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朝日真也の魔導科学入門  作者: Dr.Cut
第三章:エーギルの晩餐会-3『cross cultural communication』
82/91

82. アイアイ★こらむ⑥ 永久機関を造ろう!!

「たとえば君が~傷ついて~♪ くじけそ~にな~った時は~♪」



「…………」



「かならずぼくが~そばにいて~♪ ささ~えてあげるよその肩を~♪」



「……、…………」



「せ~か~い~じゅ~~~うの~~~~~♪

き~ぼ~の~~せて~~~♪

こ~の~……って、あ、あの~、教授? どうしたんですか?

なんでそんな、黙々と新聞をめくりながら無言なんでしょうか。

何かちょっとくらいコメントして頂かないと、わたしでもちょっぴり不安になったりとか、するんですよ?」



「……普通だ」



「はい?」



「上手ければ素直に上手いとコメント出来るだろう。

下手ならば下手だと一言言ってやればそれで良い。

……だがそこまで普通過ぎると、逆に一切のコメントのしようが無いのだ」



「あぅ~、そ、そうです。そうなんですよ!!

カラオケ行った時とか、ものすごくよく言われるんです!! それ!!

『愛っちは顔も歌もジミだよね~』とか……。

でもでも、そのくせ点数だけは妙に高かったりして、わたしが歌うといっつもビミョ~な空気になるんですよ~!!」



「……ほう。参考までに聞くが、その歌声で君はいったい何点を叩き出したんだ?」



「はい!! ズバリ、マックス96点です!!」



「無駄に高いなまた!!

まあ、その辺りは機械的に音源と照らし合わせるだけのコンピューター審査の限界、というコトにしておくが……。

……で。どうして君は、また唐突にBELI○VEを歌っている?」



「へ? あ、はい。その、それは、あれ。アレですよ~!!

なんか小学校とかで習った良い曲って、たまに無性に歌いたくなるときってあるじゃないですか!! やっぱり子供の頃の思い出とかって、いつまでたっても大切なアイデンティティーになると言いますか、ソウルに刻まれる名曲といいますか――!!」



「――ほう、良い事を言ったな。

正にその通りだ。小学校教育というのは、大変に大切で必要不可欠な基礎だと言える。何しろ学問の入り口だからな」



「? あの、教授?

ずっと気になってたんですけど……。

何でさっきから、ずっと右手を額に当ててるんですか?

それと、なんかちょっとだけ元気が無いような……」



「……あまりの嘆かわしさに頭を抱えているだけだ」



「? それってどういう……あれ? そういえばさっきから教授が読んでるのって――。あっ!! それって半年くらい前の新聞記事じゃないですか!!

教授、何で今さらそんなのを――」



「……今のオレには、地球の情報が一切合切、全くもって入ってこないからな。

浦島太郎になってやるつもりも無いし、せっかくだからこの機会にまとめ読みさせて貰っていたんだが……。

調度良かった。オレは今、ノーベル賞級の素晴らしい発見をしてしまったところだ」



「ノーベル賞、級――?

す、スゴいじゃないですか、教授!!

正直『あ、まだ取って無かったんだ』って感じでもありますけど。

でもでも、なんだかよく分からないですけど、なんかいつになく凄そうな雰囲気ですよ~!!」



「……ああ、そうだ。本当に素晴らしいよな、日本の学校教育(・・・・・・・)は。

どれ。それでは君にだけは、特別にその中身を教えてやろう。

――ずばり、1=2の証明だ」



「? 1=2?

そんなの、おかしいじゃないですか」



「……感覚的には理解し難いかもな。

だが数式で示せば、中学生でも理解出来るくらいにシンプルな理論さ。


先ずはx=1とおく。

両辺にxを掛けて、x^2=x。

両辺から1を引いて、x^2-1=x-1。

左辺を因数分解して、(x+1)(x-1)=x-1。

両辺をx-1で割って、x+1=1。

xに1を代入すると、2=1。

よって、1と2は等しい数である。Q.E.D」



「? えっと。

xが1だから、それから両方に1を掛けて、因数分解して……、あれ?

え? 合ってます!! あれ? あれ!?

き、教授!! こ、これって、もしかして――」



「……ああ。数学の基本的なルールをぶち抜いた、大間違いだ」



「? へ?」



「………………、騙されて、ないだろうな?」



「へ、も、もももちろんですよ~!!

ぜんぜん、まったく、もう完璧にわかっちゃってます!! わかっちゃってますから!!

だからお願いですからそんなヤフーさんの群れを眺めるガリバーさんみたいな目で見ないでください~!!!!」



「……一応、補足しておくが。

上記の証明の問題点は五行目にある。

両辺をx-1で割った、というこの点だな。

我々が初めに仮定した前提条件として、xは1だった。

よってx-1の値は0

……つまりな。上記の証明では、両辺を0で割ってしまっていたんだよ」



「あっ!! それ、なんかちょっとだけ聞いたことがある気がします。

確か、0で割っちゃいけないとかなんとかって……」



「そう、その通りだ。

0で除算を行う事は出来ない。中学校どころか、小学校でも習うルールだろう。

上記の1=2の証明というのは、基本的なルールに気をつけなくてはこういうおかしな事態が発生してしまう、という好例だとも言えるな」



「ほへ~、なるほど~。

――って、あれ?

教授、でもでも、結局それがどうしたんですか?

さっきの、ノーベル賞級の発見がどうこうとかも……。

いきなりそんなヘンなコト言い出すなんて、なんかちょっぴり教授らしくないですよ?」



「……ああ。らしくないのは、重々に承知している。

でもな。オレみたいな性格のヤツでも、学者としてどうしても許せない事柄というのは存在するという事さ」



「??? あれ? 教授、どうしたんですか?

なんでそんな、いきなり立ち上がって、新聞を思いっきり頭の上に振りかぶって、デスクに叩きつけ――」



――バシンッッ!!!!



「……9÷0が()だと?

このバカを連れてこい!! 初等数学から学び直させてやるっ!!!!」



「きゃぁぁぁあぁああ!?

お、怒ってる!! 教授が、珍しくちょっと本気で怒ってますよ~!?

というかソレ!! ソレは、もうそろそろ許してあげても……」



「……物理を科学の王とすれば、数学は科学の女王だ。

その初歩の初歩の初歩たる小学校教育に於いて、こんな馬鹿げた知識を子供に教え込むとは――、万死に値するッ!!」



「き、きょきょきょ、教授っ!!

わかってます!! お気持ちはよくわかってますから!!

人間嫌いなのに、子供にだけは妙に優しい教授の性格は、わたしが一番よくわかってますから!!

お願いですから、先ずはちょっと落ち着いて――」



「…………。

……思えば、前々から。この国の教師連中には、一度は物申したいと思っていたのだ。先ずは、下記の質問の数々を見てほしい」



・昼間の空が青いのは、空気の分子によって青い光が一番よく拡散されるからだと聞きました。でも夕焼けが赤いのは、赤い光だけが拡散されずに長い距離を通るからだと聞きました。拡散される光しか見えないなら、赤い光が拡散されないから夕焼けが赤いというのは矛盾では?


・光速度不変の原理というのがあると聞きました。でも教科書には、光が屈折するのは、ガラスの中での光の速度は空気中よりも遅いからだと書いてあります。どっちか間違ってないですか?


・馬の足が速くなったのは、肉食動物から逃げる為だと聞きました。親が頑張って走ったから子供の足も速くなったという意味なら、獲得形質が遺伝した事になって教科書と矛盾しませんか?


・ブラックホールは無限の重力を持つと聞きました。重力が無限なら、ブラックホールの周りの物体が受ける力も無限になって、全宇宙の物体は一瞬でブラックホールの中に落ちるコトになりませんか?


・教科書の初めの方に、プラスの電気とプラスの電気は反発すると書いてありました。でも教科書の後ろの方では、原子核はプラスの電気を持つ陽子と、電気を持たない中性子の組み合わせで出来てると書かれています。原子核って、陽子同士の反発で壊れませんか?



「? なんですか? この質問……」



「……オレが、実際に中高生から聞いた事のある疑問の数々だ。

近頃は学校の図書館にだって科学雑誌くらい置いてあるし、だからこういう疑問を抱く生徒も増えているのだろうが……居るんだよな。これに答えられない理科教師(・・・・)が。恐ろしいコトに……。

あ~、と。ちなみにだが、勿論君はこれらの問いに答えられるな?」



「えっと……。は、はい!! も、もちろんじゃないですか!!

ホントに、コレが分からない先生、とか……」



「…………」



「……、…………」



「……、あ、あぅ、ゴメンナサイ!!

ちょっぴり、よく分からないトコロとかも、チラホラ~っと……」



「……まあ、君はまだ教わる側の人間だからな。別に責めるつもりは毛頭無い。

……でもな。理科教師でさえそんなのが居るのが現状なのだ。小学校教師や、ましてや他の教科の担当になると、正に凄惨たる有様だと言って良い。

――水素爆発と水素爆弾の区別が付かんアホは居るわ、昨晩酒を飲んだ口で、マリファナは一本吸っただけでアルコール以上の中毒引き起こすなんて語る奴は現れるわ、終いにはインテリジェント・デザインや夕方の健康番組の理屈を真っ当な科学理論だと思い込んでいる輩までチラホラと……!!

こんな連中がしたり顔で生徒の学習を指導しているかと思うと、全くもって恐ろしい!!」



「ご、ゴメンナサイ!! ホント、悪かったと思ってます!! 分からなかったのは反省してますから!! ただでさえアチコチの異世界勇者さん達を敵に回すようなコトばっか言ってるんですから、この上そんな、日本中の学校にケンカ売るような発言まで追加しないで下さいよ~!!」



「今さら何を言っている? 君だって、オレの講義を受けているなら分かっているはずだろう?

――科学の基本は疑うことだ。寧ろ、オレの言う事なんか頭から疑って掛るくらいで丁度いい。オレの言葉に賛同するか、或いはオレの言葉を批判するかの選択は、いつだって教師ではなく聞き手にのみ許されている!!」



「はいは~い!! ヒト、それを丸投げ!! 或いは責任転嫁とかって言うと思いま~す!!」



「……“責任”か。

ウチのハゲ頭(学長)が、オレを説教する時に三番目によく使う言葉だな」



「……ちなみに、一番と二番は?」



「“常識”と“若いくせに”だが、それは今は関係の無い話だ。

とにかく、今回。以上の話を踏まえた上で、オレはこの場で三種、あり得ない嘘発明を提唱してみようと思い立ったわけだ。即ち――」



・命題:永久機関について考察せよ!!



「――まあ、クイズみたいなものだな。

これからオレが提唱する永久機関のモデルについて、具体的にどこが間違っているのか。クリティカル・シンキングを武器に、是非とも考えて頂きたいと思う。中学理科が完璧ならなんとか、高校物理が出来ていれば、ほぼ確実に否定出来る筈だ」



「えっと……。はい!! というわけで、今回のアイこらは番外編♪

ホントはエイプリルフールネタの短編で企画していた物を、諸事情あってこっちにねじ込んだ形になってます。

説明の為の図がゴッソリと入ってたりとかしまして、容量的にかな~り重いかもなので、携帯で見てる方とかはちょっぴりご注意下さい~。

ではでは、本題にイッてみましょ~!!」



―――――



永久機関一号!! 重力単振動式永久電磁誘導型発電機!!



「さてさて~。ナニが出るかな♪ ナニが出るかな♪

……って。なんか、いきなりモノスゴイ仰々しい名前が出てきてるんですけど……。うぅ、難しいお話は勘弁ですよ~」



「いや、名前だけは少々格好を付けたが、中身はこの上ないくらいに単純明快だ。それこそ、原理だけなら小学生だって理解できるくらいだろう。

まあ前置きはこのくらいにして、先ずは基本的なメカニズムから行ってみようか」



「はい!! お手柔らかにお願いします!!」



「――けっこう。

さて、先ずは夜空を見上げてほしい。

曇りや雨で無い限り、地球ではほぼ毎日、必ずと言って良いほどに“ある物”が見つけられるだろう」



「えっと、はい。見えます。見えますよ~。

白くてまん丸の、キレイで風流なお月様が――」



「先ずはトンネルを掘ってソイツをブチ抜く」



「ストップです!!」



「……どうした?」



「どうしたじゃないですよ!! き、教授!!

なんか今、サラッとトンデモナイ事言いましたよ?」



「何を言っている?

我々が今から作ろうとしているのは、地球上の人間が誰一人造れた試しの無い、トンデモナイ機関なんだぞ?

トンデモナイ物を造ろうとしているのに、トンデモナイ仮定をせずに解決しようなんて、あまりにも虫が良すぎる話だろう」



「うぅ~、身も蓋もない言い方です……。

その、それなら取り敢えずはスルーしますけど。

でもでも、その穴を掘るのって、永久機関と何の関係があるんですか?」



「……まあ、焦らずにイメージをしてほしい。

今我々は、月の自転軸に沿ってトンネルを掘り、月をぶち抜いた。

さて。ではこのトンネルの中に鉄球を落としたとしたら、鉄球はこの後どんな運動をすると思う? 勿論月には大気が無いので、空気抵抗は無視出来るとする」



「あれ? コレ、なんかちょっと見たことある気がします」



「ああ、そうだ。このまま鉄球を落下させれば、高校物理の練習問題でよく出る惑星トンネルの問題になる。詳しくは下図を見て欲しいが――」



挿絵(By みてみん)



「結論から言えば、鉄球は永久に単振動を繰り返す――まあ平たく言えば、ずっと中心に向かって行ったり来たりを繰り返すというコトだな」



「なるほど~。えっと、上から落とした鉄球さんが、先ずは下の方に出て、また上の方に落ちてきて――って、あれ? 教授、それじゃ永久機関、できちゃったじゃないですか。いつも言ってる、永久機関は作れないっていうのは何だったんですか?」



「……いや、コレはまだ永久機関でも何でもない」



「へ?」



「言い忘れていたが、今回考察する永久機関とは一次永久機関のことだと思ってほしい。つまりは無限に仕事をし続ける装置――まあ、金を入れなくても無限に小銭エネルギーを吐き出し続ける両替機みたいな物なのだが……。

具体的に上記の装置にて、我々はエネルギーを取り出す事が出来ると思うか?」



「え、えっと……」



「……無理だ。無理なんだ。

いくら鉄球がトンネルの中を上下運動していようと、それだけでは一文の得にもなりはしない。一次永久機関を名乗る為には、必ず外に何らかの仕事を取り出せなくてはならないという事なのさ」



「う~ん、分かったような、分からないような……。

えっと。つまり、永久機関さんにジョブチェンジする為には、ただ動いてるってだけじゃなくって、電球をピカピカ光らせたりとか、車をブ~ンて走らせたりとか、なんかお仕事が出来ないとダメ、ってことなんですね?

でもでも……。上のアレって、なんか上手いこと使えば、電球さんくらいはピカピカ光りそうな気も――」



「――ほう、良い所に気がつくな。

ではお望み通りに、電球を光らせてやろうじゃないか。

つまり、上記の装置を少しばかり改変してこうしたらどうなる?」



挿絵(By みてみん)



「? なんですか? これ……」



「月の自転軸に沿ったトンネルにコイルを巻き、鉄球の代わりに磁石を落とした場合のモデルさ。さて、それでは小学校理科の復習だ。

“電磁誘導”という言葉を習った記憶があるだろう?」



「あ、はい。覚えてます。

確か棒磁石とコイルさんを使って、コイルさんの中に磁石をグサグサやると、電気が流れて電球さんがピカっと……あ!!」



「そういうことだ。電磁誘導とは即ち、磁界の中を磁力を持った物体が動けば電流が発生するという現象――逆に言えば、この磁石さえ永久に動かし続けることが出来れば、コイルは永久に電流を産み続ける事を示唆している。

ではその磁石を動かし続ける役割を、上図の惑星トンネルの鉄球に頼めばどうなると思う?」



「す、すごい!! これはホントにスゴいですよ~!! じゃあじゃあ、もう電気代なんか心配しなくてもいいんですよね? お月様はちょっぴり可哀想ですけど、これで電気を作れれば、もう無理して節電とかしなくても良いんですよね!?」



「……本当に、そう思うのか?」



「……、へ?」



「まあ、今回は問題編であるからスルーしておくが……。

――言うまでも無い事柄ではあるが、永久機関が出来てしまったという事は、このモデルには何か致命的な間違いが含まれているという事実を示唆している。

このコーナーを読んでいる物好きな読者諸氏は、是非ともナニがおかしいのかについて考察して頂きたい」



「う~ん……。永遠に動きそうなのに、永遠じゃなくって……。

ずっと動きそうなのに、でもずっと動いちゃいけなくって……。

あっ!! わかりました!! わかりましたよ~!!」



「ほう、もう分かったのか」



「はい!! ズバリ、問題点は電球さんを使ってる事だと思います!!

だって電球さんってことは、取り替えないと一年もしないうちに切れちゃいますもん!! だから――」



「……残念だが、それでは不十分だ」



「――へ?」



「考えてもみろ。オレが今問題にしているのは、一次永久機関を作れるかどうか――つまりは無限にエネルギーを取り出すことが出来るか否かという点なんだぞ? エネルギー保存則についての問題を出しているのに、ここで電球の寿命を持ちだしては、“一次永久機関は作れない“という根本的な命題の証明にはならない。

言わば『三百円で百円のジュースを三本しか買えないのは何故か』という問いに、『店に三本しかジュースが無かったから』と答えるようなものだ。

……出題者の感想としては、『そうじゃない』の一言だろう」



「えっと、よく分からないですけど……。

つまり『装置が壊れるから』っていう答えは、元も子もないから反則にしますよ~ってこと、なんでしょうか」



「……身も蓋もない言い方をすればそうだ。

さて、ここでもう一点だけ付け加えるが、この手の問題の回答で最もよく見られるのが、『エネルギー保存則を破っている』の一言だけ書いて提出する答案なんだが……これもナンセンスだ」



「へ? どうしてですか?

だって学校とかだと、なんかそんな風に教わりそうな気も……」



「いや、確かに間違ってはいないんだけどな……。

……この手の回答を提出する輩は、『じゃあ実際にはどうなるのか』という問いに対して、明確な回答を示せないことが多いんだ。『エネルギー保存則』の一言は、どこか都合の良い逃げ口上化しているとも言える。

――よって今回。永久機関を否定する際には、

①どんな力が働いて

②どうしてエネルギーが取り出せなくなり

③最終的にどうなるのか

という三点について考察し、示して頂きたいと思う」



「えっと、なんかいつの間にか読者さん参加企画みたいになってきちゃってますけど……。その、そんな感じでお願いします~」



永久機関第二号!! 公転軌道コイル!!



「あれ? なんか一号さんに比べると、けっこう控えめなお名前になってるような気が……」



「いや、まあ、名前だけはそうなんだが……。

……多分だが、建築費は一号よりも破格に上がるだろう」



「? それって、どういう――」



「……まあ、先ずは基本的なメカニズムから示していこう。

さて、では早速だが下図を見て欲しい」



挿絵(By みてみん)



「? なんですか? これ……」



「少々見難いが、太陽系の模式図だ。

各星の大きさや位置関係はかなり適当に記されているが、まあ今回の説明にはこれで十分だろう。

――さて。一号を見た後でこの図を見ると、何か永久機関に使えそうなエネルギー源が映っているコトに気が付かないか?」



「? エネルギー源、ですか?

――あれ? そういえば、一号さんの仕組みがアレで、二号さんの名前がアレっていうことは……。

……あ、あの~、教授? なんかちょっぴりイヤ~な予感がするんですけど。

もしかして、教授の言う二号さんって――」



「――先にも言った通り、電磁誘導で無限にエネルギーを取り出せるか否かというのは、無限に磁石を動かすことが可能かどうかという一点にのみ依存している。

そして今、我々の目の前には半永久的に回り続ける“惑星”という名の動力源が存在しており、同時にそれらは“地磁気”と呼ばれる磁力を持つ天然の磁石でもあるわけだ。

特に木星などのガス型惑星は、地球型惑星よりも遥かに強い地磁気を持つ事で知られている。

よってオレが提唱する永久機関第二号は、コイツだ――!!」



挿絵(By みてみん)



「きゃぁぁぁぁぁぁあああ!!

ちょ、コレ!! サイズサイズ!!

コイルさんの線一本が、もう日本列島くらいブットイんですけど!?」



「――いや、導線の太さそのものは大した問題では無い。

まあ木星の公転軌道にコイルを仕掛け、木星を磁石代わりに使うワケだからな。

このコイルの半径は大体地球の――」



「そういう問題じゃないですよ!?

あ、いえ。それも問題なんですけど、そうじゃなくてですね!!

……教授? ぶっちゃけコレが作れるお金があるなら、もう永久機関とか全然必要ないんじゃないかな~とかって、思っちゃったりとかも……」



「……完全に同意だが、今の論点はコレから無限にエネルギーを取り出すことが出来るか否かという一点のみにしておきたい。

まあ、これが永久機関にならないとしたら、どうしてダメで実際に造ったらどうなってしまうのかを考えて貰いたいという事さ」



「うぅ……。なんかもう、どっちが無茶苦茶なのかも分からなくなってきましたよ~……」



永久機関第三号!! 鏡面歯車!!



「数字が増えるごとに、名前だけはシンプルになっていくこの企画!!

そのクセ二号にしてもう地球より大きくなってしまった悪魔の機関!!

さてさて? 三号さんは、果たしてどこまで大きなサイズになってしまうのか!?」



「安心しろ。第三号は、上記の二つよりはまだ現実的・・・な思索の上に成立させたつもりだ」



「へ? そうなんですか?」



「……まあ、何よりも先ずはメカニズムだな。

最初に反射率100%の鏡を二枚用意し、合わせ鏡を作る」



「? 反射率100パーセントの鏡? っていうと、飛んできた光さんを全部反射する、魔法装甲みたいな鏡――ってこと、ですよね?

そんなの、本当に作れるんですか?」



「現在の鏡の技術の延長線上で、と考えるとまず不可能だろうな。

だが、まあ。昨今はメタマテリアルなどの改良も進んでいるし、物質でなくとも天体の重力レンズ効果などを組み合わせる事で、類似した現象を引き起こす何かが見つかるかもしれない。

……取り敢えず、ここでは反射率100%の鏡が造れたという前提で話を進めたい」



「? はい。

えっと。それで、合わせ鏡を作るとナニが――あっ!! もしかして!!」



「ほう、察しがいいな。気づい――」



「合わせ鏡の悪魔を召喚して――」



「違う!!」



「……はい」



「……原理そのものは、君も既に知っている筈だ。

このコーナーでも既に何度か触れたとは思うが――。

光には静止質量が無いが、それでも僅かに物体を押す力があるんだ。

“光圧”と呼ばれる圧力だな。ソーラーセイルを動かす動力源となっている、あの力のことだ」



「あ、はい。そういえば、このコーナーの最初の方でちょこっと言ってたような気がします。確か、草タイプ最強の技がどうとかって……」



「……何故よりにもよって、そんな一番どうでもいい部分しか覚えていないのかとか、大変に心底疑問ではあるが、今は敢えてスルーする。

さて、取り敢えずは下図を見て欲しいが」



挿絵(By みてみん)



「簡単に解説すると、この図は合わせ鏡の間をレーザー光が無限に反射・往復している状態を示している。

――さて。ところで光は物体に光圧を及ぼす――つまりは力を加えるワケだが、ここでそれぞれの鏡が固定されておらず、光が十分に大きなエネルギーを持っていた場合、この二枚の鏡はどうなるだろうか?」



「えっと。光がパシンて当たるたびに、鏡さんがグッと押されて、また反対側に向かって飛ぶから――。

あ、“どんどん離れていく”、ですか?」



「その通り。ソーラーセイルと全く同じ原理でもって、これらの鏡の距離はどんどん開いていく。まあ、下図の通りだが」



挿絵(By みてみん)



「無限に仕事を取り出せているので、この時点で既に、コレは一応のところ永久機関だと言えるな」



「む~、ちょっといいですか?

二枚の鏡がどんどん離れていく、っていうのはなんとなく分かったんですけど……。

なんか、今までのはなんとか電気が作れてたのに、これだけ鏡しか動かせないなんて、ちょっぴりショボいというかなんというか……。

もしかして、けっこう残念な仕様だったりとかします?」



「――タービンを繋げばどうだ?」



「へ?」



「火力も水力も原子力も、発電所の基本的な原理などどれも対して変わらない。

電気を回転する力に変えるのがモーターであり、回転する力を電気に変換するのが発電機だが、中身は全く同じものだ。

――つまりタービンを無限に回転させることさえ出来れば、それは永久機関が作成された事を意味する。

そこでオレが提唱する、鏡面歯車型発電機の中身は、コイツだ――!!」



挿絵(By みてみん)



「? なんですか? このウニ――」



「眼球みたいで夢に出そうだという意見が相次いでいるが、ここでは敢えて触れん。まあ、簡単に解説すると、この二つの眼球――もといタービンが発電機に繋がれていて、歯車の代わりに鏡を無数にセットしてあるという構造になっているわけだ。念の為に側面から見た図を載せると、」



挿絵(By みてみん)



「あ。横から見ると、意外と普通です」



「……まあ、切り出し方が悪かったのだろうな。

一応補足しておくと、左端に映っている無数の鏡が付いたプロペラみたいなのが、話の肝となっている鏡面歯車だ。さて。もう大方の予想が付いた方が多いと思うが、これが実際にどう動くのかというと、」



挿絵(By みてみん)



「と、まあこの通り。

光は鏡の間を無限に反射し続けるから、それによって押される鏡は無限に動き続け、即ちソレに繋がれたタービンも無限に回り続ける――つまりは無限に電力を生み出し続けるというわけさ。

光速度不変の原理より、真空中での光の速度は常に一定――何度歯車に衝突しようと、決して止まる事は無いからな」



「スゴい――き、教授!! コレは本当にスゴいじゃないですか!!

あ、でもでも、ちょっと待って下さい。

これ、なんか回してるウチに歯車にぶつかっちゃったりとかして、光さんがどんどん無くなっていっちゃいそうな気も――」



「鏡の交換所要時間と光の往復時間を同じにすればいい。精巧に作れれば、論理的には鏡面の角度は何度ぶつかろうと一定になる筈だ。

それでも心配なら、歯車の枚数や形だって変えられるから、反射が続くように上手いこと調整してやればいいだろう」



「ほ、ホントにスゴいです――!!

こ、これなら!! これならついに、あの無駄に高い電気代請求との戦いに終止符が――」



「……来れば、良いんだけどな」



「へ?」



「……まあ、今オレがそれを言ってしまうのも無粋だろう。

ナニがおかしいのかは解答編を楽しみにしてほしい、っていうところだろうな」



「――えっと。

ちなみに解答編は、遅くても今週中にはアップの予定です~。

本編もポチポチスタートしますので、どうかお楽しみに~♪」



―――――



「はい!! それでは、今回のアイアイ★こらむはここまで!!

魔術のマの字も出てこなくて、珍しく数式も殆ど無い今回のお話、いかがでしたでしょうか!?

どこに向かって突っ走っているのか、一番よく分からないこのコーナーです!!」



「二ヶ月ぶりに更新が来たと思ったらコレだもんな。

……オレが言うのも何だが、大丈夫なのかこれ。

そろそろ本格的に愛想尽かされて、やっと1000件突破しそうなお気に入りがまた後退するぞ?」



「あぅ……。そ、それはわたしも、ちょっぴり心配だったりとかしますけど……。

で、でもでも、仕方ないじゃないですか!! 

こっちだって、他にちょっと、色々と企画していたコトがですね……」



「? なあ、ずっと気になっていたんだが……。

二ヶ月も更新を停止している間に、作者は一体ナニをしていたんだ?

なんか前回の最後に、同時進行中の計画がどうとかってゴタゴタと書いてあったが……」



「えっと、その……。

それは、あの、ちょっと、あんまり、あまりにもアレというか、です、ね……」



「…………」



「……、…………」



「…………あぅ、ご、ゴメンナサイ!! 言います!! 言いますよ~!!

じ、実はですね、新作の構想が一本あったんです!!

感想欄でもチョコっとお話したことのある、近未来学園モノのお話なんですけど……」



「? 何だ、それは?」



「えっと、その……。あ、粗筋だけ簡単に言いますと、ですね……。

えっと、えっと……。

……、はい。工業高校に転校した女の子が、イケメンと不良少年にイロイロ酷い目に合わされるお話です……」



「……、何だ、それは」



「うぅ……。さっきと同じセリフなのに、温度差がグサグサと胸に痛いですよ~……。

えっと、いちおう補足しますと。

あの、ほら!! 理系女子って、やっぱりまだまだ少ないじゃないですか!!

特に工業高校とか、女子殆ど居ないって聞きますし、アレ? これって、イケメン多かったらけっこう天国じゃない? とかって思ったりとか思わなかったりとかしちゃいましてですね!! ぶっちゃけ、某S学のテニス部にマネージャーとして入る夢小説的と言いますか、そんな女性向けの甘々逆ハー作品として、けっこういい感じのお話が作れるんじゃないかな~、と……」



「……聞いてて寒気がするからその辺で止めておけ。

――ん? てかちょっと待て。まさか作者、一ヶ月も掛けてそんな産廃書いてたんじゃないだろうな? まさかそんなのを、この話書いてるのと同じアカウントで、“なろう”に投下するつもりなんじゃないだろうな!?」



「あ、あはは……。

その、当初はそのつもりだったみたいなんですけど、ね?

えっと、実際に書き始めてみると、ちょっとスゴい事に気がついてしまったりとかしたらしくてですね……」



「……絶望的に嫌な予感しかしないが聞いておく。何だ?」



「…………、十万字くらい、だったんです」



「……は?」



「実際に切りの良いトコロまで書いてみるとですね、なんかちょ~ど十万字ちょっとと言いますか、ちょっと推敲すれば小説賞の規定にピッタリ収まりそうな長さになったりとかしちゃいまして、ですね……。

その、そんなワケ、なので……」



「……まさか、送ったのか?」



「あは、は……」



「正直に言え!! 

腐女子向けの工業高校逆ハーレム、まさか小説大賞に送ったっていうのか!?」



「ひ、人聞きの悪いコト言わないでくださいよ~!!

こ、こっちだってですね!! その辺の線引きはちゃんと考えてると言いますか、読者層のリサーチくらいはしたと言いますか、極限までオブラートに包んで、ちゃんと少年向けに見えるように工夫したと言いますか……。

はい!! ぶっちゃけSFスポーツバトルに擬態させましたので、寧ろ青少年のほうが楽しめるお話になってると思います!! 近未来兵器もガンガン出てきますし、友情とかバトルとか勝利とかもアリアリですし、女の子キャラもけっこう増やして、BLっぽさとかも削りに削り切りましたし……。

……の、はず、だったんですけど」



「……今度は、ナニが起きた」



「……、…………。

……間に合わなかったん、です」



「……は?」



「……無理です。無理でした!! 書き終わらなかったんですよ~!!

だって、考えてもみて下さいよ? そもそも夢小説っぽい雰囲気の、甘々逆ハ―で構想してたお話をですよ? そんな簡単に少年向けにアレンジ出来るワケが無いじゃないですか~!! もうホント、少コミのマンガをジャ○プ向けに改造するくらいの大改装だったんですよ!? 二週間くらいリポD飲みながら頑張りましたけど、ちょっとコレばっかりはどうにもならなかったんですよ~!!」



「……、悲劇は、避けられたわけだな」



「や、やめて下さい!! やめて下さい!!

そういう言い方はしないでくださいよ~!!

……その、ですね。ぶっちゃけ、書評が欲しかったらしいんですよ……。

構成とか、読みやすさとか、一回プロの方とかに見てもらえたら、ちょっとは参考になるのかな~、なんて……。

えっと、その……。はい。書いてる内に、十八番のダーク・サスペンスの方で、ちょっと良いネタを思い付いちゃったりとかしたこともあってですね。仕方がないので、小説賞への応募は見送りという感じで……。

で、でもでも!! お話自体はもう八割方完成していますので、もしかしたら朝マガの方で書き溜めが必要になった時とかに、また場繋ぎとしてなろうさんの方にも投稿するかもです」



「……場繋ぎだと?

殆ど機能しなかった言い逃れを、また性懲りもなく……」



「30件ですからね、お気に入り……。

その、朝マガの方から来て頂いた方のコメントとかを見てますと、なろうさんに投稿するには、アレはやっぱりちょっとダーク過ぎたのかな~、という感じだったりとかも……」



「……蟻に蜘蛛だからな。普通はまず作者の正気を疑うだろう。

――てかアレ、C○BEだろ」



「う……そ、その、確かにかな~り影響は受けてるかな~って感じですけど……。

オマージュ元はバ○オ・ハ○ードが5、CU○Eが3、SA○が2くらいの配合率に、あとちょこちょこデスノの影響が見え隠れ……って感じでしょうか。

やり過ぎだったっていうのは、分かるんですけど……。

ぶっちゃけ朝マガも、四章からはもしかしたらRが付くかもなシーンとかも入って来る予定だったりとかしてますので、アレがアウトだとすると、どの辺りまで描写しようかな~とかって、けっこう悩みどころだったりとかもするんですよ~……」



「? なあ、ちょっといいか?

なんか今、サラリと不吉な発言があったような気がするんだが……。

なあ、冗談だよな? ネタだよな? この話でここからアッチの雰囲気まで行くとか、そんなチャレンジャー過ぎる事は、いくらこの作者でも流石に出来ないよな?」



「だ、大丈夫に決まってるじゃないですか!!

そもそもですね、ああいうバッドなエンドしか書けない悪癖を治療する為に始めたお話が、この朝マガなんですから!!

はい、そうです!! これまでの作者のお話を知ってる方とかは、もしかしたら『ウソつけ!!』とか叫んでパソコンの画面殴り始めるかもですけど、そうじゃなくてですね!! “中身”の描写とかも、本当にRが付くか付かないかっていうギリギリの辺りに抑える予定だったりとかしますし、きっとまだまだ明るいSFバトルコメディー路線で大丈夫ですよ~!!

――と、いうわけで。中高生の皆さんとかは、今日出てきたマシーンのおかしいトコロを、学校の先生とかに聞いてみても面白いんじゃないかな~、なんてちょっぴり無責任なコトを言いつつ。解答編まで、サヨナラです!!」



「おい待て!! やっぱり不安になってきた!!

終わる前にもう一回だけ明言を――」

ゴメンナサイ、お待たせしました!!

その、ぶっちゃけ愛ちゃんが言ってる事情が大半なんですけど、他にも場つなぎで投稿したCriminalの改稿に、思ったより手間が掛かったりとかもしてまして……。

……はい。元々完全な携帯小説だったんで、文字数とか改行とか、Webに比べるとかなり無茶苦茶だったんですよ~。お陰でエイプリルフールネタに間に合いませんでした……。


と、いうわけで。本編もそろそろスタートしますので、この二ヶ月の間に、また少~し筆力が上がってるといいな~なんて願いつつ。

これからも朝マガをよろしくお願いします!!

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