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破壊の恐怖

 大柴亮は廊下の角を曲がりきり、階段を一気に飛び降りた。ここは二階。既に一回の鎮圧は己の手で完了させているので、下の階には敵が誰もいないことは分かっていた。

 これも前もっての準備。

 確実に安全な場所を作っておくことで、逃亡の際にルートとして活用する。

 しかし。 

(ッぐ!?)

 ゴガッッ!! 階段を飛び降りて一階に着地した瞬間、階段自体が粉々に消し飛んだ轟音が炸裂する。あと少し時間が遅れていれば、間違いなく自分も死体へ成り果てていた。

 再び走る。

 とにかく遠くまで逃げるしかない。

(くそが!! 何なんだよあのトンデモ兵器は!! あんなもん持ち出されたらチェックメイト決定だろうがよ。っつーかそうだ今がチェックメイトだった、ああもうダメだふざけやがってッッ!!)

 夜来初三本人のように『自由自在の破壊』とまではいかないだろうが、物理的破壊を巻き起こす威力は絶対破壊とほぼ変わらないだろう。

 サタンの魔力の恐ろしさを『身を持って知っている』故に、大柴は尚更顔が青ざめる。

 だが相手は止まらない。

「さっさと死んどけよ。面倒だし避けるなよ?」

『絶対破壊』が撃ち出される。

『サタンの魔力』が襲いかかる。

「っ……!!」

 思わず肩を跳ね上げる。全力で廊下を走っている大柴のすぐ横を、莫大な漆黒の閃光が追い抜いたのだ。閃光に食い取られた壁は消えていた。本当の意味で消失していたのだ。さすがはサタンの魔力をレプリカにした兵器。直撃は核爆弾相当の威力だと考えるのが妥当だろう。

「チッ!!」

 大きな舌打ちをして、大柴は唯一動かせる右腕を腰にかけてあった手榴弾へ回す。

 素早い動作で手榴弾を取り、クルリと回してピンを抜き、的確な力加減を持って追いかけてくる男へ向けて投擲した。

「ちっぽけな反撃だな」

 鼻で笑った男。

 彼は『SMAW-絶対破壊replicaVersion』という破壊兵器の照準を、放物線を描いて近づいてくる黒い手榴弾に定めた。 

 即座に引き金を引く。

 黒い閃光が勢いよく飛び出た。手榴弾を完全に飲み込み、爆発なんてさせる間もなくぶち壊してやる。

 だが。

「っ……!?」

 ここでようやく、今まで行動の全てが大柴の思う通りだったと自覚した。先ほどの手榴弾は、男の目線から大体天井付近あたりのポイントにあった。そこで『SMAW-絶対破壊replicaVersion』を使い、魔力のレプリカである『高威力の一撃』を放って手榴弾を消滅させた。

 そう。

 ここは一階。

 そして消滅させた手榴弾は『天井付近』にあった。

 故に、



 ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッッッ!! という轟音が炸裂し、手榴弾と一緒に天井を打ち抜いてしまったことで、亀裂が走った天井が瓦礫となって落ちてくる。



「やば―――」

 言いかける暇もない。

 ここは一階だ。当然、この建物の中でも一番崩落した際に瓦礫がのしかかってくる場所。都合のいい奇跡なんて起こるわけもない。アリ一匹残さずに、多数の瓦礫が豪雨となって降り注いでいった。

 破壊力が高すぎる科学と非科学のハイブリッド兵器。

 その威力が凄まじかったからこそ、大柴の狙い通り『一撃で天井を崩壊させてしまう』力を持っているからこそ、無残にも男はコンクリートの下敷きとなってしまった。


 



  

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