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決勝前日です


「おかえりー。ヒメすごいの召喚してたね。オーガエンペラーなんて初めて見たよ」


「俺も初めてだよ。オーガキングならあるんだが…」


「ヒメちゃんががんばったんじゃない?」


「かう!」


 俺の頭の上にぽんと現れたヒメは右腕を上げて返事をした。お前はほんとに自由だよな。


「お疲れ様ヒメちゃん。がんばったね」


「かうぅうう」


 気持ちよさそうな声を出しているヒメ。頼むから俺の頭の上でやらないでくれ。俺も見たいんだよ!

 俺は撫でられつくしたヒメをおろして床に置いた。俺が床に座るのに合わせて俺の足の上にぴょんと跳びあがると、背を俺の体に預けて力を抜いて寝てしまった。疲れてたのか。


「ははは、寝ちゃったね」


「ねえメイ、第1試合の時何か起こってた? なんか様子がおかしいのは見ててわかったんだけどさ」


「『鑑定』してなかったのか?」


「だいたいのモンスターはヒツギが知ってたから解説してもらってたんだ」


「今日出てたモンスターならだいたい知ってたんだ。ただ知ってるってだけのもいたけど」


「そういうわけで使ってなかったんだ。でも『鑑定』ってことはアイテム関係の何か?」


「ああ。あのプラチナタイガーがはめていた首輪が『隷属の首輪』っていうやばいアイテムでな。なんで禁止になってないのかが疑問でならない。まあ天上院のパーティメンバーらしいからなんか勇者の権限とやらでも使ったんじゃないのか?」


「その可能性は十分にあるね。その首輪の効果が適用されたモンスターたちはどうなったの?」


「全員まとめてプラチナタイガーに吸収されてるよ。召喚も帰還も自由。しかも行動も思考も奪ってるらしい。ポールの火鼠のバルも奪われたうちの1体でな、奪われた人たち全員の前でバルに向かって中級下位クラスと思われる魔法をぶっぱなしやがったよ」


「だ、大丈夫だったの?」


「プラチナタイガーが防いでたからな。あのプラチナタイガー自身も何らかの方法で抑えられてるみたいだった」


「実力が足りてないのを隠してるってこと?」


「十分あり得るな。本人は自信満々だが実際魔力はそんなに高くなさそうだった。詠唱から発動まで見てたけど時間がかかりすぎだし魔力の操作も甘い。量と威力があってなさそうだった」


「なんでそこまでわかるわけ? 私の『力』なら魔法特化だからできるけど、メイの『力』は魔法特化じゃないよね?」


「うーん、わかんないが、職業的なことじゃないか? 俺今魔法使いレベルマックスになって魔術師になったし」


「え? メイって冒険者じゃないの?」


「冒険者は今69ってところだな。そういえば二人は職業ってどうなってるんだ?」


「あたしは冒険者の29レベルと魔術師の3レベルだよ」


「私は1回リセットされてるみたいだから今は冒険者のレベル10だけだよ。メイはいくつ職業持ってるの?」


「俺か? 俺はだな」


 『鑑定』で自分の職業を調べる。ビギナー、格闘家、狙撃手、盗賊、剣士、戦士、魔法使い、冒険者、武闘家、薬剤師、鬼人、狙撃主、獣人、狂人、魔術師、ローグ、重戦士、剣闘士、????の勇者だから


「普通の人は最大でも3つとか4つとかなんだよね。レベルマックスになって増えるまで1つって人がほとんどだし」


「私は昔7つだったかな?」


「すごいねヒツギ。メイ結局いくつなの? 4つとか?」


「……………………19こ。レベルマックスを外せば12こだ」


「……」


「……あ、明日はメイ試合何試合目だっけ?」


「た、た、たしか3試合目だったっけ?」


「お、おう。11時からの3試合目だ。開会式が終わったらどこかで集まって試合見ないか? 昨日も今日もばらばらだったし」


「それいいね! コロシアムの外で集まって、一緒に中に入ろうよ」


「コロシアムの中だと集まれるような場所ないしね。目印も少ないから難しいと思うよ」


「テレパス的な魔法が使えればいいんだけどな」


「うーん、たしか魔族が使えたと思うんだけど…」


「魔族にはあったことないな…」


「普通会えることなんかないからね」


「悪魔には遭ったけどね」


「そっちも普通じゃないよね…」


「まあ俺は死にかけてたけどな。魔法は機会があったらでいいや。じゃあ明日は開会式後にコロシアムの南口前に集合でいいか?」


「なんで南?」


「俺が出るのは南口からなんだ。他の奴らも全員バラバラに出ることになってる。1か所から出すと割と大変なことになるんだとか」


「近くで一目見ようと集まってきちゃうわけだね」


「そういうことだ。ばらしておけばだれがどこから出てくるかわからないから多少なりとも観客もばらけるだろうって考えらしいぞ。まあ俺のところに来るかって言われても来るやつなんかよっぽどの物好きだと思うけどな」


「全身ローブに包まれてて顔も何も見せてないもんね。唯一声が聞けたくらいかな?」


「係員の目がまじでお願いしますって語ってるみたいだったからな。俺自身もびっくりしてたんだけどあれでよかったんかな?」


「たぶん?」


「まあメイにもわかってないならあれ以外ないんじゃない? 気にしても仕方ないよ」


「まあそういうことにしとくか」


「明日も頑張ってねヒメ」


「…くぅうん……」


 ぐっすりと眠りながらも聞こえているかのように右手を上げるヒメ。プラチナコングを眷属にしてるかどうか聞き忘れたけどまあいいや。ヒメを起こすなんてことはしないでおこう。明日でいいよね。




 そしてその日は特に何もなく寝られた。決してヒメを帰したとたんに二人から襲われかけて部屋にこもって結界を張ったらりなんかしてないし、それで結界がパワーアップして強度が上がったなんてことはないからな!!






「じゃあまたあとでな」


 次の日、俺は2人より先にコロシアムに向かった。2人は開会式が終わったころに来るらしい。開会式はパスすると言っていた。まあルール説明を改めてする場所って意味合いが強いからな。


「シャドウ様ですね。お待ちしておりました。どうぞこちらへ」


 入り口のところで係員の人に話しかけられる。よくこの人混みの中でローブ姿の俺を見つけられるな。あ、逆にローブだから目立ってるのか。

 俺は係員の後についてコロシアムの中の通路を進んだ。





『さぁて、お待たせいたしました! 昨日までの予選はいかがだったでしょうか? 例年通り? 例年以上? どっちでもいいか。盛り上がりは最高潮! 今日から行われる決勝戦も、盛り上げていこうぜぇえええ!!!』


「「「「「「いえぇえええええええ!!!」」」」」」


 あいかわらず観客の歓声がすごいな。なんだか慣れてきた。


「では合図をしたら従魔を召喚して、広場の所定の位置までお願いします」


「わかった」


 それから、試合の順番になるように名前と従魔が呼ばれていく。

 ジルビダさんとキングスライム、バロッサさんとパラウルフキング、ノノさんとワイバーン、ネネさんとランドドラゴン、俺とヒメ、マーチさんとプラチナコング、ヴァルミネ・カクとみぃちゃん、タミアさんとパラウルフ。1人ごとにやたらと盛り上がっていて時間がかかったが、全員が広場に出そろった。


『彼らが今回決勝を戦うメンバーだぁあああ!!!』


 それからルールの説明と試合時間などの説明が行われ、観客がとにかく盛り上がりまくって、30分くらいで開会式は終わった。これから30分くらいして9時になれば第1試合が始まる。早めに外に出て2人と合流しないといけないな。試合が途中からしか見えなくなってしまう。

 俺は通路を進んだ。


どうもコクトーです


『刈谷鳴』

職業

『ビギナーLvMAX(10)

 格闘家 LvMAX(50)

 狙撃手 LvMAX(50)

 盗賊  LvMAX(50)

 剣士  LvMAX(50)

 戦士  LvMAX(50)

 魔法使いLvMAX(50)

 冒険者 Lv69/99

 武闘家 Lv47/60

 薬剤師 Lv35/60

 鬼人  Lv18/20

 ????の勇者Lv10/??

 狙撃主 Lv32/70

 獣人  Lv8/20

 狂人  Lv1/50

 魔術師 Lv1/60

 ローグ Lv1/70

 重戦士 Lv1/70

 剣闘士 Lv1/60 』


ゴールデンウィークですね

できたら2日に1回投稿とかしてみたいです

『できたら』ですからね!?


ではまた次回

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 係員が何をお願いしてるか分からないのですよ。
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