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帰宅

「そういや、精神世界っつーとこでお前の魔力使えたんだが、ありゃどういうことだ?」

 ファーストフード店を出た夜来初三は帰路を共に歩く大悪魔サタンに尋ねていた。対して彼女は夜来の手をその小さな手で握り、

「我輩の力を小僧が使う場合に必要な条件は『一心同体』であるかだ。つまり、我輩が肉体そとでも小僧が精神なかでも『一心同体』であることに変わらんのだよ」

「なるほど……」

 実はあの後、唯神天奈に『第三の魂』とやらがどうなったか検査してもらったのだが、結果はやはり『なくなっている』らしい。

 夜来初三以外がよく理解できることではないが―――おそらく『アイツ』は夜来初三と混じっている。またいつでも分裂して喰らいかかってくる可能性は否定できない。

 夜来初三は溜め息を吐いた。

 そして言う。

「んじゃ―――家に帰んぞ」

「うむ!」



 愛し過ぎた悪。

 そんな悪を背負ったそもそもの原因は恐怖である。少年を愛していた少女を狂わせた原因は『恐怖』だったのだ。少年を強く愛していた故に『いつ少年を奪われてもおかしくない』という恐怖のライバルの登場によって彼女は狂い壊れてしまった。

 そうして味方であり仲間であり友達だった者達と一時は敵対してしまった。

 しかし。

 だがしかし。


 

 だから何だ?



 結局は仲間だ。友であり絆を築いた大切な味方だ。ならば話は単純で、『喧嘩したのだから仲直りすればいい』だけのことだったのだ。別に彼女は正真正銘の真っ向から殺し合う敵ではない。

 今回の争いは『戦い』ではなく―――『喧嘩』だった。

 だから彼女は自分が悪いと謝って、それを皆が笑って許してくれたから―――そこで終わり。

 ただそれだけの。

 ちっぽけなけんかだったのだ。




 しかし答えが出ない『悪』もある。

 それが。

 悪の中に潜んでいた悪だ。結局のところ、あの悪そのものである少年を上回るほどの『絶対的な悪』とは何なのか。最終的にあの『絶対的な悪』とは少年の中の何なのか。

 全ては謎に包まれたまま終わる。

 が。

 あの化物が少年の『善』を食い奪っている。『悪』というものに変換しているのならば、実はここで絶対的な事実が浮上する。

 それは。

 もちろん。


 少年は絶対に善人はなれないということ。


『善』を抱けない人間がどうやって善人になる? 

『善』を宿せない人間がどうやってヒーローになる?

『善』を持てない人間がどうやって主人公になる?

 つまり結局のところ。

 話は単純で。


『絶対的な悪』が潜み続ける限り少年は―――善を掴み取れない証拠なのだ。


 

 ひとまず終了です

 雪白千蘭に関しては解決できたと思うのですが、『アイツ』だけはこれからも謎キャラとして扱っていきます。

 もちろん、そうそう出てこない本当に『狂った化物』ですが、やはりどこか、あの前髪ヤクザと似て異なってますね・・

 

 今回の悪人話はいかがだたでしょうか? よければ感想をお願いします。

 穴があったなら謝罪して改稿させていただきます(笑)

 

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