フランスで探偵ごっこ
芸術の都パリっていうけど、二次元オタクからすれば、秋葉原こそ芸術の都と言っても過言ではないよね
さて、ちょっとした観光も終えたし、行動開始。
スマホでお目当ての人物が所属する企業の本社をググる。
ほんと、スマホって便利だわ。
ナビ機能までついていて海外でも楽に行動できる。
とはいえ、高速で移動するとその機能性は著しく損なわれるが。
なので、車の速度程度で移動開始。
勿論、安全を期して空中移動。
そしてものの数分で到着してしまった。
信号と無縁とはいえあっという間だったなぁ。
現地に到着してから住所を調べたけど、やはりパリを目的地にしたのは正解だったようだ。
それにしても、流石に大企業というだけあって、立派な建物だこと。
ただ、日本の大企業のいかにもといった超高層ビルではない。
10階建て程度の高さで、横幅が長い。
日本でもそういう建物がなくはないが、割と限られている。
何より、この建物はデザイン性が素晴らしい。
専門用語がわからないので、抽象的な説明になってしまうが、建物が階段状で高さを積んでおり、屋根裏部屋にあるような出窓がいくつも並んでいる。
そして自然との調和。
思いっきり都市部なわけだが、それでも街路樹は多く、周囲の建物との距離感も程よく空いている。
建物の色はアイボリーで、威圧感などはなく見事に街の風景に溶け込んでいると言えよう。
まだお目当ての人物に出会ってはないないが、これだけでも好印象だ。
まぁ、自然エネルギーに深く関与する企業だから当然なのかもしれないが、これはお見事。
我ながら何様だとツッコんでしまうが、どうやら無駄に着飾るような企業ではない可能性が高いので、一安心。
だが、建物内はやはり現代的だった。
そりゃあ、このクラスの企業なら当然だよね。
入館する人の後ろに尾けて自動ドアを突破するが、やっぱりそうくるよね。
詳しくはないが、最新鋭とも思えるゲートが立ち塞がる。
こういうのって、駅の改札程度かと思ったけど、やたらゴツいな!
当然、警備員も常駐しているし。
「隠密」を使用しているので問題はないだろうが。
てか、こういうゲートって助走つけてジャンプしても引っかからないのだろうか?
空中では物理的に妨害するような機能はなさそうだし、センサーだけ反応して警告が鳴るとか?
早速、スキルを維持したまま空中散歩で実験。
案の定、心配は杞憂に終わった。
やはり「隠密」は赤外線の類もすり抜けられるらしい。
まだ、検証は必要だがこのクラスのゲートを突破できたのだから、大概のセキュリティーは突破できるという事だろう。
これは嬉しい発見だ。
まぁ、ガチの金庫とか公になっていない場所は別格なのだろうが、その気になればいけそうな気がする。
てか、ルパンや物語の怪盗からすれば実に浪漫のないスキルとも言えるだろう。
気を取り直し、まずは上の階を調べたいので階段で移動。
多分、もっと厳重な企業なら会長や社長の部屋があるフロアには階段がないかもね。
直通の専用のエレベーターとかありそう。
調べた限り、富田会長率いる富田自動車程の売上には及ばないが、成長速度が著しい企業だ。
既に毎年、数兆円の売上があるが、あと10年もすれば富田自動車に追いつくかもしれない。
それだけ自然エネルギーの恩恵は絶大とも言えるが、富田自動車も大概だと言える。
で、早速それらしき部屋の扉の前に到着。
だが、扉に付属しているプレートを確認するがどうやらここは社長室らしい。
ここが最上階なのでてっきり、会長室があるかと思ったがその思惑は外れたようだ。
同フロアにはそれらしき部屋が見つからなかった。
そして、一つ下のフロアに目的の部屋があった。
この辺の概念はよくわからないが、社長室の方が優遇されているのだろうか?
それとも外国では上の階が偉い人たちのフロアみたいな概念が希薄なのか?
ここでそんな事を悩んでも仕方ないね。
ちなみにここまできたら当然の流れだけど、言語の壁は問題ありません!
「言霊解析」スキルを使用してます。
要は翻訳スキルね。
こっちに帰ってきて目覚めた後、部屋に飾っていた英字プリントのTシャツを見たら、すぐに翻訳できたからフランス語でも大丈夫だろうという自信はあったわけで。
ちなみにそのTシャツの英字の内容は「neither love no money」→「愛も金もない」
どういう意味やねん!
思わず心の中でツッコんでしまったが、この程度なら直視しただけで、なんとなく意味がわかったとは思うのだが...
なぜこんなTシャツを飾っていたのか。
転移前の己の浅はかさにその時はガッカリした。
と、話が逸れてしまったが早速確認をしないとね。
「間渡り」発動。
扉をすり抜けあっさり潜入に成功。
どうやら会議中、というよりかは3人で談笑中らしいね。
ググってお目当ての人物の人相は確認してあるが、それらしき人物を発見。
場を仕切っているっぽいし、他の2人が多少気を遣っている様子も見受けられるので間違いないだろう。
にしても割とフランクな雰囲気ではあるが。
小一時間程、様子を見ていたが殆どが家族や週末に遊ぶ予定、趣味といったものだった。
一応、まだ出社してから間もない時間帯だと思うのだが、会長だからこそ許されているという感じかな?
いくら海外でも、一般社員が勤務中にここまで談笑するよう事はないと信じたい。
とはいえ、日本人の勤務態度は世界的に見ても異常だとは思うが...
さて、ようやく談笑が終わり2人が退室したが、すぐに入れ替わるように別の人物たちが入室してきた。
そして、また会議ではなく談笑。
会長職とは一体何なのか。
そんなこんなで、そろそろこちらの時間が迫ってきた。
一旦、自宅に帰宅しなくてはならない。
そう、今から10分後には夕飯の支度をしなくてはならないのだ。
実はクソニートではあるが、異世界転移前の俺は料理にハマっており、気づいたら結構な頻度で夕飯作りの担当になっていたのだ。
しかも本日は父親の帰りが普段よりも早いということもあり、早めに仕込みを始めなくてはならない。
というわけで「自己召喚」を発動し、あっさり日本というか、自室に帰還。
ちなみにこの日のメニューは手作り餃子と麻婆豆腐だ。
久々の現代での調理だが、我ながら上手くいったと思う。
たが母親からは美味いと言われつつも、いつもと違うと指摘された。
料理手順に違いがあったのか、はたまた母親の直感なのかは不明だが、やはり女性の勘は鋭いです。
で、夕飯後に再び転移。
するとまた違う人物と談笑するお目当ての人物が目に入る。
そして、この時間が退社時間まで続くとは、この時の俺は知る由もなかった...




