伊の伝
初めましての方は初めまして。
お久し振りな方はお久し振りです。
桜音有里です。
この物語はモノクロ世界にある光の改訂版です。
大まかな筋は変わっていませんが、ちょっと順序が変わっています。
では、お楽しみください。
読者の方、初めまして。
唐突だが、私は今落ちてるんだ。
……え?そんな落ち着いて居られる訳?
普通に怖いぞ?当たり前じゃないか、そんな事。
だって……雲より高いとかおかしくないか!?
コホン……少々取り乱した。
まぁ、着地するまでまだ時間が有り余っているので今回の経緯でも書き……話すか。
私は元々普通の高校生だったんだ。
でも図書室で本を借り、一人で(完全下校を過ぎていたからだ!けしって友達がいない訳じゃないからな!)帰ろうとしたら足を滑らせ階段から落ちて………
気が付いたら、空を飛んでいたと言う事だ。
とか説明している間にも重力はキチンと作用している訳で。
というか、五分くらい落ちてやっと地面見えてきたって……
ドサッ
無事に着いた。
うん。
足は痺れてないし、痛くも無い。
辺りを見渡すと、木が沢山生えていた。
此処はジャングルか何かか?
取り敢えず、携帯を開いて見る事にした。
開いて見ると其処には『圏外』と言う絶望的な二文字が。
うん、見なかったことにしよう。
あれ?
何か知らないかと探った左側のポケットから手紙が出てきた。
内容は次の通りだった。
藍ちゃんへ。
まぁ、異世界に来たのはドンマイって事で……ね?
その代わりといっちゃなんだけど、凄い能力付けといたから!
魔力無限と全属性使用可能と魔導器使わない様にできるのと、
体力無限。
後、元の世界で双剣使ってたみたいだからその力も上げておいたよ。
剣は自分で作った方がいいと思うよ?
念の為に、魔導書も贈っておくねー( ´ ▽ ` )ノ
by神様
藍と言うのは私の名前だ。
正確には、星果藍だが。
こんなチャラい手紙よこしたのって神様なのか?
正直信じられないが………。
というか、体力無限って……事実上私不死身じゃないのか!?
こ、怖くなったぞ…………
なになに、『魔導書も贈っておくねー( ´ ▽ ` )ノ』?
神様って絵文字使うんだ……
『あ、これか』そういって私は分厚い本を右ポケットから出した。
このポケットってちっちゃいのによくこんなデカい魔導書入りましたね。
四○元ポケットなのか?
まぁ、気にしないでおこうか。
題名は……と
『初めての魔導書』
なんだこの小学生が読みそうな幼稚な本は。
早速開いて見るか。
『元々人間には、少しの魔力が有ります。
その魔力を手のひらに集めてみましょう!』
手のひらに集める……?
何かアバウトだな。
取り敢えずやって見る事にした。
体内を探っていると、胃の近くにまるで泉の様に湧き出ているヘンな力? を見つけた。
それを掌にすくって……
ちっ、すくうとホロホロと零れてしまう。
そうだ!桶かなんかですくうイメージをして……
よし、出来た!
すると、掌から閃光がほとばしった。
えと、次は
『集めたら、大きな声で『召喚』と唱えてみましょう!その時に何か動物を想像するとなお良いです』
「召喚!」
早速、少し叫んでみた。
すると、目の前に魔法陣が浮かび上がってきた。
【ず……ずずずず】
魔法陣から、“ナニカ”が出て来た。
…………狼だった。毛の色が黒でとても綺麗だった。
「お主が我を呼んだのか?」
シャベッタァァァァと何処かで聞いた事がある言葉を吐きそうになりつつ、答えを言う。
「は、はい……」
「ふむ……そうか…」
何か納得したかの様に頷く狼?。
そう言えば名前を知らなかったな。
「あ、あのお名前は……?」
「無い」
キッパリと答える狼モドキ。
此れは私が名付けるフラグとやらか?
「無いんですか……?」
「あぁ、我はただのフェンリルだしな」
「フェンリル……って何ですか?」
『神狼……と言う意味だ』
神狼、ゲームとかでよく登場していたな。
ボスとして登場していたからそこそこ強いのではないだろうか?
「そうなんですか。……あの、もしよければ、名前付けましょうか?」
「言葉に甘えて付けて貰おうか」
やっぱり名付けフラグが建ってたか。
「朔夜とか……どうですか?」
毛の色は漆黒。
その漆黒は新月を思わせるから、朔夜。
おい、今単純だとか思った奴表に出て来い。
「朔夜か……良い名だな」
「はい!」
「では契約するぞ……」
『我、神狼朔夜は、主、ランを守護することを誓う』
また新たな魔法陣が浮かび上がって来た。
契約ってこんなに幻想的なんだな……。
「これで契約は終わりだ。もう、魔法が使える筈だ」
「魔法……ですか。そう言えば、朔夜ってどんな魔法が使えるんですか?」
そう、魔法は契約した者の魔法しか使えないのだ。
さっき、急いで本を確認して来た。
「我は、炎の魔法だ」
「分かりました!やってみますね」
まぁ、全属性使用可能と書いてあったがな。
炎の魔法か……
「どんな呪文があるんですか?」
「うむ、まずは初級魔法からやろうか。点火の魔法呪文は『アリュマージュ』だ、我が主」
アリュマージュ、か。意外と短くて安心した。
此れでかなり長ければ、私は魔法を使うのを諦めていただろう。
「『アリュマージュ』」
ボッ
すると、人差し指の先にに炎が出てきた。
「ふむ……初めてにしては中々凄いな」
「あ、ありがとうございます……」
よし、折角全属性使用可能なーだからほかの魔法も使ってみようと思った。
「あの、私多分他の属性も使えると思うんで、何か教えて下さい!」
「?そんな訳無かろう。別に良いが……では『ブリズ』はどうだろうか?風属性だぞ?」
さらに短くなったな。
もしかして中級魔法とかだったらさらに長くなるとか?
無いであって欲しい。
「『ブリズ』」
フワァ
すると、くすぐったいと感じる程度の風が吹いた。
「なっ……何故風の魔法を……!」
「実は……」
私は、今までの経緯を朔夜に話した。
やっぱり、朔夜はこれから一緒に過ごすんだしちゃんと知ってもらいたい、と思ったからだ。
「……そういうことか」
「お、驚かないんですか……?」
「なんだ、我が主は我に驚いて欲しいのか?」
「ぃいえ……クシュンッ」
なんか寒いなぁ………
そうだ、土の魔法で錬金とかしてみようかな?
「錬金術の魔法って知ってますか?」
「あぁ。まさか、するつもりなのか?アレは特殊魔法だぞ?……我が主ならやりかねないか。錬金術は『アルシミー』だ」
取り敢えず鋼の錬金術○風に両手を大地に重ねてみる。
勿論、この行動に意味は無い。
雰囲気を醸し出すためだ。
家……大きい家を想像して……
結果から言おう。成功はした。
が、
「これはデカ過ぎますよ!!」
私の目の前には、とても大きなお城が絶っていた。
後にこの城のおかげで新たな人間と出会う、と言うのは誰も予想していなかった。
心の文がどうしても男みたいになります……
何時もは敬語て喋る藍ちゃんです。
次回もお楽しみください