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異世界帰りの町おこし  作者: 残業200時間
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王子と問題児

首の皮一枚の関係って、見てる側は楽しいよね

 暑い...マジで生活のリズムを昼夜逆転してほうがいいのではないだろうか?




 久々にサウジアラビアに不法入国をして、王子と会談。


 というのは方便で、真の目的はこの後王子と欧州でサッカー観戦をする事。


 試合は俺の推しクラブと王子が所有しているクラブの対戦だ。


 本当は普通にネット配信で観戦する予定だったが、数日前に王子から一緒に現地で観ないかとお誘いを受けた。


 当然、イエスで即回答。


 しかも王子のプライベートジェットで現地へ赴く為、その辺の手続きも何とかなるらしい。


 ルールは守らないといけないが、結果的に我欲に負けた。


 倫理的にも反する行為だが、俺は基本的には自己中心的な人間だ。


 俺の中で、問題ないなら問題ないのだ。


 別に自分が主人公だとか正義のヒーローってガラでもないし。


 


 だが、会談は会談で結構楽しみでもある。


 それに今回は王子に秘書として派遣した、レヴィモスの様子を窺うという目的もある。


 正直、悪魔たちの中で一番不安な人物だ。


 今のところ、王子からクレームはないが逆に不気味で気になる...


 

 

 「お、来たか我が主!」


 王子の自室に転移した瞬間に、パンツスーツで茶髪のボーイッシュな悪魔が瞬時に出迎えてくれた。


 「意外とスーツが様になってるじゃないか。てか、お国柄的にその服装で大丈夫なの?」


 「あぁ、その点は幻惑魔法を使ってるから問題ないさ!服装は勿論、ここにいる連中には現地の40代くらいの男に見えるように設定してある」


 おそらくベルの指示だな。


 男尊女卑が激しいお国柄的にこの判断は吉と言えよう。


 「ところで王子は?」


 「あぁ、あいつなら間も無くここに来るぜ」


 あいつ?


 いや、一国の王子をあいつ呼ばわりって...


 こいつ、本当に大丈夫か?


 「あのさ、王子に失礼を働いたりしてないよね?」


 「失礼?あんまり、そんな事を考えた事はないが多分大丈夫じゃないかな。王族のくせに意外と話がわかるやつでさ、結構楽しくやってるよ」


 嫌な予感しかしないのだが...


 まさか、こんな口調でそのまま王子と接してないよね?


 確かに、相性良さそうだと思って王子の秘書にレヴィを任命したのは俺だが、現時点で不安しかないのだが...



 そして扉が開き王子が現れると...



 「2分遅刻だぞ!我が主を待たせるなよ!」


 おいおいおい!!!!


 何かましてくれてんだこの不良娘!!


 「いやいや、別に問題ないから!てか、お前、王子に対してその態度は何だ!!」


 王子が笑いながら俺たちのやり取りを見ている。


 「良い良い。レヴィモスの言うことはご最もだし、遅刻したのは事実だからな」


 「まずはその辺に腰掛けて、ゆっくり話そうじゃないか」 


 王子に誘導され、1人がけのいかにも高そうなソファーに腰をかける。


 ちなみにレヴィは俺の後ろに立っている。


 王子が寛大で助かったが、不安は増すばかりだ...


 俺も王子や他の協力者にもタメ口だが、ここまでではない。


 口調こそ砕けているが、ちゃんとリスペクトを持って接しているのだ。


 「ところでうちの秘書、色々と失礼をかましてない?」


 またしても一笑する王子。


 「あぁ、よく働いてくれているよ。それに、最初は敬語を使っていたが妙に違和感を感じたので、好きなように話せと指示したのは私だしな」


 そうなの??


 正直、敬語は使えると思っていたが、この様子を見る限り最初から敬語を使用してないと思ったから、意外な事実だ。


 「そうだったんだ。それを聞いて安心したけど、流石に王子を怒鳴りつけた時は肝を冷やしたよ」


 「私も初めて怒鳴られた際は驚いたよ。なんせ、最後に怒鳴られたのは幼少期の頃だったしね」


 「ただ、その時もレヴィモスの発言に不当な点はないし、こちらに落ち度があったからな」


 「だから、彼女には基本的に自由に発言する事を赦している」


 「勿論、他の連中と話す際はちゃんと敬語を使ってもらってるがね」


 ようやく、少し安心できた...


 いや、まだ完全に安心するには不安要素が多い気がするが...


 

 

 「それに、彼女には先日命を救われたしな」


 何それ!?


 そんな報告全く受けてないんだが...!?


 「あぁ、報告しないように指示したのは私なんだ。その程度の事でヨシに不要な心配をかけたくなかったからな」


 「それに、事故の確率が高かったしな」


 話を聞いてみると、どうやら王子が工事現場に視察に行った際、上から鉄骨が落下してきたと。


 失礼だが、なんとベタな展開...


 そして、レヴィが瞬時に鉄骨をさりげなくズラして、間一髪王子には直撃しなかったように演出したらしい。


 正直、レヴィにそんな状況が訪れたら、容赦無く鉄骨を粉砕しそうなものだが、ちゃんとこちらの世界の常識を理解し、空気を読んだようだ。


 これは素直に驚いた。


 まさかそこまで気遣いができるとは...!!


 これもベルの教育の賜物なのだろうか?


 「勿論、現場の担当者や鉄骨を扱っていた当事者には適切な処置をしたがな。それに、念の為に私の人脈とレヴィモスに頼んで彼らの背後関係を調査してもらったが、特に不審な情報は見当たらなかった」


 それは何より。

 

 もし、不審な情報が浮上したら只事では済まないからね。


 まだ、警戒は必要だと思うけど...


 とはいえ、早速、秘書兼ボディーガードの役割を果たしたわけだ。


 後でちゃんと褒めなくては。



 どうやら、一番の問題児かと思われた悪魔は非常に優秀らしい。


 そして、この後更に驚愕の事実を王子から聞かされる事になろうとは...

 


 

 




 

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