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 少女は好きで好きで仕方がなかった。

 あの目も鼻も唇も耳も髪も腕も手も胸も背中も腰も足も唾液も血も何もかもが、存在自体が、この世の何よりも価値があると気づいたのはいつからだったろう。

 自分自身で自覚している以上にあの少年を自分のものにしたいと思っていたのかもしれない。

 好きだ? そんな言葉では足りない。

 愛してる? その程度の気持ちではない。

『好き』『愛してる』なんて『言葉などでは伝えられない』レベルの気持ちだった。覚悟だった。恋心だった。本当にずっとずっとずっと一緒にいたかった。自分だけがあの少年の傍でずっと笑ってたかった。自分だけがあの少年と会話して、触れ合って、いつかは結婚したいと本気で願っていた。

 しかし。

 願っていただけだった少女の気持ちはついに覚醒する。

 願うだけでは少年は手に入らない。好きだと思っているだけでは少年は自分を見てくれない。愛しているだけでは少年は自分のものにならない。

 だから行動するしかない。

 少年と添い遂げたいのなら行動するしかない。

 何を捨てても傷つけても壊しても―――殺してでも少年は自分のものにする。

 それが少女の覚悟になった。

 それが少女の行動理由になった。

 これは―――少年を愛しすぎた少女のお話。

 恋が悲劇をもたらした少女の悪人話である。

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