスが入り、試合が始まった。


「ワイバーン、飛翔!」


「ランドドラゴン、串刺しにして!」


 二人が同時に指示を出し、モンスターたちも同時に動き出した。

 ランドドラゴンは、右前脚を地面にたたきつけ、そこから土の棘がまっすぐワイバーンに向かって次々に垂直に飛び出てくる。対するワイバーンもあっという間に空に舞い、土の棘を回避していた。


「そう簡単には当たらないわよ」


「飛ぶ前に終わらせるつもりだったのだけど、まあいいわ」


「空は私たちのフィールドよ。ワイバーン、ランドドラゴンを焼いてしまいなさい!」


「ランドドラゴン、迎撃して!」


 ワイバーンが翼を大きく羽ばたかせ、エアロと思わしき風の砲弾をランドドラゴンに向かって撃った。ランドドラゴンも火の砲弾をはいてそれを届く前に爆発させる。爆発によっておこった煙で2体が一時的に見えなくなるが、すぐにワイバーンの起こした風で煙はかき消された。

 煙が晴れると同時に再び2体の攻撃が始まる。

 ワイバーンが放つ風魔法とランドドラゴンの火と土の魔法がぶつかり合い、お互い一進一退の攻防が続く。時折、迎撃しきれなかった攻撃がランドドラゴンを掠っていたり、攻撃が強力だったために風をおしこめてワイバーンにまで届いたりすることはあるが、どれも決定打にはなっていなかった。


「ええい、まどろっこしい! ランドドラゴン、全力放射!」


「ちょっとそれはないでしょ!? ワイバーン、全速力で回避して!」


 ランドドラゴンが迎撃を中断して魔力をためはじめた。ワイバーンもどこから攻撃が来てもすぐに反応できるように最大限まで高く飛び、鋭い目でランドドラゴンをにらんでいる。

 魔力をためている最中にランドドラゴンをせめ落とせばいいんじゃないかなと考えたが、ノノさんにはなにか考えがあるんだろう。戦闘しているところを2回しか見たことがなく、攻撃を受けるところはワイバーンの攻撃を何度か軽くくらっているところしか見ていないから体力がどれくらいあるかもわからない。もしかしたら攻めきれなかったときのことを考えたのかもしれないな。


 魔力をため終えたランドドラゴンが、のそりのそりとフィールドの中央に移動する。並々ならぬ雰囲気に、コロシアムにいる全員が静かにその様子を見守る。


「グゥゥゥガガガァアアアアアアアア!!!」


 ランドドラゴンが吼えた。

 ランドドラゴンは上空に向かって広範囲に大量の炎のブレスを吐きつける。同時にランドドラゴンを中心に、波状に広がるように土の棘が平らだったフィールドを棘だらけのフィールドに変えていく。それで終わりではなく、ブレスに隠れるようにして火の砲弾がいくつもワイバーンを狙っている。躱しきれそうにないほどの物量攻撃に、それを受けて地面に落ちた場合に助からないようにフィールドをいじる。ドラゴンという種族の持つ強大な魔力があるからこそできることだろう。まあランドドラゴンも辛そうだが。


 ワイバーンも中央から外に広がる炎を避けるように円を描いてフィールドを飛び回り、それを追う炎の砲弾から逃げている。だが、その速度は炎砲弾に大きく劣っており、その上、時おり後ろに迫る炎の砲弾を撃ち落したり、前から来た砲弾をよけきれずに突っ込んだりしているせいで余計に遅くなっている。


『これはすごいぃいいいいい!!! ランドドラゴンの圧倒的な攻撃を、よける、よける、さらによける! だが、これは厳しい!』


 必死によけるワイバーンだが、無情にも1発が翼を捉えた。

 それによって制御が取れなくなったワイバーンは、急に失速してフィールドに向かって落ちていく。



「ワイバーン! お願い、何とか持ち直して!」


「無駄だよ。棘に刺さって終了」


「まだよ!」


 ワイバーンはなんとか体勢を整えようと体をひねるも、片翼が完全に使えなかったためにうまくいかず、勢いは止まらなかった。

 そして、そのあたりを覆い隠すかのように土埃が舞った。



「ワイバーン!」


『これは決まったかぁあああ!? ランドドラゴンの作った棘に、まともに落ちていったぁあああ!!』


 土ぼこりでうまく見えないが、ワイバーンはなんとか耐えていた。直撃する直前になんとか土の棘を風の砲弾でへし折り、刺さるのだけは避けていたのだ。それでも大きなダメージがあることにはかわりないが。


「これでまた私の勝ち越しね」


「まだよ。まだ負けてないわ!」


 勝ち誇った表情のネネさんに対して、ノノさんの必死の叫びがワイバーンに届いたのか、舞い上がる土埃から何か大きな球体のようなものが飛び出した。


 みながなんだなんだと首をかしげてみる一方で、球体は空中にぴたりと停止して動かない。


「ねえノノ、あれはなに? ワイバーンにあんな攻撃があったの?」


「私も知らないわ。少なくとも私のワイバーンは風を使った攻撃はできてもあんな風に空中にとどめることも、自身が翼をつかわずに空中にとどまることもできなかったはず…」


 土埃が完全に晴れると、そこには折れた土の棘が残ってるだけだった。正確に言えば、地面にはワイバーンのものらしき血だまりができているが、ワイバーン自身はそこにはいなかった。『鑑定』でどこにどんな姿でいるかはもう知っているがこんなことってあるんだな…。


『むむ? ワイバーンの姿が見えないぞ? これはランドドラゴンの勝ちということか?』


 アナウンスもどこか困ったような感じだ。光の粒子になって消えたわけでもなく、ワイバーンが見当たらない。そりゃ困るわな。


 その時、空中に浮かぶ球体を中心に、風が集まりだした。周りのすべてを飲み込むかのように風の渦ができていた。

 そしてついにそれがはじけた。


「クケェエエエエエエエエ!!!!」


 その渦の中心から現れた1体のモンスター。そいつはあっという間にランドドラゴンに接近し、そのスピードを落とすことなく突撃して、ランドドラゴンのその巨体を光の粒子へと変えてしまった。


『き、決まったぁあああああ!!!!! 大、大、大逆転!! 勝利したのは、ノノ選手のワイバーン、改め、ソニックワイバーン!!!』


 一瞬の間があってコロシアムが歓声に包まれる。

 ノノさん自身も把握しきれずポカンとしている一方、戦いの中で進化(・・)を果たした、ワイバーンは、飛竜種亜種ソニックワイバーンとなって、ノノさんに勝利を捧げることとなった。




第2試合

ノノ VS ネネ


勝者

ノノ

どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 冒険者 Lv69/99

 武闘家 Lv47/60

 薬剤師 Lv35/60

 鬼人  Lv18/20

 ????の勇者Lv10/??

 狙撃主 Lv32/70

 獣人  Lv8/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60

 ローグ Lv1/70

 重戦士 Lv1/70

 剣闘士 Lv1/60 』

今回はノノさんとネネさんの試合でした

次回はいよいよヒメの試合です

試合の展開を考えるのが難しいです


ではまた次回

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 風使うワイバーンに燃やせって無茶な。 火の玉でも吐き出すのかと思ったよ? [一言] どんどん読み続けてます
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