第二章―Ⅰ― 「基本は大事です」
【……リゾル様、アルスが異世界へと旅だった模様でございます。
鳳凰も一緒のようで。
どうしましょう?】
【ふむ。あいつらが降り立った世界は?】
【ガルム、にございます】
【そこにサイガを送れ。始末するだろう。
だが、鳳凰だけだ。アルスは連れて帰るのだ】
【承知】
「……うん……?」
アルスが目を覚ました。
腰の後ろには風の刃。(腰の真後ろに鞘をさしている)
手には鳳凰玉が握られていた。
「そっか、異世界……ここがなぁ……」
アルスが見た風景は、まず、遠くの方に大きな火山があった。
噴火しているのがここからでも分かる。
空は青く、現実世界と何も変わらない。
いや、変わる所があった。
それは、魔物がいることだ。
「……!」「……?」
なにやら、魔物の姿はヒト型の化け物とオオカミのような風貌の化け物。
「わわわ、どどど、どうすりゃいいんだよ?」
すると、鳳凰玉が光り出し、宙に浮かんだ。
そこからデフォルメされた鳳凰が現れるとアルスの頭の上に乗った。
【焦らないで。あの二匹はアイガとサキグ。雑魚ですよ。風の刃で風魔斬を使ってみては?】
「ああ、分かった……!」
アルスは剣に、刀身に力を集中!
パシュウ! と剣を取り巻く風の渦が現れると次は剣の形に生成された。
渦巻く風は、どこか黒く、闇を連想させた。
風魔斬だ。
「行くぞぉ!」
アルスはオドオドしながらもアイガ(ヒト型)に向かって剣を振り下ろす!
ザシュ!
と音がし、アイガは倒れた。
そして、死体は消えた。
「えっ? 消えた?」
【異世界を支える力、『ラーゼ』となったのです。ラーゼは、この世界のエネルギー。|現実世界 《リアル》で言う空気と同じです】
「へぇー」
と、鳳凰が解説しているとサキグが ガアッ! と吠えて走ってきた。
「うわわ! えーと、えーと、し、真空波!」
突っ込んできたサキグに真空波は的中。
切り刻まれ、ラーゼとなった。
【おみごと! できるじゃないですかぁー】
「へへへ。楽勝楽勝!」
【さあ、まずはあの火山へ。宝玉の気配がしますよ】
「オーケー」
アルスは、初勝利。
気分よく火山へ向かった。
しばらくして。
「やっと、着いたぁー。しかし、あんなに噴火しているのにふもとに村かぁ」
【聞いてみましょう。あの火山のことを】
~ボログ村~
メモ
火山のふもとだけあり、火山灰が所々に積もっている。
話を聞くと火山灰は害はなく、むしろ健康にしてくれるらしい。
噴火の時は、なぜかこの村には何もないのだと言う。
「なーるほど。すごいな、異世界」
一人で納得。
「そういや、この世界はなんて言うんだ?」
【ここは、ガルムですね。一度来たことがあるようなないような……】
「たよりないなぁ」
不満げに言うアルス。
顔を赤らめると鳳凰は、
【今日は宿に泊まればいいんじゃないですか?】
と言って鳳凰玉に入った。
「そーするか、あ、メモに書き加えなきゃ」
メモ
火山のふもとだけあり、火山灰が所々に積もっている。
話を聞くと火山灰は害はなく、むしろ健康にしてくれるらしい。
噴火の時は、なぜかこの村には何もないのだと言う。
火山の名前はヨシュレルクだそうだ。
鳳凰は記憶が曖昧だ。
鳳凰は間抜けだ。
「っと。さあ、宿はどこだっと」
宿を見つけアルスは考えをまとめながら眠った。
この小説で剣はツルギとよみます。
これ、ゼッタイ。
ではシーユー