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僕は君に一目惚れ。  作者: 作壁 守
第二章
12/12

第一話 プレゼント

お久しぶりです。予告よりも一ヶ月遅れて更新することを深くお詫び申し上げます。ただ、私の事情でこのアカウントが来年の今頃になくなることになりました。大風呂敷を広げたところ申し訳ないですがどこかで終わります。

「色々あったけどとりあえずお祝いしましょうか」


『悠太くん退院おめでとう』


「ありがとう!」


長いようで短かった入院期間は終わり、これから日車といっしょに過ごすことになる。

今僕に嬉しいという気持ちはない。とにかく日車が心配で守ってあげたい。それだけだ。


どうやら今日は退院祝いで3人じゃ食べ切れないぐらいのご飯を用意してくれたらしい。

僕も、お父さんもお母さんも、日車もみんなが好きなだけ食べられそうで良かった。


震える日車の手を強く、優しく握って家まで帰ろう。





「窓にサンタさんとトナカイさんがいる!!」


この反応からして日車の両親はクリスマスだからといって特別な飾り付けはしてこなかったようだ。

今はそれに対するイラつきよりも日車の笑顔が大切だ。

お父さんが帰ってくるまで少しだけ時間があるのでその間に家の案内をする。トイレ、キッチン、お風呂、リビング、両親の部屋、僕の部屋。どれを見るときも日車は目をキラキラさせていた。家はだいたいこんなものだと思うが、どこか新鮮なところがあったのだろう。

紹介しなかったが僕の部屋の隣に物置がある。きっとそこが日車の部屋になるのだろう。


「ただいまー」


「「「おかえり(!)」」」


悠太くんのお父さんが帰ってきたみたい。

先に知ってたのかはわからないけど私の声に驚く声は聞こえない。それどころかどこか嬉しそうな笑い声が聞こえた気がする。ふと悠太くんやそのお母さんの顔を見てみるとこっちも嬉しそうに笑っている。悠太くんのお父さんの荷物を持ちに行こうと思って立ち上がると悠太くんが私を止めた。


「今日は日車の歓迎会だよ。だからここで待ってて。」


そう言って小走りに動き出す悠太くんを今度は私が止める。


「そんなこと言ったら本当は悠太くんの退院祝いだよ。それに、私は住まわせてもらう身なんだからできることはやらなきゃ。」


そうこう言い争っているうちにリビングの扉が開けられちゃう。

そして私は驚きに目を見開いた。なんと悠太くんのお父さんは装飾が施された四角い箱を両手にもっている。悠太くんはさっき「僕はサンタさんにノートをたっくさん頼んだよ。」とワクワクした顔で言っていた。さすがにノートだけで箱2つは考えづらい。

頼んだもの以外もプレゼントしてくれるなんていいお父さんだな。


「日車ちゃん。こんばんは。」


「こんばんわ!」


「これからはよろしくね。気になる点や不満な点があったらいつでも教えてね。」


「いえいえ。ここに住まわせてもらえるだけでもありがたいことです。不満なんてそんな。」


「まぁもしもあったらの話だよ。ところで日車ちゃん。右か左どっちが良い?」


すっかり両方とも悠太くんへのものだと思っていた。どうやら私の予想は違ったよう。片方は私にくれるようだ。それどころか中身こそはわからないが私に選ばせてもくれるようだ。にわかに信じがたいが受け取れるものは受け取っておこう。

実は勉強道具を一切持ってきていない。恥ずかしいことに後先を考える余裕もなかった。だからノートを受け取ってももう片方を受け取っても絶対に当たり。


「んー。じゃあ右でお願いします。」


悠太くんが右にいたから右を選んだ。とは恥ずかしくて言えない。


「右ね。どうぞ」


「ありがとうございます!」


今すぐに開けるのはどこか失礼な気がするので楽しみにとっておく。

兎にも角にも悠太くんとそのご家族とのすこしだけ緊張するご飯の始まりだ。

次回は来週中の20時に投稿します。

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