正真正銘の怪物と怪物の激突
フェニックス。
永遠の時を生きるという伝説上の鳥である。
フェニックスの涙は全ての傷を癒し、血を口にすると不老不死の命を授かると云われている。不死鳥、もしくは見た目または伝承から『火の鳥』とも言われる。数百年に一度、自ら香木を積み重ねて火をつけた中に飛び込んで焼死し、その灰の中から再び幼鳥となって現れるという不死の怪物だ。
そう。
不死身、という部分が上岡には気に食わなかった。
「……不死身の立場に立つ人なら、もうとっくに決定してるんですよねぇ」
高度は千メートル。
天空に浮かぶ城が真横に見える空で、一人の男が柔和な笑顔を浮かべていた。上岡真という化物だ。千の怪物を凝縮することで誕生した、名前も伝説も何も持っていない新種の怪物。その力はあまりにも絶対的で、どうしようもない程に強力な破壊の魔神だった。
空に浮遊する彼は、もはや獲物だけを視界に収めていた。
不死身の炎の鳥。つまりフェニックス。
翼を広げれば百メートルほどのサイズを誇る、巨大な炎の鳥がそこにはいた。
「まぁ。僕も反則的な怪物なので言えることじゃないんですが。死なない属性はうんざりですよ。でもねぇ……。やっぱり最初に言っておきますけど、不死身だからって調子に乗ってそうなんで申し上げますけど」
首の関節をコキリと鳴らした。
怪物で構成された怪物は、その笑顔をドス黒く染め上げて宣言する。
「僕に理論は通用しません。理も常識も理屈も全て無意味ですよ」




