なぞなぞは、不得意です
企画三日目です!
本日もありがとうございます!
それでは、本編をどうぞっ\(^o^)/
ダンジョンには、多くの謎が残っている。
そのうちの一つが、モンスターはどこからやってくるのか?だ。
確認されている限りの最下層まで、歴代のダンジョンキーパーによって、隅々までマッピングされているにも関わらず、いくら駆逐しても、次の日、次の週には、再びモンスター達がダンジョンを歩き回っているのだ。
ゲームの世界なら、リソースによる再ポップとか、そういう解釈を観たことがある。だがしかし!歴代のダンジョンキーパーの探索調査の中で、モンスター召還の魔方陣があったとか、モンスターがポップする進入不可能な部屋があったとか、そういう報告は存在せず、ただただ毎日のように再度出現するモンスター達の報告があるだけだ。
レポートだけを読んだ人達は、揃って、似たようなことを言う。ダンジョンは、政府が不都合なことを隠すための施設なんじゃないのか!?と。
いや、わかる。
リアルな世界で、倒しても倒しても、ちゃんと質量のあるモンスターが、毎日わいてくるとか、信じられないよな。
だが、俺達は知っている。それが真実なんだと。
そして、そんな傍迷惑なダンジョンの有り様にも、一定のルールみたいなものが存在している。
その一つが、浅層には浅層の、深層には深層の、それぞれのレベルにあったモンスターが棲息しているということだ。
単純にいえば、深く成る程、モンスターの脅威度が上がっていくということ。
なぜかは知らないが、普段、モンスター達は住み分けを自主的に行っていて、浅い層にはそれほど強力なモンスターは現れないというのが、定説だ。
だがしかし!!
たまに、その定説を否定するような出来事が発生する。
そう。めっちゃ強いやつが浅い層で確認されるのだ。
迷惑!めっちゃ迷惑!!
もうやめて欲しい、そういうイレギュラー!!
だが、起こるものは起こる。
現に今も。
「んなぁ~、あれは、なんかゴブリンぽいナニカが、ビーコンに突っ込んでるなぁ。ありゃ、修理じゃなくて、交換だな」
「ですね~。ゴブリンと蟻が縄張り争いでもしたんでしょう。かなり荒れてますよ。保全設備は、、蟻がゴブリンを吹っ飛ばしたのが、ぶつかって破損ってところですかね。」
「っす~、、」コマチも、嫌やわ~って言ってるし。
今は、念のために遠くから、探査用のドローンを飛ばして、目的地のビーコンエリアを覗いているんだが、、、デカイ蟻が、数匹うろうろしていて、なかなかな恐怖映像になっている。
「漣さん、保全設備も含めて交換するとなると、時間ギリですよね?」
「あそこまでぐちゃぐちゃにされてるとなるとぉ~、そうだなぁ、ギリアウトか?」
「時間ないし、早速、やっちゃいますか!班長!」
「タツミ、待て!ハウス!」
「ワンっ!って、なにやらすんですかー!?」
「いや、俺なの!?じゃなくて!!んなぁーもう!だから、時間ないんだって!シノブ!」
『ワン。』
「お手。いや、違ーう!!シノブ!あの付近に、広めの空間があるか、調べてくれ!」
『目的のビーコンエリアから、進行方向約30m地点に分岐があります。その4分岐の内、右方向に曲がると、すぐに広い空洞が拡がっています。確認できた蟻が全匹入ったとしても、問題ありません。』
「オケオケ~。うーん。よし!二手に分かれよう!俺とタツミ。漣さんとコマチの2チームで、対処します。タツミと俺が、蟻を引き連れて、空洞まで引っ張っていきます。漣さん達は、タイミングを見てから、エリアでの仕事に掛かってください。コマチ、サポート頼むな!」
「おぉっす!!」
「タツミが先行、30秒遅れで俺も出る。カウントは、任せた!」
「きたきたぁー!シノブぅー!運転は任せたよー!」
『アクセプト。安全運転モードでいきますか?アラブルモードでいきますか?』
「もちもちのアラブルでしょー!!」
『アクセプト。・・・おらぁー、いくぞー』
毎回思うけど、シノブ、、ぜんぜんアラブレテナイよ?
「カウント!ファイブ!フォー!スリー!ツー!ワン!!シノブ、ゴー!!」
『とばすぜぇー。タツミ、舌を噛まないように。』
「ひゃっほぉー!!」
タツミの乗ったビーコンが、急発進していく。
うまく誘導してくれよ、タツミとシノブ!
そして、今度、佐倉博士には、テンションの概念について、考えてもらおうと思う。うん。
☆☆☆☆☆
「ぅぁぁぁぁ!やっぱ、いやー!!近くで見ると、さらにいやぁぁぁぁぁぁ!」
カーブを曲がって、目的のエリアが直視できる所まで進むと、タツミのバギーが、蟻たちをライトで照らす。すると、蟻たちが一斉にタツミバギーを振り返った。ギロッ
「いゃぁぁぁぁぁぁ、突っ込むーーーー!!」
『あおるぜぇー、おらおら~』
蟻たちは、バギーと同じくらいのサイズがある巨体だ。
ビーコンエリアは、それなりに幅のある場所になっているはずだが、確認できる8匹の蟻たちがうろうろしているせいで、狭く感じてしまう。
8匹の蟻たちが、バギーに向かって動き出した。
「ひぃぃぃ!シノブ!きたよ!」
『合点承知之助!!』
シノブは、各種センサーによって、立体的映像処理を行っているので、俯瞰的に視覚を捉えることができる。
つまり、どういうことになるかというと、、
『急停車、急発進、急ブレーキが続きます。しっかり掴まっていてください』
「いゃぁぁぁぁぁぁ、ぶつかるぅっ!ふぎゃっ!おふっ!うんにゃゃゃぁぁぁっっ!」
バギーが、シノブの計算通りに、蟻たちの間をギリギリで縫うように走り抜けながら、8匹全部の注意を引き付け、煽り、追いかけさせることに成功した。
蟻たちも、足で突き刺そうとしたり、体当たりしようとしたが、ギリギリのところで、交わしていく。
『班長、このまま空洞まで行くぜぇ~』
「おっ、おう。後ろから追いかけるから、ハグレは気にしなくていいぞ」
『合点』
アラブルとはいったい、、、
タツミから30秒遅れで動き出した、白玉バギー。
シノブの誘導に、もし一匹でも反応しなかった場合は、そのハグレの対処をするために遅れて発進したのだが、杞憂に終わったらしいので、急いで合流に向かう。
白玉バギーのサブ画面には、タツミバギーと蟻たちの追走劇が3D処理されて映されている。現在、シノブが運転コントロールしているのは、タツミバギーだけなので、あとの三人は自走していて、メイン画面は、そのままフロント越しの風景になっている。
「ん?分岐直前、通路が少し狭くなってるな」
3D映像には、わかりやすく色を変えて通路の壁も映っている。
タツミバギーと蟻8匹の追走劇は、もうすぐ分岐というところまで進んでいたが、分岐に向けて少しずつ通路が狭くなっている。
何匹かの蟻は、横に重なるように走っているので、通路に沿ってだんだん互いの距離が近くなってきている。
「これは、あっ、やっぱね!そうなると思ったよ!」
横に重なるように走っていた蟻が、通路の狭さから真ん中に寄ってきた結果、足を互いに絡ませて、転倒したのだ。
8匹の内、6匹はそのままタツミを追いかけて走り去っていったが、2匹が分岐手前でハグレてしまったらしい。
『班長のバギーも、アラブりますか?』
「いや、問題ない!タツミのバギーに集中しろ、シノブ!すぐに追い付く!」
『合点!』
少し走ると、ついに肉眼で蟻が見えてきた。すでに絡まっていた足もほどいて、立ち上がっている。ライトに照らされて、こちらにも気づいたようだ。前足を上げて、威嚇してきているらしい。
「スピード上げるから、ついてこいよ、蟻さん!」
アクセルを踏み込み、スピードを上げていく。
2匹は、通路の端と端にいて、真ん中を向いて、向かい合っている形だが、左側の蟻が、少しだけ奥に、右側が手前にズレている。
スピードを上げつつ、軽く左右に振ると、素直に蟻たちも反応してくれる。
「よぉーし、いい子たちだぁ。でも、ここは邪魔になるからな、ついてこいよぉ!」
もう少しで蟻たちに近付くというタイミングで、手前にいる右側の蟻の後ろ足を狙って、威嚇弾を撃ち込む。
「っしゃっ!命中!抜くぞっ!」
威嚇弾は、軽い電気弾で、少し痺れるくらいだが、モンスターを怯ませることはできるくらいの威力がある。
威嚇弾をくらった手前の蟻は、怯んでバランスを崩している。その隙に、足下をすり抜けていく。
もう1匹が、威嚇に上げていた足を振り下ろしてくるけど、それもドリフト気味に避けて、2匹の間をなんとか抜けきる。
「おっしゃあっ!あとは、君たちに、ついてきて欲しいんだけどぉぉ?」
スピードを少し緩めて、振り返ると、2匹ともこちらを向いて、走り出そうとしていた。
「釣れたっ!こっちだよ、蟻さん!」
上手くハグレた蟻を誘導することに成功したので、タツミの後を追って、空洞を目指す。
「漣さん、コマチっ!蟻さんたちは、全員お出かけしたから、作業に掛かって大丈夫!シノブは、バギーシステムで、周囲の警戒を頼む!」
「あいよっ」「っす!」
『合点っ!』
よし!あとは、蟻さんたちと楽しいバギーレースだっ!
「タツミ!そっちは、どうだ!?こっちは、分岐を曲がったから、もうすぐ合流できるぞ」
「蟻さん、2匹やりましたぁ!うわっと、おぉほぉっい!けど、意外とこいつら俊敏でうにゃぁぁ!曲がるぅぅぅ!」
なんか、大変そうだけど、一気に片付ける!!
3日連続のつもりだったんですが、、
明日も、企画続きます\(^o^)/
おそらく、夜10時の投稿になるとは思いますが、時間は不明です!
お楽しみに゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜