表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/9

第一章―Ⅳ― 「神風と鳳凰、立つ」

【では、行かなければなりません】


「わかってる」


今日は、アルスがフロルを立つ日。

ある者は応援し、ある者は悲しみ。

そして、ラルは――


「ラル? おーい! ラルー!」


アルスがラルを探していた。

別れを告げに来たのだ。


「あ、居た。ラル、そろそろ行くよ」


「ああ、がんばってね」


「おう! 任せとけよ!」


ラルは笑ったが、どこか寂しそうだった。

自分も行けたらいいのに……と思っているに違いない。


「気をつけてね! まあ、アルスは剣術がうまいしなぁ」


ハハッと笑うが、やはり目が笑っていない。


「……行けたらいいのに……」


ボソッと言ったのをアルスは聞いたが、何も言わなかった。


「じゃあ、行くな」


「うん……」


アルスが、町の広場へ向かおうと言った。

いよいよ出発だ。


【行きましょうか?】


「頼む」


最後にアルスは村人に別れを告げる。


「がんばれよ!」


「リゾルなんてさっさと倒して戻ってこいよ!」


口々に応援、祝福。

そして、


「アルス、帰ったらまた、剣術教えてね!」


「……うん。きっと教えるさ! ラル!」


拳と拳をコツンと当て、ニィと笑う。


【行きますよ!】


バサァッ! と鳳凰が羽を広げた。

その瞬間、空間に渦が出現する。


「じゃあ、行ってきます!」


タンッとジャンプし、鳳凰玉を持って渦へ、飛び込んだ。




神風と鳳凰、立つ。


渦は、消えた。








第一章 風が知らせる時 完結



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ