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東風(こち)吹かば こころのころも ふわり揚げ (2)

遅くなりました!

先週末から、なんだかんだと時間が確保できなくて、申し訳ないです!


次回は、水曜日の予定です!

次回こそは、遅れない!!


それでは、本編をどうぞっ\(^o^)/


 「こちらのチェックシートにマークをしていただいて、あと、最後に希望があれば、ここの欄に書いてくださいね。金曜日までに提出してもらえるとありがたいです」


 「わかりました。では、明日には提出させていただきます。」


 「え?いやいや、そんなに急ぐ必要はないんですよ?せっかくの廣瀬さん専用バギーですからね。じっくりどんなオーダーにするか考えていただいて大丈夫ですから。もしわからないことがあったら、私か白玉さんに聞いてもらえれば、問題ないですし。」


 「では、明後日には提出できるように努めます」


 「そうですか?あの、本当に今週中なら大丈夫ですからね?」


 「そうだよ。廣瀬さん。専用バギーが届くまでは、汎用型で出動になるけど、そんなに動きも悪くないし、設備もいいから、意外と使いやすいんだよ。それに、どんなカスタムにするのか考えるのも、楽しみの一つなんだからさ。もう少し、ゆっくり考えてみたら?」


 「ゆっくりと、ですか。で、では、明明後日(しあさって)に提出できるように頑張ります!」


 「そ、そう?じゃあ、まぁ、一緒に考えよう。いいカスタムにするために、なんでも聞いてね。専門用語とかも、わからない時は遠慮なくね」


 「いっ、一緒に、ですか、、はい!その際は、よろしくお願いします!」


 「ん?うん、おっけー」


 今は、廣瀬さん専用のバギーをどうするのか相談しているところだ。


 一日でも早く専用バギーが欲しい気持ちはわかるけど、さすが廣瀬さんというべきか、即断即決って感じだね。


 とは言え、装備の一部なんかは、アタッチメント方式で切り替えできるけど、全体的なオーダーは一度作ってしまうと、なかなか簡単には作り直せないので、ここは少し慎重にオーダーを考えた方がいいと思う。


 できれば、いろいろ相談してもらえると嬉しいけど、廣瀬さん、あんまり相談してこなさそうなんだよなぁ。

 反応を見た感じ、一緒に考えるのも、もしかして嫌なんだろうか??

 廣瀬さんとは、ほぼ一回りくらい年齢が違うしなぁ、

 うーん、やっぱり俺って、廣瀬さんからしたら、おっさん上司なんだろうか、、

 みずき達の方が年齢が近いくらいだもんなぁ、、、


 んがー!距離感むずいっ!!



☆☆☆☆☆



 現代のダンジョンキーパーにとって、バギーは必需品となった。というか、バギーなしにダンジョンに潜ることは、今ではありえない。


 俺達にとって、バギーは矛であり盾でもあり、家でもある。


 ダンジョンは、危険な場所だ。

 暗く、広く、深く、そして、多くのモンスターが闊歩している。

 その世界を生身で歩くには、リスクが高い。

 そのために、ダンジョンキーパーの命を保護しながら、調査発掘やインフラ整備等の仕事をこなすために作られたのが、バギーだ。


 現行の全モデルに共通するコンセプトが、バギーのみでダンジョンキーパーの仕事が全てこなせること。

 まぁ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()まぁ、あれだ。うん。必要があって、やっていることなので、問題はない。

 おほん!問題はないぞ!ここ大事!


 そういうわけで、ダンジョンに潜っている間は、そのほとんどの時間をバギーで過ごす。だから、一種の特権として、バギーはフルカスタムで専用機が作られる。


 自分のスタイルや、チーム内での役割、その他諸々を鑑みて、バギーをどうカスタムするのか考える。

 意外と大事なのは、生活空間として、ストレスをいかに減らせるかというのもある。深層の職員の中には、小さな棚を作って、お気に入りの漫画を数冊持ち込んでいる人もいるらしい。おそらく漫画を読む行為が、一種のリラクゼーションになっているのだろう。

 新人にとっては、手探りの中、オーダーを出さないといけないので、意外と難しい初めてのタスクになるのかもしれない。


 にしても、廣瀬さんの役割か。

 うーん。今のところは、タツミと一緒に前衛っぽいと思っているけど、それは午後からのトレーニングで特性もわかってくるはずだから、後でじっくり考えるとしよう。


 「篠宮さん。せっかくなので、廣瀬さんに、七班のバギーを見せてあげたいんですけど、いいですか?」


 「ええ!もちろんです!いい参考になると思います。ちょっと待っててくださいね。準備しますから。」


 『お手伝いいたします』


 「シノブも、よろしくっ!」


☆☆☆☆☆


 「では、改めて、ここに並んだのが七班のバギーです!」

 格納庫から、四人分のバギーを出してきて、並べてみた。

 改めて、こうやって見ると、やっぱりそれぞれに個性あるなぁ。


 「これが、七班のバギー。あの、班長のは、どれになるんですか?」


 「おっ、俺のから紹介ね!じゃあ、せっかくだし、当ててみてよ!どれか、わかるかなぁ~」


 「えっ?当てるんですか!えぇ~、ん~」

 廣瀬さんが、四台のバギーを見比べている。

 さぁ、わかるかなぁ、廣瀬さん。


 「大きいのは、二人乗りで、たぶん作業メインのカスタムだから、班長じゃなくて、漣さんのバギーだと仮定して。、、班長は、バックアップタイプよりもアタッカーのはずだから、あの汎用型に近いカスタムも違うはず。、、、んー、あと、二つどっちだろう。」


 「ヒントいる?」


 「、、必要ありません!当てます!」

 おぉ、なんとなくクイズ形式にしてみたけど、廣瀬さん意外と乗り気だね!ゲームとかも、負けず嫌いなのかな??


 「でも、カラーリングからして、やっぱりこの派手な感じは、タツミさんっぽいし、、はい!わかりました!班長のバギーは、このスッキリしたタイプのバギーです!」


 「おっ、正解はぁ~~、どぅるるるるるる、、なんかごめん、うまくリップロールできなかった、、でも、廣瀬さん正解!」


 「ほんとですか!!やった!」

 おぉ、思ってたよりも、すごい喜んでくれた!

 へぇ、廣瀬さん、こういうゲーム形式も嫌いじゃないんだな。

 トレーニングとかにも活かせそうだ。


 「左から、コマチ、タツミ、俺、漣さんのバギーでしたぁ!漣さんのもわかってたみたいだし、コマチはまだ会ってないから、しょうがないけど、消去法でタツミのも正解だし、廣瀬さん、すごいね!」


 「え!あっ、やっ、あの、そんなことないです!」

 あれ?さっきまで正解して喜んでたのに、褒めてみたら、あたふたしだしたんだけど?なんでだ??


 「いやいや、そんなことあるよぉ。観察眼が優れてるんだろうし、それを考察する力もある。それに、バギーのことも、ちゃーんと勉強してきてるみたいだし。さすが、廣瀬さんだね!素晴らしいよ」


 「、あの、、ほんとに、私はまだまだで、」

 それは、どういう反応なの、廣瀬さん?

 ちょっと顔赤くなってない?

 もしかして、褒められ慣れてないのかな??

 タツミなら、褒めたら、飛んで喜ぶのになぁ。


 もうちょい褒めてみたい気持ちが燻るけど、これ以上はセクハラになりそうだから、やめておこう。


 まぁ、とりあえず、バギーの説明に移ることにしよう。


 「ちなみに、漣さんのは二人乗りで、シノブが一緒に行動することが多いね。知っての通り、三課はビーコンの整備が主な仕事だから、ある意味、漣さんのバギーがメインとも言える。二人乗りで、更にいろいろ詰め込めるから、重量もあるよ。」


 「えと、、では、あの汎用型に近いカスタムは、そのサポートということですか?」


 「そうだね。あれには、コマチが乗ることになってるんだけど、漣さんのサポートを中心に、バックアップ型だね。まだ、廣瀬さんは会えてないだろうけど、お昼からは合流するから、楽しみにしてて。コマチも、いいやつだからさ。」


 「あっ、はい。では、漣さんとコマチさんが、ビーコンの整備等を担当されて、班長とタツミさんが、周りの警護を担っているということで、合っていますか?」


 「ザッツライッ!そうっ!タツミが一番槍で、俺が控えの二番槍。それが、今までの七班のスタイルだね。まぁ、一番槍と言っても、タツミのバギーには遠隔系の装備が多く採用されてるから、ちょっと特殊だけどさ。」


 「あの、ちなみに、班長のバギーは、どういうカスタムなんですか?」


 「俺のは、ブレードやら威嚇弾やら、幅広いレンジに対応できるようにしてあるんだよね。後は、自分が使う装備を入れてるボックスが他のバギーよりも大きめに設計されてるとか、細かいところで言うと、ちょっとマニアックな設計かもしれないね。前衛後衛でいうなら、そのどちらにも対応できるから、中衛タイプと言ってもいいかも」

 

 「少し意外です。班長は、もっとアタッカータイプかと思っていました。」


 「そうかなぁ?あぁ、まぁタツミがいなければ、それもありだったかもね。でも、レーザーエッグとか、遠隔系が強すぎて、前に出る必要がほとんどないんだよね、実際。余程のことがない限り、タツミだけでほとんど戦闘が終わっちゃうし。こないだは、久しぶりに俺もがっつり戦闘に出たけど、浅層では、本当に稀だよ、ああいうパターンはね。」


 「深層と浅層では、モンスターの出現率や数が違うと習いましたが、やはり、それほど違うものなのでしょうか?」


 「そうだね。深層は、桁違いだよ。モンスターそのものの強さや敏捷性が上な上に、数も一気に押し寄せてくることがあるからね。それに比べたら、浅層は極楽かな。」


 「極楽、ですか?」


 「あー、いや、極楽は、ちょっと言いすぎたかな。あはは。でも、最近は深層からモンスターが上がってくることが少しだけど増えてきてるから、油断は禁物だよ。ちょっとした油断が、命の危機に繋がるからね。廣瀬さんも、それは肝に銘じておいて。」


 「はい!深層からのモンスター、、望むところです」

 

 「そうだね。深層の一課を目指すなら、それくらいの気持ちがあってもいいけど、、廣瀬さん」


 「はい」


 「深層でも、浅層でも共通することだけど、ダンジョンキーパーは、チームで動く。一人だけが前のめりに動けば、チームの動きが乱れる。早く一課に行きたい気持ちは理解するし、応援もするけど、それはそれ、これはこれだよ。ダンジョンに潜れば、焦らず、目の前ことに、しっかりフォーカスして欲しい。急がば回れだよ。いい?」


 「、、はい、努力します」


 「よろしくね。でも、廣瀬さんが七班に来てくれたことは、力強く思ってるから、期待もしてる。それも、忘れないで。いいね。」


 「、、はい」

 ちょっと言いすぎちゃったかなぁ、でも、言わなきゃいかんし。うん!切り替え切り替え!


 「よし!じゃあ、俺のバギーのとっておきを紹介しようかなっ!実はねー、冷蔵庫がぁ」


 廣瀬さんの気持ちは、かなり強いんだろうけど、伝えるべきことは伝えないといけない。

 でも、七班を好きにもなって欲しいし、、できれば、俺のことも、おじさん上司カテゴリーには入れないでもらえるように、頑張るしかない!!


 おっしゃあ!

 昼からは、みんなでトレーニングだっ!!




 

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