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異世界帰りの町おこし  作者: 残業200時間
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8日目

数日で新人に追い抜かれても、気は確かに

 なんやかんやでベルを召喚して8日が経過した。



 

 例の拠点で2人でコーヒータイムを満喫しているところだが、僅か数日でこの空間も随分充実したものだ。


 つい先日まで「イトリ」でカルチャーショックを受けていた悪魔は今や俺以上にスマホもPCも使いこなし、コンビニやディスカウントショップでの買い物に勤しんでいる。


 「コンビニは素晴らしいです。年中無休で24時間営業。そして豊富なラインナップとハイクオリティーな商品の数々。外国人が日本のコンビニのお菓子を絶賛するのも納得です」


 外国人って...


 君なんか外国人どころか異世界人だよね?


 外国人って単語が出た事にも驚いたが、その彼らが日本のコンビニ菓子を評価しているという感覚を理解している事にも驚愕だ。


 日本どころかこの世界にやって来てまだ8日目だというのに。


 しかも聞くところによると、現代に召喚されてからまだ一睡もしてないという。


 日本どころか世界中を観光?しているらしく、その辺の知識も既に俺を上回っている。


 落ち着いたら色々案内してやろうと画策していたのだが、どうやらその際は立場が逆になりそうだ。


 


 「この世界を相当楽しんでいるようで何よりだけど、例の人物について調査は進んでる?」


 そう、既に次の交渉相手の調査は開始しており、ベルに丸投げしてある。


 本人からすると調査の一環ということで世界中を飛び回っているらしいが、話を聞く限りお目当ての人物はアメリカ本土から外には出ていないとの事。


 調査とは一体...



 「至って順調ですよ。今も分身体が当の本人を監視していますから」


 監視って。


 というより、分身とか気軽に使うなよ!


 まぁ、俺もあまり人の事は言えないけどさ、調査の時はちゃんと直でその人物を見極めたわけで。


 「ベルの分身の精度を疑うわけじゃないけどさ、本当に大丈夫か?」


 疑うわけじゃないと言っておきながら、普通に疑いの言葉を投げかけてしまった。


 だって本音は疑ってますもん。



 「心配ないですよ。そもそも、この様な重要人物を監視するわけですから、十二分に警戒しているくらいです」


 警戒?


 「もしかしたら、私のように異世界から召喚、または転移、転生したものが側にいるかもしれないじゃないですか。もしくは本人がそれに該当する可能性も捨てきれませんし」


 あ、そこまで考慮していたのね。


 「そもそも、これだけの流通網を一代で形成し、世界で五本の指に入ると言われる億万長者の経営者が何もないと考える事自体、不自然というもの」


 「だからこそ万が一に備えて、分身体を派遣したまでですよ」


 な、なるほど。


 よくよく考えれば、俺の行動はかなり軽率でハイリスクであった。


 交渉云々というより、自分の身の安全については殆ど考慮していなかった。


 何かあってもどうにでもなると思っていたし。


 謙虚にしていたつもりだったが、ばっちりイキりムーブをかましていた。


 確かに、第三者がこれまでの俺の行動を知ったら大半の者が軽率と非難するだろう。


 ただ、通常の第三者とベルではその解釈が違う。


 通常であれば、準備期間も短く、その大胆な手法等を指摘されるかもしれないが、ベルが危惧していた点はそこではない。


 俺はこの世界で生まれて、魔法や魔気を体感する事なく生きてきた。


 勿論、異世界帰りしてからは自分と同じ様な人物がいるかもと考え、そのうち調査もしようと考えてはいたのだが、そこまで警戒していなかった。


 なぜなら、そもそも現代で過ごした期間のほうが長く魔法が存在しないという世界での知識や経験が比率として高いからだと思われる。


 客観的になっていたつもりがすっかり先入観に囚われていたのだ。


 確かに隠密などのスキルを使用してはいたが、万全ではなかった。


 異世界でもこれらを見破る者は殆どいなかったが、あくまで殆どなのだ。


 見破る者は見破る。


 それにスキルのレベルは最小限で行使していたし。




 ベルが警戒していた万が一とはこういった事を想定してだろう。


 そして戦闘になれば自分が勝てない相手がいるかもしれないと危惧した上で行動している。


 俺にはそれが抜けていた。


 これは異世界の晩年で無双していた後遺症とも言える。


 異世界であれだけの経験を積んでおきながら、なんとも恥ずかしい。


 ベルもそんな俺の様子を察しているようだ。


 「まぁ、私を脅かす存在なんて万が一どころか億が一程度も存在しないかもしれませんが」


 もしかしてフォローしてくれた?


 なんやかんや、いつもベルには助けられている。今回のように学ぶ事も多いし。


 そもそも突然、現代に召喚されたにも関わらず、すぐに俺への協力の意志を示してくれた。


 感謝してもしきれないくらいだ。


 「私もあちらの世界でヨシに召喚されるまではこんな考え持ち合わせていませんでしたけどね」


 「そうなの?」


 「えぇ、あなたにボコボコにされるまでは」


 あ、そんな事もあったけ…


 召喚した瞬間に○される可能性もあったから、召喚時に色々細工してベルの力に制限をかけたんだった。


 今でこそ制限を解除しているが、案の定、初召喚をした瞬間にベルに襲われた。


 たぶん、召喚時に細工をしていなければ、当時の俺は瞬殺されていたと思う。

 

 ベルからすれば襲撃の失敗は完全に想定外だったのだろうが、その一度の失敗を教訓として活かしているのだろう。


 確かに、あちらの世界でもベルが油断して遅れをとるような事は殆どなかったし。


 といっても、まじで彼女を脅かす存在なんてほんの一握りなんだけどね。


 

 「さて、少々脱線しましたが報告を開始しますよ」


 ん?その服装はなんだ?


  少し目を離した隙に、明らかに服装が変わってるんだが…


 タイトなスーツ姿に端が尖った眼鏡…まさか…

 

 

 「女教師スタイルですよ」


 「こちらの世界の男性はこの衣装の女性に教わると学習効率が上がるんでしょ?」



 一体、何を見てそんな知識を得たんだ…

 

 


 

 



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