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異世界帰りの町おこし  作者: 残業200時間
21/96

拠点確保

プライベート空間はとっても大事

 ようやく海岸でのやりとりが終了した。




 俺のにわか知識をベルに叩き込んだわけだが、いささか懐疑的な反応が多かった。


 例えば世界の国の数が200を超えてるとか、総人口が80億人を超えてるとか。


 特に人口に関しては魔気を全く感じないこともあり、軽く戸惑っていた。


 異世界ではほぼ全員が大なり小なり魔気を身体に宿していたからね。


 現代はその真逆。


 てか、俺以外に魔気持ちが1人でもいるのかすら、かなり怪しい。


 いつか本気で魔気持ちを探すのもアリだね。



 俺みたいな異世界帰りがいるかもしれないし、そうでなくても元々身体に宿している原石が見つかる可能性があるわけだし。


 てか、そんな奴と敵対したくないから、出来る事なら早めに懐柔するか対策を練りたい。




 そんなわけで、その辺もそのうちベルに丸投げするつもりだが、まずは現代の生活に馴染んでもらわねば。


 とりあえずは隠密スキルで行動を共にしてもらうが、まずは拠点が必要だ。


 常に隠密を使用し続けるのもストレスになるだろうし、俺の部屋は6畳しかない。


 何より彼女らがいる本来の世界への帰還は拒否された。


 確実に再召喚できる保証がないからと。


 まぁ、現代に帰ってきて1ヶ月も経過してないし、何があるかわからないからね。


 なので、確証が得られるまではベルは帰還しない事が決定した。



 

 「俺の家というか、実家の部屋は狭いから論外として、賃貸に住むわけにもいかないしどうしたものか...」


 「全く、そんな事も考えずに私を召喚したんですか...準備期間とは一体...」


 「う、うるさいよ!俺が段取り苦手なの知ってるだろ!」


 イタいところを突かれ思わず反射的に反応してしまう。


 だが、このままバカにされっ放しというわけにもいかない。


 仮にも俺はこの悪魔の主人でもあるからね。



 「なら、今から住処を作るしかないな」


 「まぁそうなるでしょうね」


 ..........


 「あちらの世界みたく、その辺に家とか小屋を建てるわけにもいかないから、洞窟でも掘ってしまうか」


 「悪くはないですね。なら、あの辺を掘って欲しいです。」


 その指差した先には断崖絶壁で岩肌には当然波が打ち付けられている。


 一瞬躊躇いが生じたが、波の届かない高さに掘ってしまえば問題ないか。 


 そして周囲に誰もいない事を確認し、隠密、飛翔、身体強化スキルを駆使して即座に作業を開始する。




 掘削作業を始めて5分。


 洞窟内の壁も綺麗に削り取り、15畳程の空間が完成。


 更に念の為、「結界」スキルも発動し安全面も確保。


 そして掘った際に生じた破片を集めて、入り口は完全に塞いだ。


 これで外から見られても気付かれる心配はない。


 洞窟内を出る際は自己召喚を使えばいいしね。


 当然、ベルもこのスキルを使用できる。


 


 更に収納袋から家具を一式取り出しセッティング。


 テーブルと椅子は先程使用したもので、3畳程のラグマットもある。


 あとは3人掛けのソファーに、簡易的な寝袋も用意。


 当面はこれだけあればなんとかなるだろう。


 とはいえ、これだけでは少々もの寂しい。


 今はベルの魔法で灯を灯しているが、ランプを使用するのは一応避けた。


 大丈夫だとは思うが、一酸化炭素中毒みたいなのは避けておきたいし。


 そして灯りについてはベルからも忠告を受けた。


 

 「悪魔だからって、年柄年中暗闇を好むわけではないんですよ」っと。



 せっかく別の世界に来たにもかかわらず、あちらの世界と同じ...いや、これだけだではあちらの世界のベルの部屋よりもグレードが落ちている。そもそも寝る時はしっかりベッドと布団を使用していたしね。


 他にも俺の部屋で使える物があればそれを持ってくるとして、取り急ぎ照明とベッドは必要だろう。


 だがベッドフレームもなければ、マットレスや布団もない。


 

 

 こうなったら庶民の心強い味方、家具屋の「イトリ」に行くしかないかぁ...


 正直、現在の懐事情はかなり厳しいが、間も無く富田会長から報酬の支払いが行われる予定だ。


 異世界帰り後の初給料は憧れのゲーミングPC購入を画策していたが、それは難しいかもしれないなぁ。


 ちなみにまだ両親には内密なので、もう少し時期を見てから旅行でもプレゼントするつもりだ。


 クソニートだが、親孝行するくらいの気概と感謝の気持ちはあるのだ。




 ここ重要。


 ニートは特に両親への感謝の気持ちを忘れてはいけないよ。



 

 そんなわけで悪魔との家具屋のデートが確定したのであった。

 

  


 


 

 

 

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