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異世界帰りの町おこし  作者: 残業200時間
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一服ならぬ二服

意外と喫煙所でビジネスの話って進むよね

 とりあえず、eスポーツ系の学校の設立が決定し、新たにプロチームの設立が目標に加わった。





 ノリって大事だよね。


 勿論、それに関わる相手の選定は重要だけど。


 元引きこもり同志という情もあるけど、熊田氏の飄々とした性格や意外と肝が据わっている点は評価できる。


 バックアップ体制も万全だし、挑戦できる環境があるなら挑戦させてあげたいじゃない。


 親心ならぬ引きこもり心というか、とにかく後押ししてあげたかったわけで。


 いずれは町長にも説明しなくてはいけないけど、そこはあの町長なら大丈夫だろう。


 それに秘書を辞めると決まったわけじゃないしね。


 そこはあくまで本人の意志を尊重するけど、個人的には兼任という形で続けてもらいたい。


 何かと都合がいいし、もしかするといずれ彼が町長になる可能性だってないわけじゃないからね。


 

 

 てなわけで、一つ話がまとまったのだけれど、次はキャンプについてだ。


 正直、こちらはブームが続いているけど、少々下火になっているのではという印象だ。


 俺自身も異世界でガチの野営をしていたから、キャンプについては少々疑問が残る。


 ベルとの観光の時にもキャンプの話題が出たが、たまに恋しくはなるものの、あくまでたまになのだ。


 しかも聞いたら彼自身はキャンプの経験がないらしいし。


 「いや〜アニメとかそういう系の動画ではよく見るんですけどね」


 「俺もアニメはちょろっとだけ見たな。10代の子がソロキャンプするやつでしょ?」


 「それです!他にも社会人のソロキャンパーの漫画とかもあるんですけど、それがまた妙に惹かれて」


 「普段、インドア派だから憧れ的な感じ?」


 「それもあるんですけど、厳しい中にも程よい緩さがあるというか」


 何となく分からなくもないない。俺は何度も野党などに襲われているから、どうしても全面的に賛成とはいかないけれど。


 「実際には非現実的かもしれないですけど、アニメや漫画の設定を現実にできないかなって」


 「というと?」


 「10代の子達にキャンプ場を作ってもらうんですよ」


 ん〜あまり建設的な話ではない気がするが、できなくもないような...


 「実は我が町では、引きこもりだったり諸事情がある子達を受け入れて生活の支援をしているんですよ」


 ほぉほぉ...


 「大まかに言うと、学生の受け入れ態勢は整っています。他にも、町で起業したい若者の支援にも力を入れているのですが、その延長でキャンプ場の設立に携わりたい学生や若者を受け入れてみたいなと」


 「なるほどね。じゃあ生活環境自体はある程度、整っているわけだ」


 「はい。それに土地に関しては僕のほうで融通できるので」


 確かに場所が予め確保できている点は大きいな。しかし...


 「ただ、1つ懸念点がありまして...」


 おそらくアレの事かな...


 「放射能かな?」


 「そうです。提供できる土地は既に問題ないのですが、まだ帰宅困難地域は多いですからね」


 「そんな町でキャンプとなると流石にハードルが高いかと...」


 それはご最も意見だ。建物の中ならともかく、完全な外だとね...


 ただ、彼は見落としている点がある。


 と言うより、今まで疑問をもたなかったのだろうか?



 

 「その点に関しては問題ない」


 「もしかして、懸念点を上回るような魅力あるアイデアがあるとか?」


 「それは違うな。ただ、近い将来、放射線量は大幅に減少し、帰宅困難地域も解除される予定だ」


 「そんな事が可能なんですか...!?」


 「というより、プロジェクトの件を聞いた時点で疑問に思わなかった?」


 「いや、確かに疑問はありましたけど、そこは富田会長のお力で政治的な動きがあるのかと...」


 あぁ〜なるほどね。


 実際は現状でも住めなくはないし、そういう動きで法の改正などを期待していたのかな?


 まぁ、ある意味最終手段としてはありだけど、いずれ爆発しそうな火種を残すつもりはない。


 「最悪、そういう事もできるかもしれないが、それじゃやっぱり長続きはしないし、移住してきても定住者が増えるとは思えないよ」


 「正真正銘、物理的に放射線量を減らす。何なら、被災前よりも低い数値にね」


 「にわかには信じ難いですが、既にそのアテがあると?」


 「あるよ。でなきゃ、プロジェクト自体立ち上げていないさ」


 すると、今度は黙って火をつけ遠くを見つめながら、大量の煙を放出する秘書の姿がそこにはあった。


 「富田会長と蔵田さんが町に来てから、驚かされっぱなしですよ」


 「まぁ、俺はともかく縁とゆかりもないのに突然、富田会長が来たらビビるね」


 「ご謙遜を。正直、蔵田さんの初登場時は富田会長よりも衝撃的でしたよ」


 そりゃあ、横に富田会長がいる状態で、画面越しに紙袋を被った奴が現れたら何事かってなるよね。


 「でも、もう驚きませんよ。蔵田さんはそういうレベルの問題も解決できる方なんですね」


 「う〜ん、それはちょっと語弊があるというか、関係者に恵まれているからね」


 「それでもですよ。何もない人にあの富田会長が付き合うわけないじゃないですか」


 わかりやすいヨイショだが、実際に行動を起こして今の関係性があるから、言われて悪い気はしないね。


 「まぁ、その点に関しては確かに頑張ったかな。でも、それを言ったら君だってそうだ」


 「何もない人間に俺や富田会長は依頼をしないし、手を貸さないからね。これまでの人生や、人となりを見て判断したわけで」


 

 そんな感じで、ちょっとお互いを褒め称える時間が続いたのだが、成人男性のそんなやり取りは大して需要もないので割愛。




 「ともかく、キャンプ場設立の件は問題ない。何なら、この件は他のプロジェクトよりも早く形にしたいね」


 「実際、放射線の問題さえ解消されれば実現可能ですからね。ただ、当面は風評もあって軌道に乗るのは時間がかかりそうですが」


 「となると、宣伝方法が鍵を握ってくるね」


 「ただ、その時期でも応募してくるような人材は多少なりとも期待したくなるな」


 「ですね。普通に考えれば避けるでしょうし、親からの反対もあるでしょうからね」


 「そこはきっちりと安全面の確保というか、説明が肝になってくるな」


 「それでも障害は大きいが、そこを突破しようとする気概のある若者が来る事を期待したいね」


 「全くです。それに、序盤はこちらで簡易的なキャンプ場を作り、そこに町民の方に宿泊してもらったりして宣伝するのもありですね」


 「簡単に言うが、簡易的でもそれなりに費用はかかるぞ」

 

 「またまた〜。蔵田さんなら問題ないでしょ?」


 確かに俺から希望を聞いたんだけど...


 てか、本当先程のやり取りから吹っ切れてるな。


 まぁ、萎縮されてしまうより全然いいけどね。


 

 「問題なくはないが、せっかく乗り掛かった船だ。何とかしよう」


 「本当に何とかなるんですね」


 おいおい、ここにきてそのリアクションはないだろう。

 

 てか、カマをかけられたかな?


 ちょっとイラッとしたが、そういうの嫌いじゃないぜ!


 

 

 ということで、煙を吹かしながら若者のキャンプ場設立が決定した。


 

 

 

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