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異世界帰りの町おこし  作者: 残業200時間
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悪魔の名付け

初対面の人にあだ名をつけるとか絶対無理

 悪魔は甘いものに目がないようだ。




 場所は移動して会議室。


 先日、協力者たちが初顔合わせして第一回会議が開催された場所ね。


 そこで5人の悪魔にベルをも陥落させた、例の地元の和菓子を提供したのだが、案の定大絶賛だった。


 本来ならそれに合わせたお茶でも提供したかったのだが、そこはベルがコーヒーを振る舞ってくれた。


 和菓子なんだけど甘さが結構強い分、コーヒーの酸味と苦味が見事にマッチするんだよね。


 勿論、こちらも大絶賛。


 先程まで殺し合いを演じ、死にかけてた連中が竹下通りにいる女子高生並みにテンションが上がっている。



 「どうやらこの世界の文明はかなり高水準のようですね」


 気だるげな青髪の悪魔が心なしか、目が見開いている気がする。


 てか、菓子だけで文明の高さを理解できるのだから、やはり現代の職人というか、製造技術の高さは目を見張るものがある。


 何せ、悪魔の中でも最上級の連中が一瞬で虜になっているのだから。


 「このコーヒーもあちらの世界のものとはまるで別物ね。このコーヒーと比べると酸味も苦味も尖り過ぎていて、ここまでバランスの取れた上質なものではなかったわ。それに香りもグッド♪」


 いかにも、こういった嗜好品に煩そうな赤い悪魔も大絶賛。


 まぁ、この大絶賛されたコーヒーの正体はコンビニコーヒーなんだけどね。


 ある意味、コーヒーの登竜門のようなものだ。


 ベルもその辺は理解しているから、だからこそこのチョイスだったのだろう。


 もしくは、自身もこちらで初めて口にしたコーヒーがこれで、大層感動していたからそういった面でもこのチョイスに至ったのかもしれねいね。



 「「「おかわり!」」」


 他の3人は感想もそっちのけで菓子を貪っているね。


 本当に数万年以上生きている大悪魔なのだろうか?


 そこに威厳とか貫禄といったものは微塵もない。


 「「「ん?」」」


 そんな事を考えていたら、3人から鋭い視線が突き刺さった。


 ベルといい、こいつら悪魔はこういう事に異常に敏感なんだよな...


 表情にも出してなかったというか、俺の表情なんか見てなかったのにこの反応だし。


 負の感情というか、自分に対して不都合な感情に鋭敏とでも言うべのだろうか...


 いずれにしても、今後はより一層気をつけなくては。



 

 「はい、とりあえずお菓子タイムはここまでね」


 「話が済んだらおかわりを用意をするから、まずは君たちに依頼する内容を説明させてもらおうか」


 はいはい、といった態度で席に着く5人。


 まだ教育が足りなかったかな?

 

 「てか、なんでベルが最初からそっちにいるの?」



 いきなり話が頓挫したよ。


 このポニテの悪魔は本当に自由気ままだな。


 でも、ここまで全くその点について説明してなかったから、気になるのも当然か。


 ベルさんもやれやれという表情をしているし、まずはそちらから説明するか。


 「なんでも何も、あちらの世界で既にヨシとは協力関係にありましたから。」


 うん、俺が説明するまでもなかったね。


 素晴らしいレスポンスだ。


 「あとはあなたたちと同じで、突然こちらの世界に召喚されて、彼の計画に協力しているというわけです」


 その通りではあるんだけど、説明が簡潔過ぎないかい?


 「あれ程人間を蔑んでいたあなたが、人間と共存しているなんて本当に意外ですわね。一体、何があったのかしら?」


 少し不機嫌そうな表情を見せるベルさん。


 確かに出会った頃はそんな節があったような...


 そもそも出会い頭で襲われたしね。


 「まぁ、否定はしませんよ。ですが、以前から人間が生み出す嗜好品などには興味がありましたから」


 「ヨシにはそれらを提供してもらい、その代わり力を貸すという協力関係を築いていたわけです」


 まぁ、概ねその通り。


 ぶっちゃけ、俺の方が世話になり過ぎて、対等とは言えないレベルの関係だったけど。


 「ふ〜ん。それでもあのベルレティが、ここまで協力的なのは意外過ぎるけど♪」


 ベルさんが不穏なオーラを漂わせているような...


 まじで、ここでは暴れないでくれよ...


 テーブルや椅子もタダじゃないんだから...



 そして、空気を察したのか銀髪の悪魔が意外な役を引き受けてくれた。


 「気にはなるけど、後で時間がある時にでもその辺は教えてよ。早くお菓子も食べたいし」


 ナイスコメント!


 最後に少し小憎たらしいセリフで締めるあたりが憎いね。



 「じゃあ、話を戻させてもらうがせっかくだからその前に君たちの呼び名を決めさせてもらおうか」


 「後でごちゃごちゃするのもアレだし、今のうちに勝手に決めさせてもらう」


 ポカーンとする5人。


 ちなみに、悪魔に名付けをしたところで特に意味はない。


 能力が上がるとか進化するとか、そういった現象は発生しない。


 が、こちらから悪魔に対する敬意というか、信頼の証明にはなる。


 異世界では悪魔はプライドが高く、自分の名に誇りを持っているので、それ以外の名で呼ぶ事は御法度なのだが、力で屈服させたのであれば、その限りではない。


 あと、試したことはないが所謂、ネームレスとなる悪魔は名付けは一つのステータスになるようだ。


 そして、あっさりと呼び名は決定。



 レヴィモス(茶髪のポニテ)→レヴィ


 アラスリュケ(青髪のミディアムヘアー)→リュケ


 ベルゼル(銀髪のロングヘアー)→ゼル


 リリエル(真紅のショートヘアー)→リリ


 アシュロス(漆黒のロングのストレートヘアー)→アシュ



 ザ・シンプル!


 呼び名は信頼の証なので、ちゃんと原型を留める範囲で決めさせてもらった。


 ちなみにベルをそう呼ぶまでには時間がかかった。


 当時は相当なコミュ障だったし、打ち解けるまでにそれなりに時間を要した。


 しかも、呼び名が信頼の証だとかベルは教えてくれなかったしね。


 そもそも、書物にもそういった記載は一切ないので、知りようがなかった。


 だが、呼び名を変えてからは明らかに親密度は上がったと思う。


 悪魔とはいえ、女心は難しい...



 「てか、いきなり呼び名とか馴れ馴れし過ぎない?」


 あれ?


 流石に手順を飛ばし過ぎただろうか?


 まさかの末っ子悪魔がら正論をぶつけられてしまった。


 「まぁ、このお菓子のおかわりを今すぐくれるなら、その呼び名でも構わないけど」


 可愛いやつめ。


 年齢は俺とは比較にならないくらいの年上だが、見た目も相まって実に可愛らしい。


 


 後でと言ったが、思わずおかわりのご希望に応えてしまう35歳がそこにはいた。

 



 



 


 



 

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