百花繚乱 柘榴 作者: A.N 掲載日:2026/04/21 「死にたい」彼女はただ漠然とそう思っていた。なぜそう思うのか、自分でもわからない。だけど足が勝手に動くものだから、どうしようもない。 脈拍が上がる。呼吸が荒くなる。指先が震える。彼女はどこか懐かしい感覚を覚えた。「あの日だ」もう忘れようと蓋をしていた記憶が蘇る。不思議とあの頃のような恐怖は感じなかった。震える指でスマホを初期化した。彼女の脳は今までで一番冷静だった。 鈍い衝撃音と共に真紅の柘榴が割れた。