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異世界帰りの町おこし  作者: 残業200時間
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ポニテ美女への対価

外せない用事があるなら定時で帰っていい時もある...いや、定時で帰るのが当たり前なのですが...

 あ〜あしんどい...




 平和ボケしない為にも、実はこの支払い条件は悪くはないんだけど、相手がな...


 「考え事とは随分余裕じゃないか、我が主!!」


 頭上から、もの凄く重く鋭い踵落としが繰り出される。


 本当は躱したかったけど、反応が遅れた分それは不可能。


 仕方なく両腕をクロスさせて受け止めるが、やはり重い...


 身体全体に受け止めた衝撃が走り、脳まで軽く揺れる。


 これが素の身体能力なのだから、つくづく悪魔は理不尽だ...


 だが、主としてこのまま終わるわけにもいかない。


 とりあえず、踵落としを敢行したその御御足を掴んで、地面に投げつける。


 ちなみに、場所は町から少し離れた海の上。


 当然、結界も張っているし隠密スキルで周囲には見えないように施している。


 

 「俺の踵落としを受け止めておいて、瞬時に反撃するとは流石だな!!」


 投げつけられた悪魔は地面、というか結界の底に両足で着地し、その反動で再び俺に飛びかかってくる。


 しつこいな...


 彼此、戦闘を始めて2時間が経過している。


 正直、俺の素の身体能力じゃ瞬殺されていただろう。


 身体能力を大幅に強化させてやっと、戦闘が成り立つ。


 そこまで苦ではないが、何気に2時間も戦闘しっぱなしで身体強化していると地味にしんどい。


 そして飽きる。


 魔法を無制限で使用すれば、こうも長引く事はないんだけど、そこは唯一の制限とした。


 使用できるのは身体能力強化と飛行能力のみ。


 制限を設けた理由としては、基礎能力の向上と維持を図る為。


 ぶっちゃけ、もっと大掛かりな魔法等はそこまで訓練しなくてもそう腕が落ちる事はない。


 ましてや、魔法に長年慣れ親しんだ悪魔なら尚更だ。


 それより、ポニテ悪魔の突撃をどう対処すべきか...


 おそらく、今度こそこちらが躱すと予測しているだろうし、とはいえまた受け止めるのもしんどい。


 ならば...


 

 「そろそろしんどいし、悪いが今日はここまでだ」


 拳を握り両腕を前に出して、ミサイルのように突っ込んできたが、俺は敢えて両の掌で受け止める。


 そしてその瞬間、部分強化で掌に魔気を集中。


 しかもただ掌に魔気を集めるのではなく、スライムのような形をイメージし魔気を収束させ、ポニテ悪魔の拳に押し付ける。


 「なっ...!?」


 するとあら不思議、スライム形の魔気に跳ね返され再び地面に吹っ飛んだではありませんか。


 まぁ、今回は俺もその反動でちょっと吹っ飛んだけど。


 けど、結界に触れるまでは飛ばされていないからセーフ。


 ちなみにレヴィさんは吹き飛ばされた反動で体勢を整えられず、背中から結界に激突した。


 「イテテテテ...」


 「背中がついたし、今日はこれまで。惜しかったね」


 「何が惜しかったねだ。全力にはまだまだ遠いだろ?」


 それはそうなんだが、これ以上身体強化を施すと精神強化も必要になってくる。


 それはルール違反だし、俺の精神レベルもまだまだという事だ。


 「今はこれが精一杯だよ。そっちだって、まだ上げる気になれば上げられただろ?」


 「それは否定しないが、これ以上上げると諸々支障が出るからな」


 案外、この悪魔も俺と同じ心情なのかもしれないな。


 基本、直情的な性格だが秘書を任せているだけあって、意外と気遣いができる子なのである。



 「それにしても、相変わらず我が主は魔気の扱い方が面白いな」


 「さっきの跳ね返したやつか?それならレヴィにもできるだろ?」


 「出来る出来ないで言えば出来るが、咄嗟にあの発想自体が出ないさ。それに、その前の踵落としも全身に薄い魔気を纏わせて、威力を分散させただろ」


 まぁ、魔気を纏った上で脳を揺らされたんだけどね。


 この娘にこそ、力こそパワーという脳筋ワードがしっくりくる。


 「ご明察の通り。あの一瞬でそこまで分析できたのなら、レヴィにだってできない事はないさ」


 実際、全種族の中で悪魔が最も魔気の扱いに長けているからね。


 「どうかな...さっきも言ったけど、あの発想自体が湧いてこないからな。俺らはもっと実用的というか、実践向きな使い方が殆どだし」


 なるほどね。


 そうなると、案外生活環境の違いが差を生み出しているのかも。


 「発想に関していえば、それは単純に知っているか知っていないかの差に過ぎないな」


 「それは俺たちでも今から知り得る事なのか?」


 「勿論。実は先程の魔気のクッションも、漫画から得た知識なんだな、これが」


 「漫画?あぁ、アシュが夢中になっているアレか。あれは魔導書かなんかなのか?」


 「んなわけ無いだろ。現代には魔法という概念が現実には無いという認識なのだから」


 「なのに、漫画には魔法のヒントがあると?」


 「そう!現代人は魔法の存在を知らないけど、その手の発想とか応用方法の知識は豊富なんだよ」


 「特に異世界系の作品を取り扱っている作者や、その読者はその手のアイデアや知識が豊富だね」


 「ほぉ...まさか漫画にそのような力が秘められているとはね」


 力って...


 まぁ否定はしないけど、魔法が使用できる奴が漫画を読み始めたら、かなり面白い事になるのではないだろうか?


 それこそ、戦闘の幅が大幅に拡がりそうだ。




 「で、我が主、オススメの漫画はあるか?」


 思ったより前向きですな。


 この手の直情型がそういう知識をつけたらどうなるか、ちょっと楽しみかも。


 「とりあえず、異世界ものではないけど、入門編として○ラゴンボールを推奨するよ」


 「それは面白いのか?」


 「愚問だな。我が国を代表する超名作だよ。なんなら、この漫画からバトル系の作品の概念が変わったと言っても過言ではない」


 「我が主がそこまで言うなら期待しようじゃないか!」


 「期待してもらってOKだよ。アシュに貸し出してるから、後で受け取りに行くといい」


 「わかった!てか、最近、アシュが妙に手強くなったのはその作品の影響かもしれないな」


 「え?君たち密かにバトってるの?」


 「別に密かにってわけでもないが、アシュからたまに戦闘の申し出があるんだよ」


 まじかよ...


 なら、着実に以前より強くなってるんじゃないの?


 「そういえば、前回は気円斬って物騒な技を試してきたな」


 めっちゃ影響受けとる!!




 俺は悪魔に禁書を手渡してしまったのかもしれない...


 

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