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異世界帰りの町おこし  作者: 残業200時間
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悪運の強い男

日本人と外国人では報連相の価値観も異なるらしい

 権力者たちの苦労って仕事だけじゃないんだなぁ




 またしても報連相が途絶えていたわけだが、俺が日本人だから気にしすぎなだけなのだろうか?


 だが、話を聞いてみると何とも追及し難い内容だったわけで...


 「実は膵臓に癌が見つかりましてね...もちろん、定期的に検査は受けているのですが、どうも膵臓の癌は発見しにくい上に進行も他の癌より早いらしくて...それをアラスリュケ殿に発見してもらったのですよ」


 何、その能力...!?


 ○馬勇次郎か!?


 そんな能力は聞いてないのだが...


 チラッと横見すると、発見した本人はどこ吹く風といった表情だ。


 「彼女に内臓に違和感があると指摘されましてね。もしやと思って急遽検査を受けたところ、進行著しい癌が発見されたわけです。ギリギリの大きさではありましたが、内視鏡手術で除去できる程度だったので、仕事にも特に支障は出ていません」


 あぁ、あくまで仕事ではなくプライベートだからすぐに報告しなかったって事かな?


 内視鏡手術というのがまた絶妙なラインではあるが、手術には変わりないのだから、手術前に報告をして欲しかったなぁ...


 今回は初回だし、次回からは報告してもらうとしよう。


 


 「実はもう1度、彼女には命を救われてまして...」


 まさかの2回!?


 「流石にそれは報告してほしかったのだが...」


 「いえいえ、たらればの話なんですよ」


 「と、いうと?」


 「これは1週間前の話なのですが、普段通り定時に退社をしようとしたら彼女に止められましてね」


 「私は車で送迎されているのですが、帰りのルートを大幅に変更しろと言われたんですよ」


 ほぉ...ここからは何となく想像はつくな。


 「そしたら帰宅ルートのすぐ側の通り道で銃の乱射事件が勃発しましてね...」


 あ、それニュースで見たかも...


 「もしかして、死者が16人も出たあの事件?」


 「そうです。あのまま私が普段通り乗車して帰宅していれば、事件の発生時間と場所も高い確率で重なっていたと思います」


 ん〜こちらもなんとも追及し難い話だ...


 車から降りなければそのまま素通りできたかもしれないし、病気の件も次の定期検診で発見されてまだ手術でどうにかなるレベルだったかもしれないし...


 ましてやアメリカ人の感覚だと、このレベルはすぐに報告って程ではないのかな?あと悪魔も...


 「あくまで、もしかしたらの話ではありましたが、いずれも大事に至らなかったのは彼女のお陰です」


 「彼女と、彼女を派遣してくれたあなたは私の命の恩人ですよ」


 何ともむず痒い話だ...


 確かに派遣はしたけど、俺自身は何もしてないし...


 てか、アラスリュケをジョンソン会長の秘書に推してたのはベルなんだよね...


 まぁ、他の悪魔でも本当に最悪の事態は回避できたかもしれないが、それでも事後対応になっていた可能性は高い。


 リュケだからこそ事前に察知し、何も起きずに済んだのだろう。


 

 あとは何気にリュケの能力も興味深いな...


 病原の探知に予知能力...


 俺でも使えない能力だ。


 特に予知能力に関しては、初対面で戦闘になったあの時に使用されていれば相当厄介だったかもしれない...


 なぜ使用しなかったのかは不明だが、やはり悪魔は侮れない。


 聞きたい事は山程あるが、とりあえず今は会長に話を合わせるとしよう。


 「とりあえず無事にで何よりだよ。さすがにそこまで想定していなかったけど、ウチの秘書が役に立ってくれてよかった」


 「私も全く想像すらしていませんでしたよ。だからこそ、そんな理不尽を回避できて本当に助かりました」


 そういう意味では会長も相当、悪運が強いのかもしれないね。


 それに、もしこのたらればが発生して世間に公表されようものなら、会社の株価も落ちていたもしれないし大企業の会長は本当に影響力が計り知れない...てか、気苦労が絶えないな。


 これらを考慮するとリュケの功績も計り知れない。


 秘書に就任してそれ程日は経っていないが、十分過ぎる程の働きぶりだ。


 護衛も兼ねての派遣だったが、病原の発見なんて完全に想定外だったし。


 

 

 この分だと他の秘書たちにも警護に関して徹底させたほうがいいかもしれない。


 既にテュラム会長とジョンソン会長にこれだけの災難が降りかかっているわけだし...


 よくこれまで何事もなく生き延びれたものだよ。


 いや、何事もないというわけではないのかな?


 こういうのって信じたくはないけど、因果が巡っているのでは?とついつい考えさせられてしまう。


 ある意味、この2人は俺や悪魔という強力なバックが最近付いた。


 つまり、それに見合ったリスクもあるのではないだろうか?


 俺は等価交換の法則なんて野良犬にでも食わせておけ派だが、案外これがバカにできない。


 力を身につければ、これまで遭遇する事のなかった不幸にも幸福にも直面する。


 それは事実だ。


 自身にも身に覚えがある。


 報連相はもう少し徹底したいが、俺自身も認識が甘かったのかもしれないな。


 以後、肝に銘じておこう。



 

 そして、ようやく本来のビジネスの話に移るのだが...


 

 

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