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異世界帰りの町おこし  作者: 残業200時間
59/96

放射線の有効活用

渡りに船

 利用できるものは何でも利用する




 「何となく読めてきたよお館様」


 え?


 もし本当に気付いてるのなら、自身満々で言った手前恥ずかしいのだが...


 「放射線を変換して魔気として利用するつもりなんだね」


 大正解。


 

 この案を思いつくまで結構、時間がかかったのにこうもあっさり当てられるとは...


 そうなるとゼルは、現代に召喚された時からこの可能性に気付いていた可能性がある...


 「まぁ、その通りなんだけどなんでこんなあっさり気付いたの?」


 俺としては渾身のアイデアだっただけに気になる...


 「極々僅かだけど、魔気に近い成分を町から感知できたからね」


 「で、他の地域ではそれが殆ど感知できなかった。勿論、他の地域を全て確認したわけではないけど。でもそこで放射線の独占と聞けば自ずと答えが導かれるというわけさ」


 まじか...


 俺がそれに気づいたのは割と最近だというのに。しかも、ベルもその事には気付いていない。


 ゼルは感知能力に優れているのかな?


 「お見事。魔気に近いといっても、他にそういった成分や物質が存在しないから、近いという表現を用いただけで、放射線自体は魔気には程遠い。だがその延長線上である事には違いない」


 「本当によく気付いたね。もしかして、他の皆も気付いてる?」


 「ううん。多分気付いているのは私だけ。皆意外と大味だからね」


 「それに感知できるといっても、本当に極僅かだから大して腹の足しにもならないし割に合わない」


 「なるほどね。確かに魔気の濃度や量としてはあちらの世界とは比べものにならないからなぁ」


 「それに放射線をそのまま体内に取り込んでも意味がない。だから割に合わないって事か」


 「うん。こんな薄い成分をわざわざ集めて、しかも魔気に変換までするとなると、これらに使用する魔気と比較した時に割に合わなくなる」


 「だから大して気にも留めてなかったんだけど、お館様は有効活用法を見つけたんだね?」


 

 その通り。


 っと言いたいのだけど、実はそこまでは思いついていない。


 現状ではとりあえず、放射線を変換して魔気を貯蓄できれば程度にしか考えていなかった。


 それに独占するといっても、あくまでこの町の放射線のみだ。


 他の地域についてはあまりに濃度が薄い為、保留。


 というか、感知できるか怪しい程に薄いのでノータッチにせざるを得ない。


 で、ここからがゼルの出番というわけだ。



 「実はまだ活用方法は思いついていないんだ。いざという時の備蓄程度にしか考えていなくてね」


 「だから、ゼルにこの件をお任せしたいんだよね」


 「なるほどね。それを見越して私を研究者に任命したわけだ」


 うぅ....実はその件については完全に偶然の産物だ。


 勿論、手伝ってもらえたらという考えはあったが、ゼルがここまで放射線の性質に気付いているとは思いもしなかった。


 だって、あのベルですら気付いている様子は見受けられなかったし。


 つまり、少なくとも感知能力に関してはゼルがベルだけでなく、他の全員よりも優れている可能性が高いというわけだ。


 「ま、まぁそんなところさ...!...だからゼルには変換装置の開発をお願いしたいのだが、できそうかい?」


 「断言はできないけど、命令とあらばやれるところまでやるだけさ」


 断言しないほうがかえって安心するね。


 俺としても、ブラック企業の社長や上司みたいに、何でもかんでも「できる」という返事は求めていないのだ。


 できない事は素直にできないと答えてほしいし、あくまで必要なのは現状の客観的な情報だ。


 でないと、建設的な計画が立てられないからね。



 

 「じゃあゼルにはこれを渡しておくよ」


 そう、これはテュラム会長に水を飲み比べしてもらった時に使用したステンレス製の筒。


 どんな汚水でも飲料水レベルにまで変換できる優れ物なのだが、放射線の性質に気付いた時にこれを応用できないかと思いついた。


 ただ、まだ研究や改造にまでは手をつけられずにいたので、そこで秘書業務を拒否したゼルの行動は俺にとって渡りに船だった。


 「これが変換装置のヒントになればいいんだけど、使えそうになければ破棄してもらっても構わない」


 入念に筒を確認しているようだが、早くもその性質に気付いたようだ。


 「わかった。似たような物は制作した事があるし、これがあればかなり完成に近づけると思う」


 おぉ...!!...それは朗報だ!


 てか、似たような物が何か気になる...


 「ちなみに、その似たような物って、今手元に...」


 

 どうやら、こちらの声はもう聞こえていないようだ。


 早くも筒を解体して、何やら確認している様子。


 所謂、職人気質というやつですな。


 ならば、ここで邪魔をするのはナンセンス。


 とことん研究に没頭してもらって、早いところ変換装置を開発してもらうとしよう。


 

 それに学園都市の件についてもこれは朗報といえよう。


 


 

 


 

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