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僕は君に一目惚れ。  作者: 作壁 守
第一章
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第四話 教えて②

「僕からの質問は『好きな季節』僕が好きな季節は冬。雪で遊ぶのって楽しいし、冬休みでいっぱいゲームができる。加えて僕の誕生日もあるから。」

(あとは、君と一緒にいられるこの時間を最高の思い出できればもっと好きな季節になる。恥ずかしくて言えないけど。)

「私は、春が好き。いろんな新しい人と出会えるから。杉村くんと出会ったのも春のクラス替えだからね。」

驚いて声が出なかった。藤雲さんの「好き」の理由に僕がはいっていることが最高に嬉しかった。

「次は私の質問ね。さっき言ってたから知らないことに気付いたんだけど誕生日が知りたいな。」

「12月27日。クリスマスが近いせいでいつもクリスマスプレゼントと誕生日プレゼントを一つにまとめて渡されちゃう。藤雲さんはいつ?」

「私は8月1日。毎年誕生日に近くで花火大会があるの。私が生まれたのを祝福してくれてる気がするから毎年楽しみにしてる。本当は空襲でなくなった人に向けたものだから良くないんだけどね。」

お互いに聞いて良いラインを探りながら丁寧に質問していく。

「僕は将来やってみたいことが知りたいな。」

将来の夢はその人の生きる理由も交じるから聞かれたくないかもしれない。でも仲良くなるためには聞かなきゃいけないと思って勇気を出してきてみた。

 藤雲さんは一瞬だけうつむいてから明らかに作られた笑顔を見せた。

「私はね、お医者さんになりたいの。お父さんもお母さんもお医者さんで色んな人を助けてるからすごくかっこいいと思う。だから…私はお医者さんになりたいの。」

今にも消えて無くなりそうな藤雲さんの声に僕はいても立ってもいられなかった。藤雲さんの手を握って口を開く。

「教えてよ。本当のこと。この部屋には僕と藤雲さんしかいないから。大丈夫、落ち着いてからでいいよ。教えて。」

藤雲さんは泣きながら僕の手を強く握り返してくれた。僕は藤雲さんの目を見つめて次の言葉を待つ。不思議なことに泣かせた後悔はなかった。


 杉村くんの手は冷たかった。 それ以上に彼の眼差しは私の弱さもつらさも全部包み込むほどの温かさがあった。涙を見せたのも手を握るのも初めてだった。涙とともに今まで溜まっていた気持ちが洪水のように流れた。私は気持ちを整理してから大きく息を吸って口を開く。

「私は、プラモデルが好き。アニメが好き。だからそれを扱うお店がしたい。杉村くんの『好き』やみんなの『好き』が知りたい。お医者さんが人を助ける大切な仕事なのはわかってる。わかってる。それでも、私は自分の『好き』とみんなの『好き』を語り合いたい。」

全てを言い切ってから壁を作っていたのが私だということに気づく。

壁を壊してくれた杉村くんにできる限りの感謝を込めて。

「ありがとう。ちゅっ☆」

キスを投げた。

次回は明日の20時に投稿します。

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