つくねも美味しいよね
丑の日!
かまぼこの、う○次郎(商品名書いていいかわからないので、○採用)初めて食べたんですけど、普通にうまい!!です!いつも置いてくれないかなぁ、、、
最近の食品開発は、凄まじい努力を感じます。ありがてぇです( 〃▽〃)
あっ、この作品は、週一更新です。
前回書いてなくて、すみません!!
それでは、本編をどうぞ!
「ティッシュいかがですかー??」
電車に揺られること約20分。職場の最寄り駅に到着。
割りと大きめの駅なので、毎日のようにポケットティッシュ配りのバイトさんを見かける。というか、もはやちょっとした顔馴染みまである。
『ダンジョン保険入りませんか?もしもの時のパートナー』
ネット広告でもよく見かける、大手の保険会社のキャッチコピーだ。まぁ、うちは職場で共済の団体契約があるから、ティッシュもらっても、保険に入ることはないんだけどね。
駅から職場までは、バスが出てるけど、晴れの日は基本歩くことにしている。歩く方が見えるものが多い気がして、なんとなくね。
都会でもないけど、田舎でもない。くらいの程よい街並みの中を歩く。今日は、程よく晴れてくれて、うららかな陽射しの中、春風が心地よく過ぎ去っていく。職場までの短い散歩道には、最高のお日和だ。行き交う朝の人々も、いつもより足取りが軽いのは、そのおかげかもしれない。
開店準備中のカフェや、にぎやかなコンビニを横目に、駅から歩くこと約十分。
あっ、帰りに、コンビニで「もなかまちゃん」のふりかけ買うの忘れないようにしないと!!リマインダーリマインダー!
、、まぁ、それは一旦置いておいて。
約十分歩いた先では、視界が急に開けて、大きな公園かな?公園の中にでっかいビルがあるのかな???っていう風景が現れる。
昔ながらの言い方をするなら、でっかいドーム数個分の広さがある敷地の外周に、オシャレな公園が整備されている。俯瞰の映像で観れば、『口』の形に似た公園が確認できるはずだ。遊歩道にベンチが設けられ、ランニングしている人もいれば、座って何かのデバイスをいじっている人もいる。
まぁ、実際にはただの公園ではないんだが、普段はこうやって開かれた公園として、憩いの場になっている。拓けた場所も作ってあって、東屋には、テーブルもあるので、みんなでお弁当をひろげて食べたこともあったなぁ。
そして、その外周の公園に沿う形で、内側には道路が整備されていて、AIバスが定期的に周回自動走行をしている。このAIバスは、IDさえ持っていれば、無料で乗り降りできるので、かなり重宝されている。
敷地が広くて、かつ、産官学事業で様々な企業や部署があるために、入り口も複数あって、このAIバスがないと、大変なことになっていたんじゃないだろうか。
蛇足にはなるが、AIバスと同じく、IDさえあれば無料でレンタルできるチャリが、各地の置き場に設置されているので、軽く運動も兼ねて移動したい組は、そちらを利用している。
通路を進んでいくと、どこのデザイナーに頼めば、こんな風になるのかわからないが、無駄にオシャレなビルの外観が目に入る。
高さは凸凹しているが、最大で地上12階、横にも奥にも長い。これも、俯瞰の映像で観れば、少し歪な『口』の形に見えるだろう。だが、実際にはいくつかの独立した棟の集合体で、間を道路が走っていたりする。そして、その中心部には、飛行機の格納庫に似た倉庫群や、グラウンド、謎の施設なんかがある。
この中心部を囲むようにして、『口』の形にビルが建っている。
公園の整備も含めて、全てのビルが数年前に建て替えが終了したばかりだから、まだまだ綺麗なビル群だ。
オシャレなビルではあるが、外にも内にもガチガチのセキュリティを誇っているので、正規の手段以外での侵入はオススメしないな。
まぁ、小っ恥ずかしいが、ここが俺の職場、ダンジョン特区だ。
☆☆☆☆☆
エントランスに入ると、知らなければわかることもないが、まず銃火器やガス等の危険物所持がないかのスキャンが、各種自動的に行われる。どこにカメラがあるのかは、俺も知らないが、顔認証も行われているらしい。
ないとは思うが、もし、もしも、無許可で銃を所持したまま、エントランスに入ることがあれば、いくつもの照準が即スタンバイになる。とだけ言っておこう。というか、俺はそう説明をされた。
「おはようございます」
「おはようございまーす」
受付の方に挨拶をしつつ、奥に進んでいくと、入館証の改札があり、そこから先は、部外者と関係者でゲートが分かれることになる。
部外者ゲートの方は入ったことがないので、中がどうなっているのかわからないけど、関係者ゲートでは、最後に網膜と静脈のパターン認証が行われて、やっと本館に入れる。
「おはようございます」
「おはよう、くろべえ」
人型警備担当ロボのくろべえにも、もちろん挨拶をする。
「今日のお弁当は、つくねですか?」
「つくねもいいなぁ~。けど、今日は、鮭の切り身とハーブ卵焼きがメインだよ。」
「先週もその組み合わせがありましたね。」
「さすがになぁ、一週間で被ることがないようにはしたいけど、週一は許して欲しいなぁ。」
「お弁当作りも、大変なのですね。」
「まぁねえ。毎日のことだし。ほんじゃ、また帰りに。」
「はい。お気をつけて。」
うちの職場は、帰る時よりも、出勤した時に、『気をつけて』と言われる職場だ。なかなかハードだろ?
☆☆☆☆☆
浅層管理部第三課。と書かれたプレートが下がっている部屋に入る。
「おはようございまーす。」
「おぅ、白玉。早速で悪いけどよぉ、白玉班の現着が早くなった。10分後にブリーフィングだ。みんなを集めておいてくれ」
「課長!了解です!今回は、うちの班だけですか?」
「あぁ、急ぎだからな」
「、、わかりました」
今朝は、のんびりはしていられないらしい。
第三課には、十個の班がある。
俺は、その第七班の班長なので、うちは白玉班と呼ばれている。天井から七班とプレートが下がっている下に、うちの拠点がある。と言っても、メンバーそれぞれの事務机にパソコンやらなんやらが置かれているだけなんだが。
「漣さん、課長から聞きましたか?」
「ん?あぁ聞いたよ。また現着が早くなったらしいじゃないか。」
紙の新聞から顔を覗かせたのは、漣さん。癖っ毛の無造作ヘアーに、メガネがトレードマークの先輩だ。今時、紙の新聞なんて、とも思うが、現代でも意外と紙の読者は多いらしい。漣さんも、デジタルニュースは、しっくりこないとか、質感が違うと言っていたので、そういう感覚的なナニカがあるんだろう。
「他のメンバーは、そろそろ出勤してくるとして。シノブ達は、大丈夫ですか?」
「メンテナンスは、昨日のうちに終わらせてるよ。問題なしだ」
『はい。いつでも出動できます』
漣さんとの会話に割り込んできたのは、うちの大黒柱シノブだ。漣さんのデバイスが、シノブとリンクしたままになっていたらしく、事務机上の画面に、バストアップの可愛いロボが映し出されている。
「おぉ、おはよ~、シノブ」
『おはようございます。班長』
「悪いけど、他の連中に10分後にブリーフィングがあるって、ライデンしといてくれるか?」
『了解しました。送信完了です。そのお顔は、、卵焼きですね。』
ライデンは、SNSの1種で、うちは高セキュリティ版のオフィスモデルを採用している。もっぱら、課や班関係でのやりとりは、ここで行っている。
「正解。最近、的中率が上がってるな、シノブ~。ポーカーフェイス極めなきゃな。ちなみに、アスパラを添えてだぞ~。うむ!それより、ブリーフィング次第ではあるけど、装備はいつも通りでいいだろうから、換装しておいてくれ。30分後には出動する。」
『佐倉博士より、新作のブレードが届いていますが、使用されますか?』
「また、こっちに試作をまわしてきたのかよ、、うちは、実験屋じゃねぇっつーの。」
「佐倉君は、班長がお気に入りだからな」
漣さんは、くつくつと笑っているが、毎回毎回試作装備の実地運用データの採取をさせられる身にもなって欲しい。
優秀なマッドサイエンティストほど、やっかいな存在はいないと、嫌というほど体感した。絶対、戦闘データをオカズにしてるタイプだよ、佐倉博士は。あー、白飯てきな意味な。ん?あれ、いや、佐倉博士なら、サンドイッチ派か?
「しゃーない。じゃあ、俺の装備に追加しておいてくれ」
『リクエスト・・・完了しました。班長のボックスに追加されます。』
「サンキュー、シノブ」
『タツミと、コマチから、直接ブリーフィングルームに向かうと、ライデンがきています。よろしいですか?』
「ほんじゃ、うちらも向かいますかね。よっこらしょっ」
漣さんが新聞を畳んで立ち上がる。
「そうですね。シノブ、タツミとコマチには、それでいいと伝えてくれ。」
『了解しました。』
さて!
今日も、仕事の始まりだ!
『漣さん、よっこらしょっは、おじさんみが溢れています』
「歳には勝てんのだよ、シノブ」
『なるほど。。』
相変わらず、締まらないなぁ、うちの班は。。
まぁ、そんな班が俺は好きなんだが。