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異世界帰りの町おこし  作者: 残業200時間
23/96

〇〇デビュー!

天才と仕事をするのは疲れる

 なんたる出費...


 


 庶民の味方の店で50万円以上も購入する事になるとは...


 結局、食器や小物雑貨、家電、ソファー等を購入していたらあっという間にこんな額に...


 下手に見栄を張るもんじゃないね、まったく。


 当の本人は嬉しそうだからいいけどさ。


 

 だが出費はこれだけに止まらない。


 スマホとPCも購入してしまった。


 これも現代の生活を把握し慣れる為には仕方ない。


 とはいえ、流石に資金が底を尽きかねないので、スマホは新品だが容量は128GB。


 PCも同じく新品ではあるが、数世代型落ちのノートPCで手を打ってもらった。


 てか、スマホもPCもスペックだけなら俺のより上だ。 


 

 既に合計支出は80万円を超えている。


 しかも小遣いとして10万円をベルに渡した。


 俺の手元に残ったのは約8万円。


 無収入の時よりは遥かにマシだが、今後の事も考えるといささか不安ではある。


 早いところ、他の協力者からも報酬をいただく段取りを進めなくては。


 

 ちなみに、電気に関しては幸い大型のバッテリーを所持していたのでそれを利用する事にした。


 しかも、わざわざUSBやコンセントで繋がなくとも、俺自身でバッテリーを充電できる事が発覚した。


 なので充電切れになったら俺が都度、充電をしなくてはならない。


 ベルはまだ電気という概念が理解できていないので、イメージが出来ず充電不可だが、いずれは出来るようになるだろう。



 なので暫くは電気のご利用は程々にね。



 にしても、ベルを召喚してから数日が経過したがまるで嵐のような日々だった。


 大概の質問には答えられると思っていたが、2日目には既に答えられない質問が山程飛んできた。


 なのでそこからはスマホとPCの基本操作をレクチャーし、あとは自力で現代について学んでもらう事にした。


 

 そして驚きだったのは、実家に某有名店のケーキが届いた時だった。


 なんと、あの悪魔は現代生活3日目にして通販のお取り寄せを敢行したのだ!


 しかも宛先はちゃんと俺の氏名と実家の住所が記載されており、支払いは口座引き落としになっていた。


 いつの間に俺の口座の番号を控えたんだ!?


 それ以前に通販サイトの閲覧まで辿り着いたのは百歩譲ってわかるが、なぜ現代生活初心者が教えてもいないのにアカウントまで作成して、届け先や支払い方法まで完璧に入力できているんだ。


 なんなら、住所だってまだ教えてはいなかった。


 俺の個人情報ダダ漏れやん...


 異世界から来て3日目の奴に速攻で個人情報を奪われるとは、なんたる不覚...


 


 しかも宅配業者からケーキを引き取ったのは母親だ。


 どこにそんな金があるんだと一喝されてしまった...


 とりあえず、在宅でバイトが見つかったと安易な嘘をつき、ケーキに至っては後日、別で注文するから今回だけは俺一人で食わせてくれと、強引に押し切った。


 しかも隠密スキルを使用してあの悪魔は俺の醜態を覗いていやがった。


 


 今後の為にも一度滅ぼしてやろうか...




 割と冗談半分本気半分でそう考えたが、そこはベルが上手だった。


 なんと、既に現代知識はおろか各国の歴史や情勢まで的確に把握しており、なんならプレゼン資料まで用意していたのだ。


 全くもって理不尽だ。


 既に現代で必要な知識とスキルを俺よりも持ち合わせていやがる...


 これが現代に召喚されて3日目に通販で買い物を行い、4日目の現在、例の拠点でケーキを美味しそうに食べながら俺に演説を行った悪魔の所業だ。


 


 本当に理不尽極まりない存在だ。



 俺だって、魔法を使用すれば頭脳面でもある程度は向上できる。


 だが、この悪魔はそんなものは使用していない。


 素の状態でこれなのだ。


 基本スペックが人間と違い過ぎる。

 

 一教えたら十覚えるとか、そんなレベルではないのだ。


 見聞きしたものを覚えるだけでなく、そこからの推測やどのように学習すれば最も効率が良いのか、その最適解を平気で導き出すのだから末恐ろしい。


 まだコンビニにも行ったことがないくせに、なんて奴だ。


 ○ラゴンボールでいう、舞空術よりも先に超○イヤ人になれちゃいました、みたいな感じだろうか?


 

 色々とツッコミたいところだが、冷静に考えれば、これは想定よりも早く事を進められるという証明でもある。


 

 「あのさ、ある人物との交渉を任せたいって、話したじゃん?」


 「その人物って○○って人なんだけど、知ってる?」


 「当然、知ってますよ」


 チョコレートケーキを頬張りながらあっさりとした回答が返ってきた。


 

 「むしろ、この世界で知らない人なんているんですか?これだけ生活に根付いている企業の会長なのに」


 現代生活4日目の奴が、違和感なく企業なんてワード使うんじゃありません!


 逆に違和感だらけだわ。


 それに、その会長が経営している企業の名前は知っていても、意外と経営者の名前は知らない人多いんだよ。


 一気に知識を詰め込んできた分、その辺の認識はまだまだ乖離がありそうだ。


 その辺はしっかりと俺がフォローしなくては。


 

 とはいえ、ちょっとした微調整が済めばすぐにでも単独で交渉に行けそうな雰囲気だ。


 もう、明日にでも視察に向かわせようか?


 気が早い気がするが、それも悪くないかもしれない。


 俺自身が現代に帰ってきてから割と節操ない動きしているし。



 とりあえず、ベルにお裾分けしてもらったチョコレートケーキとコーヒーに舌鼓しながら頭を落ち着かせる。


 そういえば、ケーキはともかくこのコーヒーは一体...


 すると俺の心情を察したのか、悪魔がニヤッと微笑む。



 「○タバのドリップコーヒーですよ」


 はぁ!?


 こいつ、コンビニよりも先に○タバデビューしやがった...!!


 


 もう、好きにしてくれ...


 


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