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変わっていない狂気2

 その通りだ。

 雪白千蘭とは狂っている。大好きな彼を監禁し、洗脳し、精神を破壊し、完全完璧抜け目無い計画の通りにことを進め、事実、あの少年を一度は我が物にした悪魔的天才だった。

 いや、だったなどの過去形ではない。

 現在進行形で狂っている悪魔だ。

「私はあいつが大好きだ。今も、常に、ずっとずっと大好きだ! 監禁できるならしてやりたいよ!! ずっとずっとずっと私から離さないで私のモノにして死んでも一緒にいるさ!! 監禁したい、だって好きだから。私だけのモノにしたい、だって好きだから。盗撮? 盗聴? 拘束? ああやりたいね。叶うものならば、私は初三の全てを手中に収めないと気が済まない!!」

 雪白はそこで、息を吐く。

 興奮していた自分を抑えて、冷静さを取り戻す。

「だが、しない。もう、しない。今でも私は狂ってて、イカれてて、おかしい変態女だ。だけど二度とあんな真似はしない。監禁なんてしない。暴走なんてしない。確かに私はおかしくて狂っているが、その『考えを実行に移さない』んだ」

「……」

「『理性を保て』と、とある悪魔に言われてな。誰だって悪いことは考えるが、それを実行しないと実行するじゃ大きく違うらしいぞ。つまり狂ってて異常な女が私だが、その異常で狂ってる部分を行動に移さない。それが今の私だ。そして、そんな私が、狂ってる・おかしい・異常だと烙印を押された初三を拒むと? いいじゃないか、お似合いで。私とあいつの未来像が膨れ上がる。同類で非常に嬉しいことだ、あいつと同じ狂ってる人間で大満足だ!! ハハ、あっははははははははははははははは!!」

 幸せそうに笑い出した雪白。やはり根本的な狂気は変わっていない彼女は、しばしの間以前の彼女のような狂った笑い声を轟かせる。

 その反応に、本道詩織はポツリと言った。

「……類は友を呼ぶ……か。……悪人同士、異常者同士、狂人同士、仲良くしてればいい……私は私のやるべきことをする……」

「はは、はははははは!! おいおい、お前、話をきちんと理解してないだろ? 先ほど言ったとおり、私は初三が好きだからお前を殺す。お前に殺されては、初三と離れ離れになる。だから殺されるより先に殺すんだ。分かるか? 手加減する道理なんてない。私はお前をミンチに変える」

「……お互い様でいい……私もあなたを殺さなきゃ、復讐なんてできない……容赦なんて言葉、私の世界じゃ存在しない……殺す……どっちも殺す。お互いがお互いを殺そうとしてる……なら、迷うことも悩むこともない」

「ああ、そうだな実にそうだ。お互いに行動方針は既に決定している」

 故に。

 雪白千蘭と本道詩織は、お互いを、目の前にいる彼女を、

「「殺せばいい」」

 ついに。

 蛇神と女神の激突が始まる。

 

 


 

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