金と実績、人脈があれば鬼に金棒と拳銃
趣味と仕事のバランス調整が難しい
金が有り余っていれば投資も怖くない!
アカデミーというからには、優秀な選手、というか子供の確保は重要な課題だ。
だが、個人的にはそれ以上に重要な課題がある。
それは優秀なコーチ、スタッフの獲得だ。
例え優秀な選手を選手を獲得できても、その能力を伸ばせなければ意味がない。
ましてや、子供の成長率やその時期など個人差は激しい。
肉体の変化や、置かれている環境次第でいくらでも思考が変化する。
ならば、それらの成長に合わせて指導が可能な優秀なコーチ陣の確保は必須事項だ。
まぁ、どこのアカデミーでもそれは永遠のテーマなんだろうけど...
それと多くのクラブはトップチームのプレイスタイルをアカデミーにも浸透させている。
ここで問題なのは、王子が所有するサウジアラビ国内のクラブの成績だ。
王子に聞いたところ、今シーズンのリーグ戦の順位は現時点で8位。
これまで優勝争いはおろか、トップ3に食い込んだこともない。
案の定、監督もコロコロ変わるしチームスタイルが確立されていないのだ。
「実は、数年前に親族からこのクラブの経営を引き継いだのだが、私は殆ど経営に携わっていない」
「私が関心があるのは欧州のトップリーグだけだからな。引き継ぐ時期も現在の欧州のクラブの獲得に躍起になっていたし」
少々、言い訳がましく聞こえるがこれが真相らしい。
実際、欧州で獲得したクラブは王子が就任した当初は1部から2部に降格寸前だったし。
だが、そこからスポーツディレクターや一部フロント陣のテコ入れ、そしてこれまで前オーナーが利益の多くを自分の懐に仕舞い込んでいたのだが、王子は自身が得られる利益を最小限に抑え、設備や監督、新選手の獲得に資金を投入した。
その結果、残留争いをしていたチームは見事1部リーグの残留に成功。
翌シーズンにはリーグ4位にまで上り詰め、欧州のカップ戦への出場権利も獲得した。
なので、王子はサッカーに関してはこのクラブの運営で手一杯だったのだ。
てか、経営者以前に俺と同じく欧州サッカーの熱狂的なファンなんだよね。
だから国内のクラブに対して関心度が低い。
しかも、引き継いだクラブも半ば強引に押し付けられたものらしいし。
だが、例のプロジェクトの件を聞いた時から、放置していた国内クラブを活用できないかと模索していたらしい。
長い目で見れば、このプロジェクトに携わったアカデミー生が欧州で活躍する可能性だってあるからね。
ただ、サウジアラビア国内だけでアカデミーを設立しても成功は非常に困難なのだ。
まずは欧州や日本のようなノウハウが確立していない。
そして選手、スタッフの人材確保にも限界がある。
そこは金というより、人脈や環境の問題だ。
だが、近年、欧州のクラブのオーナーになり、実績と経験を積んだ事で王子の心境にも変化があったらしい。
そのタイミングで現れたのが俺。
国内規模でのアカデミーの設立はあまり将来性を感じないが、それが世界規模になれば話は別だ。
てか、国内リーグや自国の選手を強化したいなら、他のクラブというか国も協力してある意味一体化する側面が必要になってくるからね。
だが、他のクラブのオーナーは協力や連携といった意識が低く、むしろ煩わしいとさえ考えているらしい。
その時点で日本や欧州のような育成や成長は困難だ。
勿論、王子からしても自国の代表が強化される事は喜ばしいが、実際には現状のシステムでは限界を感じており、それならば別の手段でアプローチしたり、なんなら自国の強化に関係なく楽しみたいのだ。
要は自分が手がけたプロジェクトの選手が後々、欧州の第一線で活躍できれば満足といった感じだ。
それは概ね、俺の希望とも一致する。
で、話は少々逸れたがアカデミーの成功の為には国内外問わず、優秀な選手とスタッフの確保が必須。
そして、俺が提案したいのは欧州の他クラブからのスタッフの引き抜きだ。
勿論、育成に定評のある人物の確保は必須なのだが、俺としては現在トップチームでアシスタントコーチに甘んじている人物を確保したい。
実はトップチームの現状として優秀な監督が優れた戦術、システムを生み出し活躍する反面、実はアシスタントがそれらの役割を担い、監督は良く言えばモチベーター、悪く言えばお飾りといった形でクラブが優秀な成績を収めているケースもある。
あまり多い事例ではないが、確実にそういった優秀なアシスタントコーチは存在する。
そして、分析官などでも優れた人物がいるが、彼らが導き出したデータを生かしきれていない監督が多いのも事実。
なので、現状に不満を抱いていたり、更にステップアップや成長をしたい優秀なスタッフの確保は必須事項だ。
指導者や環境が優れていれば、これまでなら埋もれてしまった才能も花開く可能性が高いからね。
てな事を王子に提案したのだが...
「勿論、それらに該当する人物には既にアプローチしているよ。現在の給与の倍以上の価格を提示してな」
さ、さすが現欧州トップクラブの経営者...
俺が思い浮かぶようなアイディアはとっくに思いついた上で実行していた...
だが、俺もこのままでは引き下がれない。
というか、ある意味こっちが本命なのだ。
「せっかくなら、例のプロジェクトの一部を前倒ししない?」
趣味も相まりちょっとテンションが上がってしまいました。
次話で王子のサッカー編は一旦、区切りを打つ予定です。
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