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千秋楽  作者: 薬袋 灯火
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Prologue「バッジを脱いだ役者」

妹、弟がいる人は注意してください!

鬱展開あります。

静かな夜、カンザキはベッドの上で眠っていた。


夢を見て(うな)されていたのだった。


それは刑事だった頃、犯人に妹を殺された場面をずっと繰り返されている。


()くな……()くな!お願いだからっ!」


血塗れの手がカンザキの頬に触れる


「大丈夫だから……兄さんは生きて、生きて、生き抜くの。復讐なんて考えないでね。」


カンザキは目を見開いた。


妹が今にも死にそうな瞳でこちらに笑いかけているから。その瞳が何よりも美しいと感じてしまったから。


人の死にそうな目がこんなにも美しいのだと考えてしまったから。


妹の首が回転した。


「何を見ているんだ。気持ちが悪い。」


そう言われて、カンザキは目を覚ました。


「っはぁ……はぁ、夢か……」


そこでようやく、自分が夢を見ていたのだと自覚する。


「……まだ……五時か……」


チラリと隅の段ボールに目をやる。


中には妹の遺品が入ったものがたくさんあり、カンザキとの思い出もたくさん詰まっている物もあった。


「っ……ダメ、ダメだっ……」


(開けられるわけ、ない)


(少し早いけど、稽古行くか)


そうしてカンザキは顔を洗い、身支度を整えて稽古に向かった。


「おはようございます。」


カンザキが挨拶をした先には現役警視総監の永勝がいた。


「おぉカンザキか。おはよう。ずいぶん早いな。」


「おはようございます。あれ、カンザキさんもいらっしゃったんですね。」


カンザキの後に続いたのはレイセンだった。


「レイセンもおはよう。お前らストイックなのはいい事だけど無理しすぎんなよー。」


永勝の一声を後に個人の朝の練習が始まる。

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