3.街の探索 そして雑用
この世界〈ワールドネーム:ゼウ〉では時間の概念が違うので先に説明いたします
1話 異世界転移 での例をもとに示します
〈例〉3504セル 3ヒ43ノル 11アワ16ミニ
セル➡年 ヒ➡月 ノル➡日 アワ➡時間 ミニ➡分 です。
なので現代ですと、3504年 3月43日 11時16分 ということになります。
「見て見て、この本、凄くレア物だよ。どうしよ。買っちゃおうかな...ねえ聞いてる?」
(どうして俺は今あいつの買い物に付き合わされているんだ...)
今から3アワ前。勇者 ガルバドスは街に到着した。
着いた場所の名はこの国最大級の街「イーガリータウン」
ガルバドスは目を丸くした。
自分の国では見たことのないポーション。深紅に染め上げられた美しい衣服。子供たちが笑顔で街中をかけていく様子。
「俺の国では見ることがなかった景色だな。ここは凄くいいところだな。」
ガルバドスは驚きを共有せざるを得ないほどに感動している。
「でしょ?私もここでよく自分の道具を揃えるんだよ。なんか気になるところある?」
「うむ。ではあれはなんだ?」
「どれ?」
ガルバドスは噴水の真ん中にある何かを指さした。
二人が見た先にあったのは一つの像であった。
像は美しく輝きを放ち、普段から手入れされて大切にされているようだ。
像には若々しい男性が剣を持つ姿が表現されていた。
「あれはドラゴン討伐の勇者。ドラゴンにこの街を支配されていた時代に、勇者がドラゴンを倒し、街に平和が戻った...ってオチなんだけど、実際は勇者の仲間の一人が、『ヒュドラ大森林』にドラゴンを封印しているんだよ。」
「まさか封印されたドラゴンが出てくるなんてことはないだろうな。」
「いや絶対にないよ。まず、私達の国は勇者を祝う日に代々魔術師が封印魔法を強化させているの。しかも、普段は兵士や魔術師が封印地に護衛を付けているから封印が破られることはないよ。もしかして...ビビりなんでしょ?」
「そんなことはない。我は戦士である。誇り高き戦士がそんなものに怯えていようとは話にならぬ。」
「まあそうだね。冗談、冗談。はいお詫び。」
そういうと、レドラは何か屋台から取ってきた。
「あなた、肉食べれる?」
彼女の手には 熱々の肉の串焼きを持っていた。肉汁が弾け、スパイスが香り、食欲がそそられる。
「ああ。頂こう。」
ガルバドスはそういうと彼女の持つ串焼きを貰い、かじりついた。
ガルバドスが一口噛むとそのまま顔を伏せた。
「味は大丈夫だった?」
レドラは不安そうにガルバドスの顔を覗く。
「旨い!旨すぎる。」
ガルバドスは驚いた。この世にはこんな美味しい食事があるのだということに。
彼が肉を一口噛んだ瞬間、口の中に肉汁があふれ、肉にかかった赤いスパイスが彼の舌を刺激する。
「だよね、私もここの店の肉好きなんだよね。じゃあもっと別の店もまわってみようか。」
すると、レドラは一目散に別の店へ走る。ガルバドスは追うのに必死だった。
(速すぎる...)
「めっちゃ可愛いんですけど、どうしよう買おうかな...いいや買っちゃおう。ガルバドス、これ持ってて。」
「ああいいぞ。」
レドラから渡されたのは杖の先端のようだ。赤い宝石で装飾された杖の先端は確かに美しいものであった。
「次の店は....ええポーションこんな安いの今日?ええ買おうかな...」
次に訪れた店は、様々なポーションを販売する店のようだ。治癒ポーション、強化ポーション、バフポーションなどなど、何でも揃っていそうだ。
「お姉さん、今買ったらおまけしてあげますよ。」
少し年を取った男性の店主が出てきて、交渉をしている。
「ええっ、おまけ?なら買いませーん。ガルバドス、別の店に行こう。」
店主は観念したように、言った。
「分かった分かった、お値段も少しお安くしておくからさ。」
レドラはその言葉を待っていたかのように目を光らせ、満面の笑みで答える。
「本当?じゃあ買います!ねえガルバドスこれも持ってて。」
レドラは様々な店で色んなものを買った。
衣服、野菜、ポーション、日常用品、魔道具、魔術書とあらゆるものをめぐりにめぐり、冒頭に至る。
「見て見て、この本、凄くレア物だよ。どうしよ。買っちゃおうかな...ねえ聞いてる?」
「ちょっと待ってくれ。流石に重すぎるんだが。」
ガルバドスの両手には、レドラの買った品物がたくさん積まれていた。
「あ!ごめんごめん。忘れてた。ちょっと待ってね。」
そういうと彼女は腰から何か不思議な袋を取り出した。
「じゃーん。私が5ノル前に買った収納袋でーす。なんでも入るんだよね。この中に入れて!」
「そういうのがあったら先に出しておいてくれ...」
ガルバドスは呆れるように言った。
「ごめん!完全に忘れてた。悪気はないよ。もう買い物も済ませちゃったし、次あそこ行こう。」
「またどこか行くのか?もう荷物持ちはこりごりだぞ?」
「ちーがーう!あなたのために行くの。ついてきて。」
そういうと二人はその建物に向かい、中に入る。
「久しぶりだね。みんな。」
レドラが扉を開けると、目の前に景色が広がった。木製の長テーブルや椅子が並び、冒険者たちが酒を飲みながら談笑している。笑い声や怒鳴り声が飛び交っている。カウンターもあり、そこには美しい女性もいる。
「おおレドラ。久しぶりだな。どこに任務に出ていたんだい?」
ガタイの良い男性の中の一人がレドラに話しかける。
「魔術師の任務。これ以上は言えませーん。」
「はっはっは、レドラの守秘義務には困ったもんだ。」
「おやお前さん、見かけない顔だね?どこから来たんだい。」
(まずい、異世界転移したことは黙っておかなければ。)
レドラが何かを察したのか、ガルバドスが口を開く前に、ガルバドスの前に立ち、話す。
「彼は隣の国から来たの。迷子になってたみたいだから私と一緒にここに来たのよ。」
「あぁ、そうかいそうかい。お前さんいいなあ。レドラになんかしたら俺がぶっ飛ばすからな。」
「なんもしてないってば。じゃ用事済ませてくるから。」
「はいよ。」
二人はカウンターに向かって歩き出した。
「レドラ、あの者たちは一体...? 」
「冒険者よ。私と同じ。みんなここで休憩してるみたい。あウェルネスさん!」
彼女が呼んだのは、金髪で長い美しい髪を持った女性だった。白い無地の服に青いドレスを重ねている。
「レドラ!おかえり。任務完了できたかしら?」
「もちろん!はい、これ証明書!」
レドラは、少し古めの紙を彼女に渡した。
「うんうん。はい、確認できました。任務完了を確認したわ。報酬はこれね。どうぞ。」
彼女は下から、3枚の金貨を取り出した。
「ありがとう。ところでウェルネスさん。彼のこと、冒険者登録してくれる?」
「彼って?ああ貴方ね。初めまして。私はウェルネス。この冒険者ギルドの受付を担当しています。」
「ガルバドスだ。よろしくな。」
「では今から冒険者登録をいたしますが...」
ガルバドスは初めて聞いた単語に疑問が隠せなかった。
ボウケンシャトウロクをする
ボウケンシャトウロクをする
ボウケンシャトウロクをする
(...?????????????)
「まず...手始めに水晶玉に手をかざしてもらいましょうか?」
レドラが買った魔道具
買い物途中
ガルバドス「ところで、レドラ。君が買ったこの気味の悪いものはなんだ?」
レドラ「あぁ、それはね、『呪詛具』よ。」
ガルバドス「ジュソグ?とはなんだ。もう少し分かりやすく説明してほしい。」
レドラ「簡単に言うと相手に簡単にデバフ効果...状態異常の効果を与える道具。よくモンスターとかに使われるのよ。」
ガルバドス「なるほど。そういうために使うものなのか。ただ...骸骨の顔を付けた毒々しい道具を君が持つのは似合わないと思うぞ。」
骸骨の顔は黒い煙をまとい、目の部分が赤く光らせている。いかにも呪われそうだ。
レドラ「結構戦闘でも使う優れモノなんだけどねえ。貴方のこと呪ってあげようか?」
ガルバドス「遠慮しとくよ。」
(実はこっそりおなかが痛くなる呪いかけてるんだよねえ。あとで仕返ししてやるんだ。荷物持たせたりして笑)
レドラは自分の企みが上手くいったと思い、にやりと笑った。
だがレドラは知らなかった。
ガルバドスは勇者であるためあらゆる呪いが無効化されてしまうことを。
無効化した呪いを呪いをかけた相手にいずれ戻すことを。




