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ビールって、いつから美味しくなったんだろ?

枝豆!

ビール!!


本日は、ホッケの干物が夕飯の予定です!←なんの報告(笑)


皆様、暑い日が続いております。

熱中症などにお気をつけください!


それでは、本編をどうぞっ!



 浅層管理部第三課から出て、ブリーフィングルームへ向かう。


 今いるこの棟は、いわゆる管理棟で、浅層管理部の事務局はもちろん、深層管理部や経理、その他諸々の事務局などが入っている。

 俺たちにとっては、どちらかと言えば、いわゆる非番の日に仕事をする場所だ。これは、一般的な意味での非番ではなく、()()()()日という意味だ。

 俺たちも、毎日四六時中潜っているわけじゃない。普通に報告書だの計画書だのを作ったり、他の部署や企業との交渉・折衝など、事務仕事なんかも多数あるわけで、そのためのマイデスクってことだ。


 ただし、マイデスクは存在しているが、ここで仕事をしなければならないということではない。この敷地内には、カフェやレストランが複数併設されているし、フリースペースもあちこちに作られているので、好きな場所で仕事をしていいことになっている。漣さんは、非番の日には、たいてい三課のデスクで仕事をしているが、タツミやコマチは、ほとんど三課には顔を出さない。公務員と言っても、そこら辺はかなり自由だ。

 

 管理棟三階から空中通路を通って、今度はいわゆる実務棟へ移動する。

 空中通路からは、グラウンドで訓練中の集団が遠くに見えた。


 『そろそろ新人が入ってくる時期になりましたね。白玉班にも、補充されるのでしょうか?』

 漣さんの胸ポケットに折り畳まれて差し込まれたデバイスから、シノブの声が聞こえてくる。胸ポケットから少しはみ出した箇所に、カメラとマイクがあって、シノブにはほぼ同じ景色が見えているのだ。


 「どーだろーな~。俺は、今の班がちょうどいいんだがなぁ」


 「うちらは、四人。他の班が少なくとも五人から六人と考えれば、少ないのは間違いないからな。班長の言い訳も、そろそろ上には通じなくなるんじゃないか?」


 「課長はいいとしても、部長がなぁ~。はぁぁ。もしかしたら、今年は新人辺りが配属になるかもしれませんねぇ」


 不安なような、少し期待もあるような、そんな気持ちでグラウンドを見渡すと、遠くて顔は見えないけど、体格から見て女性らしき人物が、ちょうど彼女(仮)よりも大柄な男性を組み投げ飛ばしたところだった。


☆☆☆☆☆


 実務棟。

 管理棟に対して、通称でそう呼ばれる施設は、本名を

〖Administration office of the Dungeon keeper〗

 という。はずだ。たしか~、そうだったと思う。だが、ほとんど皆、実務棟と呼んでいるので、もしかしたら、本名すら知らない関係者もいるかもしれない。


 この実務棟には、作戦統括本部やそれに付随する部局、技術局の一部などが入っていて、俺たちが関係する所だと、ブリーフィングルームやオペ室(これも通称)なんかがある。


 外周の公園、周回道路、管理棟を初めとした各施設。これらの〖口〗の中心部、その一つがこの実務棟となる。


☆☆☆☆☆


 うぃぃーん(自動ドア)


 ブリーフィングルームに入ると、

 「あっ、おはようございます!班長!漣さん!」(タツミ)

 「ざますっ!」(コマチ)

 二人が、先に来ていたようだ。


 「コマチ~、せめて、おをつけろ、おを。ざます。って、貴族の挨拶かよ」

 「おざますっ!」

 「うむ!おはっす~。コマチ、今日は一段と仕上がってんなぁ」

 「あざすっ!」

 コマチは、説明する必要がないくらい、マッチョだ。今にも、シャツが弾けそうになっている。

 コマチは、非番の日はたいていトレーニングルームかグラウンドにいる。もちろん、ブラザー達といい汗を流すために。


 コマチがうちの班にきてから、ある意味一番変わった人間かもしれない。元々、マッチョだったが、配属された頃のコマチは、正直使える筋肉ではなかった。ただの大きな筋肉は、戦闘には向かない。それを、この班で理解した(させられた)コマチは、筋肉を使うことを覚え始めた。まだ、身体の連動性や粘りが足りないけど、元々地道に鍛えることには、一日の長がある彼は、鍛え方さえ理解すれば、それを楽しむことができる。まだまだ伸び代の多い班員だ。


 「え?仕上がってるって、班長、コマチいつもと違うんですか?さっぱりなんですけど???いつも通りマッチョなんですけど??」

 今日もポニーテールが揺れているタツミは、高校時代にeスポーツで全国優勝をしたこともある、うちの最強バックアッパーだ。今日も、伊達メガネが光ってるぜ!!キラリッ!


 「しょ~がないなぁ~。シノブ!タツミに、コマチの仕上がりについて、説明して差し上げなさい!!」


 『合点(がってん)承知之助(しょうちのすけ)。コマチの広背筋から肩にかけてのラインが、先週末よりも、0.26%絞れています。更に、四頭筋が』


 「わぁわぁぁ~!シノブ、わかった!わかったからぁぁ、、班長、説明ハラスメントですよー!」


 「すげぇな。なんでもハラスメントつくじゃん。聞かれたから、答えただけだしぃ~。っていうか、合点承知之助って、シノブ、どこで覚えたんだよ?」


 『漣さんが、ラボで使っていました。何度か聞きましたので、パターン分析から、使い方を導き出したのですが、間違っていましたか?』


 「いや、間違ってはいないんだけどなぁ。シノブは、勤勉すぎるぞ。」


 「おいおい、班長。今度はぁ、年寄りハラスメントかい?」


 「漣さんまで!?ってか、漣さん、年寄りってほどではないでしょう!まだ!!」


 うぃぃーん(自動ドア)


 「おはようございます。ブリーフィングを始めたいのですが、、?皆さん、お揃いのようですね。」 

 「おはようございます!いつでもどうぞ!アップは済んでおります!」

 「白玉班は、いつも賑やかでいいですね。嫌いではないです。では、席にお座りください」

 彼女は、津々見さん。作戦本部のオペレーターだ。

 作戦本部の制服に、ビシッと決まった髪型。本日も麗しきかな、津々見さん!


☆☆☆☆☆


 「F3dのビーコンの安全確保と修理、および、保全設備の起動確認が、今回の任務となります。なお、本日より深層部による遠征も計画されているため、急遽予定を変更しての任務ではありますが、急ぎのため、白玉班にお願いする流れとなりました。ご理解頂けると、幸いです。、、いつも、無茶な任務ばかりで、申し訳ありません。」


 「いやいや、津々見さんが謝ることじゃないって。むしろ、うちと上の間で、大変だと思うよ。ありがとね、いつも。」


 「いえ、そんな」


 「ちなみに、ビーコンの状態は、わかってるの?」


 「はい!午前4時20分、F3dのビーコンからの通信が途絶。その他周辺のビーコンは、問題なく稼働していますので、領域はカバーできています。最後に保全設備からキャッチしたデータには、何かに反応した痕跡がありましたが、特定は難しく。恐らく、襲撃を受けた可能性が高いかと。そのまま、エリアを占領されている可能性もあります。」


 「なるほどなるほど。つまり、ビーコンエリアのお掃除もしてこいってことだっ?(うっでぇ)がぁなるねぇー!」


 「確かに、タツミには活躍してもらえそうだな。うーん。それと、深層部の遠征って言葉が出るってことは、ルートが関係してるってことですよね?時間制限ありパターンだったり?」


 「はい。、、約一時間遅れで、深層部の遠征組が出発する予定です。」


 「一時間かぁ。ビーコンの修理まで含めて、一時間だとして、漣さん、大丈夫そうですか?」


 「まぁ、なんとかなるだろ。それより、ビーコンは修理できればするが、破損が酷ければ、交換になるが、そこは大丈夫かい?」


 「はい。幸いにも、近々交換予定だったビーコンがありましたので、そちらの予備をこちらに回していただくことになりました。保全設備のカバーも含めて、すでに、手配済みです。」


 「なら、問題ないな。」


 「うっし!じゃあ、時間もないことだし、準備に取り掛かりますかっ!」


 「っす!!」


 「よっしゃぁ!行きますかぁー!ほぁー、今日は一段とうまいビールが飲めそうだなぁ~!」


 「チラッとこっちを見ても、奢らないからなっ」


 「ちぇぇぇ~」


 「じゃあ、一杯行くか?久しぶりに?」


 「漣さん!神ですかっ!!」


 「班長は、家に待ち人ありだからなぁ。しょーがないさぁ。」


 「そうですねぇぇ。ちぇぇぇ~」


 俺だって、皆と飲みたいけどさぁぁ

 あれ?俺、皆と飲んだの最後いつだっけ??

 

 今度、本当の非番の日に、みんなでご飯ってのも、悪くないかもな。

 


 




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