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異世界帰りの町おこし  作者: 残業200時間
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6人目?の協力者

最高の景色を見ながら吸う煙草は最高

 いつになっても初顔合わせって緊張するね。




 本日は町長の秘書である熊田氏と会談。


 普段は画面越しや電話でのやり取りのみだったが、諸々考慮した結果、直接会って話をする結論に至った。


 勿論、この件はベルや富田会長も了承済みだ。


 プロジェクトを進行するにあたり、現状のやり取りでは効率が悪い。


 あとは単純に誠意に欠ける。


 と言っても、町長や他の町民に俺の存在を明かす予定はないんだけどね。


 けど、熊田氏には土地や現在の新居を含め、色々と便宜を図ってもらっているのでここらが頃合いかと判断した。


 ちなみに、新居を改修した際も業者との立ち合いは彼に依頼していた。


 事前にベルが用意した資料を元に業者に指示を出してもらい、不明な点があったら俺が電話で対応するという形で対応した。


 マジ感謝。


 実際に電話は1度しかなかったし、俺がした事といえば彼や業者が現場に辿り着けるように道を整備したくらい。


 しかも整備といっても、猛々しく育った雑草を除去し車一台分が通れるルートを確保しただけ。


 一応、周辺はある程度探索したんだけど、道らしい道は存在しなかった。


 当然、アスファルトで整備された道もないし、それどころか道の形跡自体が存在しなかった。


 前の家主はどうやって生活していたんだろう?


 謎は深まるばかりだ。


 

 

 ピンポーン。


 少々脱線したが、会談も兼ねて彼をこの新居に招待した。


 記念すべきお客様第一号だ。


 「いらっしゃい。こんな所までお越しいただきサンクス。あらためまして蔵田好喜です」


 彼と画面越しでやり取りする際は、常に紙袋を被ったふざけた姿だが、今回は初っ端から素顔を曝け出させてもらった。


 それにこんなフランクな挨拶が出来る程、関係性が構築されているからね。


 「こんばんわ。あらためまして熊田大樹です。てか、いきなり素顔は反則ですよ!」


 「え?なんで?」


 「いや、声と口調ですぐに分かりましたけど、いきなりはビビりますよ!」


 「普通、ちょっと話してからゆっくりと紙袋を外して素顔公開の流れが常識でしょ!」


 「ん〜常識かどうかはともかく、確かに段階は踏むべきだったかもね。スマンスマン」


 「まぁ、お陰で早々に緊張感が吹っ飛びましたよ。以前、30代とおっしゃってましたけど、思ったよりもお若いんですね」


 「それは嬉しいね。結構、フランクに話していたしオタク話も多かったから、見た目は思ったよりもオッサンじゃん、って思われたらどうしようと密かに不安だったんだよ」


 「それこそ取り越し苦労ですよ。それに、あの富田会長と秘書さんを動かしている方なので、会話は若くても見た目は厳ついオッサンかもと正直、緊張してしました」


 「正直でよろしい。イケメンではないが、見た目の柔らかさは密かに自信を持っているからね。その分、変に舐められて苦労する事もあるけど」


 「所謂、ベビーフェイスってやつですかね?歳をとるほど恩恵がありそうですね」


 「順当に行けばね。下手をすると、若い頃以来再会した人に、逆に思ったよりも老けたと思われかねないから、若い頃とのギャップは地味に不安だよ」


 「上手い話ばかりじゃないんですね。でも、僕の周りの30代よりは全然若く見えるので、安心してもらって大丈夫ですよ」


 あの富田会長を動かしている方...とか言っていたのに、中々に大胆な奴だ。

 

 そういうところも気に入っているんだけどね。


 「若い子にそう言われると普通に嬉しいね。立ち話もなんだし、とりあえず上がってよ」


 


 玄関で靴を脱いでもらい、リビングへご案内。


 「あらためて、素晴らしい景色ですね。それに、現場に立ち会った頃は内装も完成していなかったら、より一層、海が綺麗に見えますよ」


 「だろ?自慢のオーシャンビューさ。この景色がここに住もうと思った決め手の一つだからね」


 ちなみに、ここにベルを含めまだ紹介していない秘書たちと暮らしている事は既に報告済み。


 これだけ広い屋敷だし後々、整合性が取れなくなると面倒だしね。


 「前の家主さんもこの景色に魅了されたんですかね」


 唐突な意見だが、わからなくもない。


 ここはちょっとした山の中みたいな場所だし、町へのアクセスも決して良くないからね。


 正直、現時点ではここに住む理由としてはこの景色くらいしか思い浮かばない。


 「そうかもしれないね。それだけこの場所に魅力があったのかも。ガチの山中ではないし、車さえあれば町へも一応行き来できるからね」


 「アクセスという点さえ除けば、僕が所有する物件の中でもここはピカイチですよ。それに地元民にすら殆ど知られていない場所ですしね」


 「ウチとしては色々と都合が良くて助かるよ。マジ感謝」



 こんな感じで暫く雑談に花が咲いた。


 で、ようやく話が落ち着き...


 「ところで、わざわざ顔を晒してまで会談するって事は、プロジェクトの件で何か話があるんですよね?」


 ご明察の通り。

 

 オタク仲間だけど、ちゃんとビジネスの話に切り替えられる点も俺の中では好印象だ。


 「まぁね。色々確認したいことがあってさ」


 別に素顔を晒した件とは大きな関係性はないのだけど、これは俺の気分の問題でもある。


 とりあえず、話をする前に小休憩を取りベランダに出て一服。



 

 まだ夜は始まったばかりだ。

 


 

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